前回に引き続き西田昌司参院議員による国債その他に関する国会質疑をYouTubeと議事録によりお送りします。これは簡単に読んでわかるというものではないので面白くないかもしれませんが、MMTの考えを知るうえでは貴重な資料になると思いますので、あえて連続して記事としました。

国債や財政が破綻するとか財源問題が話題になって少し詳しく知りたくなったらこの西田議員の解説を思い出してほしいと思います。

 

今回の西田議員の質疑は前回よりわかりやすく、国債の償還問題、借換債の意味、日銀の国債買受により債務残高が1千兆円あっても問題ないということ、国債を償還したら経済は回っていかないことなどが説明される。しかし、財務大臣以下は全く他人事で西田議員の話をまじめに聞こうとしない。

そんな状況がこの質疑からよく見て取れる。

 

 

令和4年4月11日 参院決算委員会

財務省大臣官房総括審議官 小野平八郎 

財務省主計局次長 奥達雄

財務省主税局長  住澤整

財務省理財局長  角田隆       

国税庁次長 重藤哲郎

日本銀行企画局長 清水誠一

 

○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。 今日は、去る三月十五日に参議院の財政金融委員会で鈴木大臣と議論させていただきましたが、そのときのことを復習しながらといいましょうか、確認しながら改めて質問したいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず、この三月十五日、財金委員会で大事なことを確認させていただきました。それは、新規国債発行による予算執行は、民間銀行による信用創造と同じく、民間の預金残高を増やすということを日本銀行が認めました。そして、国債発行が民間銀行に引き受けられて、民間預金で引き受けられている、これ、よく財務省がそういう言い方しているんですけれどもね、そうじゃなくて、日銀が自ら発行する準備預金、まあ日銀当座預金ですけれども、これによって民間銀行が引き受けているんだということも日本銀行は認めました。さらに、金利は経済状況により日銀が調整していることも認めました。すなわち、低金利を維持するなら国債を民間銀行から買い、代金として日銀が準備預金を支払う、いわゆる買いオペですね、このことによって民間銀行間の決済に十分な準備預金を供給することによって短期金利を低く誘導すると。また、逆に景気の過熱を抑える場合には、金利を上昇させるために民間銀行に国債を売ると、売りオペですね、そのことによって準備預金を民間銀行から日銀が回収すると、このことによって銀行間取引に必要な準備預金を少なくするということも認めたわけです。  そして、現在も二%の物価上昇を目標にして、これ政府と日銀との間の政策協定ですけれども、金融緩和を継続している。つまり、そのために買いオペを継続しているということを認めたわけでありますけれども、まず日銀に、以上、前回の財金での確認事項、間違いないか確認します。

 

○参考人(日本銀行企画局長清水誠一君) 簡潔にお答え申し上げます。 新規国債発行による財政出動は、まず、銀行が国債投資の採算性と金利変動等のリスクを考慮した上で自らの投資目線に見合うものと判断すれば国債を購入し、その後、政府が調達した資金を実際に支出するという二つのステップを踏む場合には預金の増加につながること、また、国債の、銀行の国債購入資金は、銀行が日銀当座預金を潤沢に保有する場合はそれを用いて購入することとの趣旨を前回の答弁で申し上げました。  さらに、金利につきましては、経済状況に応じて、2%の目標を実現するという金融政策目的で調整しており、現在は国債購入により潤沢な資金を供給し金利の低位誘導を継続している一方、2%目標が安定的に達成されるのであれば、先生御指摘のとおり、景気の過熱などを抑制する観点から資金を吸収し金利を引き上げていくことになる、このような趣旨を前回申し上げたところでございます。

 

○西田昌司君 まあ私が言っている方が国民には分かりやすいと思うんですけれども、結果として今同じことを言ったわけです、日銀の方は。

 それで、もう一つここで確認しておくんですけれども、現在、ロシアのウクライナ侵略などで、そのことの影響もあって原油などの原材料価格が高騰しています。さらに、アメリカでは今もう実はインフレなんですね。アメリカはかなり大きなインフレになってきているんで、金利を上げて、この過熱を調整するというために金利が上げられるということがなってきております。そのことで日米金利差というのが顕在化してきて、いわゆるドル高円安という局面になってきているわけですよね。こういうことを受けて、日本国内でも、先ほど言ったように原材料価格が上昇が出てくる、そうすると、これインフレになっているじゃないかということで、このインフレを抑制すべきじゃないのかというような話があるんですが、しかし、これはいわゆるコストアップインフレということ(トラ注:天才成田悠輔はこの区別が全くつかないというか、インフレのことを知らない経済学者だった)ですから、日銀が目指している、需要拡大してそのことによってこのインフレ、まあ経済成長ということになろうという方向とは違うわけなんですね。ですから、今のこの状況下においても、今、先ほどお話しになったように引き続き金融緩和政策が継続されるべきだと私は思いますが、日銀の見解を聞きます。

 

○参考人(清水誠一君) 現在の状況についてお答え申し上げます。 ウクライナ情勢を受けました供給不安に起因する資源、穀物価格の上昇は、短期的にはエネルギーや食料品を中心に物価の押し上げ要因となる一方、家計の実質所得の減少や企業収益の悪化を通じまして国内需要の下押し要因となります。このことは、感染症からの回復がなお道半ばにある我が国経済に悪影響を与え、ひいては、やや長い目で見れば基調的な物価上昇率の低下要因ともなり得ます。

 こうした経済、物価情勢を踏まえますと、日本銀行としては、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことで、我が国経済をしっかりと支え、安定的、持続的な2%目標の実現を目指していくということが適当であるというふうに考えております。

 

○西田昌司君 結構です。 このように、引き続き金融緩和政策を日銀が継続してやっていくということを今確認させていただきました。こういう状況の中で、実は前回、ですから私が今言いましたように、元々国債の発行を民間銀行が引き受けているわけでありますけれども、その国債の引き受ける民間銀行の資金は民間預金、彼らが預かっている民間預金ではなくて、日銀が供給している準備預金でこの民間銀行は取得するんだと、今もそういうような話言っているわけですね。そして、日銀が、今も言ったように、現在もその金融緩和政策、つまり日銀、民間銀行から国債を買い取って民間銀行側に準備預金を提供するということを言っているわけですね。ですから、新規発行、国債を出していっても、それを買うお金がないというようなことにはならないということなんですよね。ですから、そういう日銀の答弁で、いわゆる国債を発行して、それが償還、償還というよりも、新規発行がうまくできないというようなことはないということで私は財務省に質問したわけですよ。

 そうすると、財務省がどう答えたかというと、個々の銀行などが国債を購入する場合、それは採算性だとか、また金利変動リスクを考慮する必要がございまして、実際にどれだけの国債を銀行が購入するか、これにつきましては金利の水準等の条件によるものと、このように承知しています、したがって、国債発行がある意味無条件に、無制限に行われるということではないと、そのように考えておりますと、こういう答弁を主計局の次長が発言したんです。

  確かに、今言ったように、無条件、無制限、そんなことは私は何も言っていないんですよ。日銀がこういう政策を継続している限りにおいて国債発行に問題が出ることはないということを言っているわけで、そういうこと言っていないんですけれども、財務省の方はそういう答弁をしたんですが。  そもそも、今あったように、日銀が異次元金融緩和をこれからも行うということですから、実際問題、今までその日銀の政策のおかげで多額の国債購入を民間銀行が行ってきたというのが、これは揺るぎない事実だと思いますが、日本銀行、どうなんですか。

 

○参考人(清水誠一君) お答え申し上げます。 御質問は国債の消化に関する事項というふうに伺ったところでございますけれども、その点については国債管理政策を担う財務省の所管であるため、その評価についての具体的なコメントは差し控えたいと思います。

 その上で申し上げますと、銀行などは国債の金利や償還までの期間といった条件が投資目線に合うかどうかを判断して国債購入の可否を決定しているというふうに理解しておりますが、その下での国債金利の形成を見ますと、これまでのところ、特段の大きな問題は生じていないというふうに考えております。

 

○西田昌司君 ですから、日銀の金融緩和政策によって国債の新規発行、消化は全くよどみなく行われていると。で、今後もその政策を変えないと日銀が宣言しているんですから、その先の消化についても心配ないわけなんです。

 そこで、ちょっともう一度根本的なことをこれ財務省に質問しますが、そもそも国債発行によって得た財源で財政出動すると、民間預金、いわゆるマネーストックですね、民間預金残高が増えると思いますが、いかがですか。

 

○政府参考人(財務省大臣総括審議官小野平八郎君) お答えいたします。 先生御質問のように、国債を発行いたしまして銀行がこれを引き受けるという場合、先ほど日本銀行の御答弁にもありましたけれども、銀行の日銀当座預金がその分、引き受けた分減少するということでありますので、民間預金には影響がないということであります。

 その上で、政府が国債発行により得た資金を国内の企業なり家計なりに対して財政支出という形で行った場合、その取引だけを見ますと、その財政支出の金額だけ民間預金が増加していると、それはもうそのとおりであります。

それから、銀行以外の企業あるいは家計、これが国債を引き受けた場合には、国債購入時点でその企業や家計の民間預金が減少しますので、これについては財政支出がありましてもそれと打ち消し合うということ(トラ注:個人等が引き受ける国債は率としてわずかなものなのに、それを引き合いに出して、国債発行が民間預金を必ずしも増加させないと財務省は詭弁を弄する。)で、結論から申し上げますと、銀行引受けの分は日銀当座預金の方に動きますので、その分は民間預金、マネーストックが増加するという形になります。個別の取引に着目した仕訳というのはまさに申し上げたとおりでありますけれども、民間預金全体の状況については、まさに銀行貸出しの状況ですとか経済金融情勢に左右されます。国債の消化ということにつきましても、金利なりあるいは財政の信認の状況を含む市場の状況に左右される(トラ注:国債の消化は市場の預金によってなされるというプール論に毒されて強弁する財務省)ということは付言しておきたいと思います。

 

○西田昌司君 長々説明いただきましたけれども、要するに、民間銀行が引き受けて財政出動すれば当然マネーストックは増える、民間の預金残高が増える。生命保険とか他のは、これは預金と入替えになるだけの話でありますから、それは関係ないんですが、それは。じゃなくて、大きな大宗の話としては財政出動額が増えるということなんです。

 じゃ、逆の話ですね。税によって国債を償還して国債残高が減少したら、当然その減少した分だけ民間の預金残高、マネーストックが減ると思いますが、いかがですか。

 

○政府参考人(小野平八郎君) お答えいたします。国内の企業や個人から税を徴収いたしますと、その段階で企業なり個人なりの預金は減少するということになります。それで得た資金で国債を償還する場合は、先ほど申し上げたように、銀行が保有している国債を償還するか、あるいは、企業、家計が保有している国債を償還するかということで違ってきまして、銀行保有の国債を償還する場合には、銀行が保有する日銀当座預金が増えるということなので、民間預金には影響がない。企業や個人が保有する国債を償還しますとその分民間預金が増えるということで、まあ税によって取られた分と相殺されるという形になりますので、先ほどと同じように、その銀行保有分の償還ということからの影響で、全体として見れば民間預金は減少するということになると考えます。

 

○西田昌司君 まあ財務省も認めたように、要するに、税で償還すると、当然税で取った分は減るんですよ、民間預金はね。これがもう揺るぎない事実です。

 それで、もう一つ大事なのは、国債の償還というのは、よく孫子の代に借金を残していいのかというので、次の時代の税で償還しているというふうに言われがち、思われがちなんですよ。しかし、事実は借換債によって行われている、これが現実だと思うんですけれども、借換債によって国債を償還した場合はこのマネーストックには影響を与えないと思いますが、いかがですか。

 

○政府参考人(小野平八郎君) お答えいたします。 繰り返しになりますけれども、その借換債、これを銀行が購入する場合には、日銀当座預金が減少するということになりますので、民間預金への影響はございません。企業や個人が保有する国債を償還する場合には、その分民間預金が増加するという関係になりまして、こうした取引の仕訳のみを見れば民間預金の額は変わらないということになりますけれども、先ほども申し上げましたように、そもそも民間預金全体の状況は経済、金融の一般情勢に左右されるということ、さらに、借換債を含む国債の消化ということにつきましても金利あるいは財政への信認といった市場の状況に左右されるということは申し上げておきたいと思います。

(トラ注:国債の消化つまり発行は常に日銀が日銀当座預金を供給するので資金が不足することはあり得ないのである。それは財務省も知っているのであるが、それを知られたくないために市場の状況という詭弁を弄するのである。)

 

○西田昌司君 まあ聞かれたことだけに答えてくれたらいいんですよね。財務省の言い訳がましい説明は聞いていても余り意味がない。要するに、大宗の話、大原則の話を言っているわけですからね。  そこで、これも事実としてですよ、事実として、今、国債の償還は、現実には税金ではなくて借換債によって行われているんじゃないんですか。

 

○政府参考人(財務省理財局長角田隆君) お答え申し上げます。 まず、仕組みの話として申し上げますと、国債整理基金特別会計において借換債を確かに発行しているわけですが、その償還財源全部を国債整理基金の発行する借換債で賄っている……(発言する者あり)ええ、ですから、一部一般会計から債務償還費を入れていただいて現金償還しているわけです。

 ただ、委員お尋ねの点が、そういう会計ごとの話じゃなくて、そもそも一般会計の債務償還費自体が国債の大量発行で賄われているのではないかという御趣旨であれば、おっしゃっているように、借金の返済のために借金をしているという状況だと、そういう財政状況だということはかねがね御説明しているとおりでございます。  

 

○西田昌司君 いや、だから、借金の返済のために借金をしていると言った、そう言っているんでしょう、そう言っているんですよ。つまり、税でやっていない。だから、これ当然の話でして、税でやっていたら、国債発行したら、国債で税返したときに消えちゃいますから、国債残高ね。国債残高一千兆円どんどんどんどん増えていっているというのは、全て基本的に借換債でやっているから増えるんですよ。減らないんです。これが事実なんですね。

 さて、そこで、これが事実で、そのことによって何か経済に悪影響、つまり国債の償還ができない、これデフォルトですよね、それから、いわゆる金利が暴騰、それしているかって、全くしていないんですよね。このことを是非事実として皆さん方に知っていただきたいんですよ。

 それで、もし仮にですよ、そもそも、そもそも国債残高を、今一千兆円あるとして、それを全部税で回収してしまうと、国債残高ゼロになります。まあ一年でやるか十年でやるか百年でやるか知りませんけど、とにかく、国債残高をゼロにしたら、その国債残高分のマネーストックが消えちゃうということですよ。これが紛れのない事実なんです。そうじゃないですか。簡潔にお答えください。

 

○政府参考人(小野平八郎君) お答え申し上げます。 銀行保有の国債についてはおっしゃるとおりでありますけれども、保険会社等々、銀行以外の主体が持っている部分もかなりありますので、その分についてはおっしゃるようなことにはならないというふうに考えております。また、そもそもこの税を増やして国債残高を減らすというような状況を具体的に考えますと、基本的には経済活動が相当程度活発に行われているということが想定されますので、銀行貸出しの増加というルートを通じた民間預金、マネーストックの増加というような影響もあると考えられます。

 

○西田昌司君 今言ったように、保険会社等が持っているもの以外は、結局、普通に銀行が持っているやつは今税でやったらマネーストック減っちゃうと、こういう話なんです。これ事実です。

 そして、もう一つついでに付言しておきますと、こういうことをやったんですよ、大臣。いつやったか。たしか昭和二十一、二年ですけれども、財産税課税というのをやりましたね。あのときに、国債残高全部ゼロにしちゃったんですよ。それは、要するに政府の払わなきゃいけないやつも払わない。それから、新円切替えでもう九〇%の最高税率掛けて全部吸収して、国債をゼロにしちゃいました。で、日本は物すごく貧しくなった。あの戦後の貧しさというのは実はそこからきていることを付言しておきます。

 そこで、ここからが問題なんですよ。日銀が今半分持っているわけですね、事実上、金融緩和政策で。それで、問題は、日銀に支払われる利払い費、これは全て日銀の、原則として日銀の経費に、いろいろありますから、使われたもの以外は基本的に全額国庫に納付される仕組みだと思いますが、いかがですか。

 

○参考人(清水誠一君) お答え申し上げます。 日本銀行が保有する国債に対して支払われる利息は日本銀行の収入の一部となります。日本銀行では、この利息収入等から日銀当座預金に対する付利金利の支払やその他の費用等を差し引いて当期剰余金を計算し、さらにそこから法定準備金として積み立てている金額等を除いた残りの額を国庫に納付しております。この点、仮に出口の、金融緩和からの出口の局面において付利金利の引上げ等を行う場合には、国庫への納付金にも下押し圧力が掛かる点には留意する必要があるというふうに考えております。

 

○西田昌司君 今丁寧に説明していただきましたけれども、原則、大宗として、日銀に支払っている金利は、その様々な経費除いたら全部国庫納入ということなんですよ。ということは、先ほど言いましたけれども、日銀が今半分持っていますね。しかも、日銀が、日銀がというか、国債の償還は基本的に借換債でやっているわけですよ。つまり、借換債でやっていますから、税金でやっているわけじゃない。しかし、金利の支払は、これは別にそれでやっているわけですね。しかし、少なくとも日銀に払った金利はほぼ全額国庫に納入されると言っているわけですよ。ということは、これは、日銀が持っているこの国債の利払い費もそれから償還も、何ら国庫に負担を掛けない、こういうことになると思いますけれども、いかがですか。

 

○政府参考人(財務省主計局次長奥達雄君) お答え申し上げます。ただいまも日銀から御説明いただきましたように、国債利息収入を含む日銀の収益、これは、日本銀行法等に基づきまして、日銀が所要の経費などを差し引いた上で法定準備金等を控除し、残額が国庫納付ということになっております。したがいまして、必ずしも国債利息収入その全額が国庫に納付をされるというわけではないということであります。したがいまして、日銀が保有する国債については、何らその国庫負担がないということは言えないものというふうに考えております。

 

○西田昌司君 だから、私は大宗がと言っているでしょう、日銀に払ったお金が全部戻ってくるんじゃなくて経費を除いた分が戻ってくるんだから。で、経費が、日銀の金利、それぐらいあるんだったらですよ、ほとんど戻ってこないから必ずしもそうじゃないという言い方あるか知らないけれども、圧倒的に金利の方が多いじゃないか。何言っているの、あなたは。大宗として、だから、日銀に払っている金利と納付金の関係、どれぐらい差があるんですか、じゃ。

 

○政府参考人(奥達雄君) お尋ねは、国庫から日銀保有国債に係るその利払い、したがって日銀が得ている利息収入とその日銀から国庫に対する国庫納付の金額、この関係ということかと承りました。  年によって変動がございますが、例えば平成二十八年の場合は、国債のその利息収入、日銀が受け取る国債の利息収入は一・二兆円、これに対して国庫納付金額は〇・五兆円ということでございます。平成三十年度におきましては、利息収入が一・三兆円、国庫納付金額は〇・六兆円、また、直近の令和二年度で申し上げますと、利息収入は一・一兆円、国庫納付金額は一・一五兆円というふうになってございます。

 

○西田昌司君 今金利が低いですからね、利払い費も低いし、納入金額も低いんですけれども、それでも半分以上戻ってきているわけですよ。金利が上がるともっと差が、入ってくるのが多くなるんですね、これね。

 それで、財務大臣、ここから質問なんですよ。要するに、これ聞いていただいたら分かりますように、そもそも財務省は、国債残高一千兆円になったら大変だとかGDPの倍になったら大変だとか言っているんだけれども、そもそも今五百兆円、五百兆円ぐらいが日銀が持っているわけですよ。一千兆円の国債残高だと言っているんだけれども、実際には今言いましたように借換債でやっていますから、償還金額自体が財政そのものに影響を与えない。しかし、利払い費があるけれども、利払い費は半分は日銀に行って、払った分がほぼ、経費除いたら返ってくると。ということは、日銀が持っている国債については事実上、財政のいわゆる借金で返さなきゃならないと、そういうような問題じゃないわけなんですよね。

ですから、今やるべきは、まずは借金の問題じゃなくて、まず日銀の分を除いて考えるという考え方もあるんではないですか。

 

○国務大臣(財務大臣鈴木俊一君) 先ほど来、西田先生と、それから日銀、財務省のやり取りをお聞かせをいただいております。私もちょっと考え方が常に保守的なもんですから、今まで教わってきたこととにわかに頭を切り替えるということができないわけでありますけれども、先生のおっしゃっていること一つ一つ追いかけていくと、おっしゃっていることはそのとおりだなというような気がいたします。

(トラ注:アホか財務大臣!お前の主管のことを議論しているのに他人事のような発言するなよ)

 

○西田昌司君 いや、財務大臣として、本当にありがとうございます、大事な発言をしていただきました。これ、事実ですからね。それで、もう一つ言うと、日銀にこれもう一つ聞きますが、要するに今は民間経済が預金超過なんですよ。預金超過状態で、本当でしたら、経済がいいときはどんどん投資をして、ネットの資金需要がありますから、彼らが借入れをした分が預金が増えていくという形ですが、たしか平成のバブル崩壊以後、ずっと預金超過で、民間部門がこの資金をつくり出していないと思いますが、どういう傾向ですか。

 

○参考人(清水誠一君) お答え申し上げます。民間部門のうち特に企業部門ということでお答え申し上げたいと思いますけれども、企業部門の貯蓄・投資バランスを見ますと、一九九〇年代半ばまでは投資が貯蓄を上回る資金不足主体でございましたが、一九九〇年代後半以降は貯蓄が投資を上回る資金余剰主体となっております。これは、資産価格バブルの崩壊と国内の金融危機の発生を経まして企業の成長期待が下方屈折し、収益との対比で設備投資を抑制するなど、企業の支出行動が総じて慎重化したためというふうに考えております。

 

○西田昌司君 この質問を先にしておくべきだったんですが、ちょっと延ばしちゃってね。今言ったように、バブル以降、大臣、要するに民間の方がお金を借りない、お金をためているという話です。ですから、市場にお金が出ていかないんですね。借りることによって出ていきますからね。

 そんな中で、政府部門が、税収が伸びないということもあって、結局赤字国債を出さざるを得ない状況が今続いているわけですね。しかし、ここで今PB目標というのが、まだ二〇二五年黒字化というのが残っているんですよね。PB黒字化というのは、結局のところ、この出すお金、税金の範囲内で利払い費を除いてこの経費の分は抑えちゃうということですから、大臣、これは結局、民間がお金を出さない、投資していないときに政府の方がPB黒字化をやっちゃうと、まさに経済は極端に悪くなっていくわけですよ。今、コロナ禍、それからウクライナ侵攻も含め様々な経済問題あるときに、これやっちゃうとまずいと思うんですけれども、いかがですか。

 

○国務大臣(鈴木俊一君) 持続的な経済成長、それから健全な信用創造のためには、政府が単に債務を増大させて財政支出を行っていけばそれでいいというものではないとは考えております。

(トラ注:馬鹿か。西田議員のバブル以降の不況の解説を聞いていないのか!)

 経済か財政かのどちらかということではなくて、岸田総理は、経済あっての財政健全化だということで、その順番を間違えてはいけないということを言っているわけでございますが、この経済成長をしっかり進める、そして財政健全化を併せてしっかり進めていくということが重要なことではないかと考えております。(トラ注: その順番を間違えているのが財務省ではないのか)

 

○西田昌司君 大臣、経済成長を続けるとおっしゃいましたね。経済成長を続けているということは、民間が資金をどんどん投資しているということになるんじゃないですか。今それをやっていない。その状況の中でPB黒字化は、やっちゃうと経済止めちゃうんですよ。これは先ほど言っていたとおりですよ。 ですから、二〇二五年のPB黒字化は、取りあえず民間の経済が資金を使っているという状況が確かめられるまで私は凍結すべきだと思いますが、いかがですか。要らぬことを後ろから言わない。大臣の言葉でおっしゃってください。

 

○国務大臣(鈴木俊一君) さきに経済財政諮問会議がございました。その場で内閣府より数字が示されまして、まあ総理も参加をした会合でございましたけれども、そこの場で、二〇二一骨太の方針に書いております二〇二五年のPB黒字化を今変える状況ではないという、そういう趣旨の決定がなされたわけでありまして、岸田内閣の一つの決定された方針であると、そのように理解しております。

(トラ注:要するに2025年のPB黒字化を今変える状況ではないと決めた経済財政諮問会議にはバカしかいないということだ。何もわかっていない岸田、鈴木、財務省…こりゃだめだ)

 

○西田昌司君 また個別にゆっくり大臣のところに伺いまして、状況を説明したいと思います。  今日はありがとうございました。