ネットワークオーディオは関連する要素が非常に多く、一筋縄ではいかないな、というのが私の印象です。今回は、私の経験や、ブログの中でこれまで私が悪戦苦闘してきた経験から、悪戦苦闘しないためにはどうしたら良いのかをお伝えしたいと思います。
デジタルデータもアナログ波形で伝わっている
デジタルデータはよく0と1で、0 0 1 1 0 1 のように記載してあります。しかし、実際のデータはこんな風にデジタルに伝わるわけではありません。アナログ波形としてケーブル内を伝わっていきます。いわゆる矩形波として伝わるのですが、自然界に完璧な矩形波は存在し得ないので、ゆがんだ、それもかなりゆがんだ矩形波として伝わっています。これを受け側で再び数値化するときには、ゆがんだ矩形波を元にクロック信号をそこから再生して、データを読み取ることになります。つまり、矩形波がゆがんでいるとデータそのものは同一であっても、時間的な揺らぎが大きくなってしまうのです。いわゆるジッターが増えてしまうわけです。ですから、デジタルケーブルであっても音声情報を送る限り、できる限り元の波に近い形で伝送でき、さらにノイズ耐性に強いことが求められます。
ただし、アナログ信号と違って、時間軸は揺らぐことはあっても、一つ一つのデータが変わってしまう、ということはありません。ですから、工夫次第で、データの精度(時間的なという意味です)を高めることは可能なのです。
デジタルケーブル(LANケーブルも含めて)でも音は変わります。ただし、含まれている数値としてのデータは同一で、時間軸の揺らぎの多寡と信号に含まれるノイズの量が音質を決めていると思われます。また電送波の反射も問題になりますから、インピーダンスがきちんと制御されているケーブルを選ぶことが重要です。
オーディオ用HUBの導入は音の改善効果が極めて大きい
ネットワークオーディオ機器を導入するときに、同一価格であればHUBの導入が最も効果が高いことが多いだろうと思います。15万円かけてネットワークオーディオをグレードアップしたいなら、ネットワークプレーヤーを新調するよりも、オーディオ用ハブが未導入であればオーディオ用HUBを導入した方が効果は大きい可能性が高いということです。
ネットワークオーディオの高音質化を目指すなら、オーディオ用HUB(最近はスイッチと呼ばれます)の導入は必須だと思います。
なぜ、オーディオ用スイッチの導入効果が大きい理由は正直なところよくわかりません。スイッチが何をしているのか、私が今ひとつ理解できていないからです。ただ、ノイズ対策が徹底していること、精度の高いクロックを搭載し、そのクロックに従って、送信信号を再生成していることなどが影響しているのだと思います。
上記のページはLAN信号の仕組みやハブやスイッチの機能を解説してくれています。ご興味があれば一読すると良いかもです。
- Panasonic|パナソニック USBパワーコンディショナー SH-UPX01楽天市場Panasonic製のアイテム 実際効果も確実にあります 私はほぼ全ての機器に使っています
- AET ノイズイジェクター RCA端子 EVO-NE0510NI-RAmazon(アマゾン)何故これが効果があるのかわかりませんが、効果があります。副作用は今の所、ありません。
- FURUTECH NCF Clear Line-RCA ラインオプティマイザー (1個)楽天市場かなり効果的なアクセサリーです
- エレコム オーディオケーブル ピンプラグ(L-R)-ピンプラグ(L-R) 極細/金メッキ ブラック 1m DH-WRN10Amazon(アマゾン)この汎用品のRCAケーブルは下手なオーディオ用高級ケーブルでは歯が立たないほどの音質を持っているとおもいます。