ネットや雑誌・本をパラパラ読んでいると、結構なるほどとか為になる話題が転がっている。大体そういうものは、すぐに忘れてしまうが、まあ面白いと女房に話すことがある。女房はそういう話に興味がないので、無視されるかうるさいと怒られる。特に歴史の話になると、貴方は江戸時代に生まれたのとバカにされるのがオチだ。

そこでこれからはこのブログにちょっとメモとして残しておくことにする。いつまで続くかわからないが。

 

はじめに、評論家宮崎正弘氏のメルマガから。

マドフって知ってるかい。世紀の詐欺師バーナード・マドフが刑務所で死んだそうだ。150年の刑とはすごいね。共同通信が以下のように伝えている。

 

「バーナード・マドフ受刑者(巨額詐欺事件で実刑判決を受けた米元実業家)米メディアによると14日、南部ノースカロライナ州の連邦刑務所で死去、82歳。自然死とみられる。

38年、ニューヨーク生まれ。証券会社を創業する傍ら、数十年間にわたりねずみ講まがいの手法で国内外の投資家から巨額の資金を集めたが、08年に詐欺の疑いで逮捕された。史上最大規模の詐欺事件に発展、09年に禁錮150年の判決を言い渡され、服役中だった。」

 

これについて、宮崎正弘氏のメルマガを引用。

「まずはバーナード・マドフの想い出。世紀の詐欺師はポンジ・スキーム(ネズミ講)の原理を応用してウォール街でのし上がった。ご先祖は東欧から移民してきたユダヤ人で、最初はユダヤ人コミュニテイィで信用を確立し、NASDAQ会長という輝かしい肩書きもあった。
その彼がセレブの集まりで、そっと囁くのだ。「じつは内緒のもうけ口がある。年利10%だ」。
 ころりと騙されて、「マドフ投資会」に大金を預けたセレブたちのなかには、有名スポーツ選手、GM金融子会社の大幹部、あのスピルバーグ監督。日本の金融会社数社も被害にあった。
 搾取したお金は空前の650億ドル。逮捕・起訴され、150年の禁錮刑で収監され、4月14日に獄死した。この世紀のペテン師の人生は「嘘の天才」というタイトルで映画化された。主演はロバート・デニーロだった。」

 

マドフのことを扱った本「バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容」(アダム・レボー)を市の図書館のリサイクル本で手に入れてあるので今後読みたい。

世の中には詐欺師が大流行だが、日本のK母子は詐欺の規模は小さいが、日本に与える影響は大きいという意味で特殊だ。

 

私は詐欺に興味があり、とても嫌悪感を持つのだが、私の持論は、詐欺師はもちろん悪いに決まっているが、詐欺に引っかかるいわゆる被害者も詐欺師と同罪ではないか、というものだ。

ブログ記事「投資詐欺に引っかかる被害者に同情の余地なし、強欲が招いた自業自得に過ぎない!2016928日」を見てほしい。

 

さて、宮崎正弘氏のメルマガには続きがある。

「さて場所は上海。おりから開催されているのは「上海自動車ショー」。中国最大の自動車ショーだが、ことしは参加が1000社。トヨタもEVモデルなど三点を展示。数十万人が訪れる予定で、428日まで。しかし、このショーで話題を浚ったのはトヨタでもテスラでもなかった。
 天下の名門BMWの隣のブースは、初耳のEV自動車「NEV」(恒駆)が並んだ。この会社はエバーグランデ(恒大集団)。香港の株価、過去12ヶ月で十倍。時価総額はなんと870億ドル。
おっと、この新車NEVは一台も売れた実績がない。(NEVとは新エネルギー車のこと)


イーロン・マスクのEV「テスラ」は、一応50万台を売って、トヨタの二十分の一の売り上げ。ただしマスクのEV時価総額は、トヨタの四倍。トヨタEVの昨年度の売り上げは、たったの3300台!
なんとも不思議なことがあるなぁ、と感心している場合ではない。

 NEVの親会社は「恒大集団」(英語名がエバーグランデ)。率いるのは許家印。2017年フォーブスの富豪ランキングでは中国の一位だったこともある。
しかし農村出身の許家印がよく、まぁ、ここまで出世できたものですね。
樋泉教授の分析によると「なんせ匪賊や馬賊でも、度胸と時の勢いで共産党幹部として栄耀栄華の生活を満喫できる国である。おそらく日中戦争末期から国共内戦期、文革、それに野蛮強欲市場経済・・・その都度、社会がシャッフルされる。時の勢いに乗ったやつが勝ち。チャンスがてんこ盛りなんでしょうか」。

 さて恒大集団である。中国最大のデベロッパー、全土に高層マンションをおったてて、大半は空室。空恐ろしや、借財は13兆円。倒産寸前といわれ、ドル建て社債は14%、つまりジャンク債だった。
 その恒大集団がEV製造に乗り出した。最初はバッテリーの生産、そして欧米五社のエンジニアリング会社と契約し、大工場を建てて、「恒馳」ブランドのEVカーを宣伝、そのデビューが上海の自動車ショーだったのである。EV参入発表からIPO(株式公開)。株価はEVブームに載って鰻登りとなった。時価総額は870億ドル!
 このニュースに接したとき、咄嗟にマドフのことを思い出したのだ。」

(引用終り)

 

中国の詐欺師の巨大さはハンパない。そしてそれに群がって大損こく奴が大量に出ることだろう。それも一つの愉しみだ。