まずは9月入学の導入がなくなったようだ。めでたい。

コロナ自粛で忍耐しているときに、火事場泥棒のごとく降って湧いた9月入学。小池や吉村などグローバリストたちが、たかが留学に便利、海外の学生の受け入れに便利というだけで何十万何百万という児童、生徒、学生に何の利益もないバカげた制度変革をどさくさに紛れて推し進めようとした。

 

安倍首相が最初から乗り気だったし、マスコミの胡散臭いアンケートで9月入学賛成が多いと誘導するなど、こりゃもう9月入学は決まりだな、と思っていたが、地方自治体の首長その他多くの関係者が反対に回り、巨額の費用と煩瑣な準備が必要ということがわかり、公明党も反対したことで、この話はほぼ潰れた。ほんとうによかった。小池都知事がいかにいい加減な政治家か、こういう時によくわかるというものだ。

 

さて、元立憲・山尾志桜里議員が更に進化しているようで好ましい。

「香港の自治を蹂躙するような中国政府の振る舞いに強く抗議」すると訴えているからだ。

 

私は3か月前にこのブログで、次のような題を付けて、山尾議員の好ましい変化を評価した。

衆院憲法調査会で議論をすべきと主張したり、衆院予算委員会で立憲等野党がまた委員会退席パフォーマンスをしたとき、山尾議員は、「私はちゃんとした議論がしたいんです」と訴えているのである。立憲民主党議員としてはあるまじき行為として枝野から嫌がられたのだ。

 

あの山尾志桜里議員が変化を示している。好ましい変化だ。辻元やデマ井と違って、議論をしたいと20200219()

山尾志桜里といえばガソリーヌとか弁護士との不倫疑惑とかとかくワイドショー的な観点から揶揄されてきた立憲民主党の議員で、国会では安倍首相を鋭く追及していたが、印象操作に奔走する辻元やデマ井と違って、最近は本来の議員としてあるべき姿を示しているように感じる。

私は立憲も共産党も大嫌いだけれど、まともな考えを持っているなら意見が反対でも認めたい。

(中略)

どういうきっかけで山尾志桜里議員はこうなったのか。

直接的には憲法改正議論を巡って党と意見が対立しても、なかなか自分の思いが伝わらないこと。大事な憲法改正についてはキチンと論議すべきではないかと思い始めたこと等がある。

もうひとつは、昨今の立憲の国会運営への不満ではないか。議論して追及するのでなく、パフォーマンスで大向こうに受けるような審議中断を頻発させて、党の頑張りを示すという子供じみた党の国会運営。

そういうものに飽き足らず、政治家として堂々と政府と議論し、追及する本来の野党のあり方にどこかで目覚めたのではないか。

立憲民主党にとっては、枝野にとっては、こんな真面目な正論を突きつけられるのは困るのである。山尾志桜里は立憲民主党にとって危険な存在なのである。

(中略)

KSL-Live」ブログは次のように締めくくっている。

「この人はもう離党して自分が思う政治をやればいいと思う。これまで様々なことで批判を浴びてきた人物であるが、今の野党のやり方では山尾議員の能力は潰されてしまう。」

(引用終り)

 

その後、山尾議員は立憲民主党を離党したのである。

そして山尾議員が更に進化していると思わせたのは、香港の国家安全法案を通そうとする中国への批判であった。

山尾志桜里議員が幾つかツイートしている。

 

5.19

「こうした明確な発信は大事。自律した主権国家として、自国の規範・価値観に基づいた説得力ある発信を重ねてほしい。

同じく台湾のオブ参加を支持したNZの外相は、中国との関係への影響を問われて「真の友情は異なる意見を持てること」とさらり大人の回答。」(山尾しおり

 

(明確な発信とは、加藤厚労大臣の「「台湾のような公衆衛生上の成果を上げた地域を参考にすべきという指摘もある」と台湾の地名を挙げて踏み込み、「特定の地域が取り残されることによる地理的空白を生じさせないことが、各国における、そして、世界全体の感染拡大防止という目的にかなう」という発言のことだ)

 

5.24
23か国から約200名の国会議員が、国家安全法にまつわる反対声明を出しているのに、日本の国会議員の名前が見当たりません。
幅広い国際社会からの意思表示に加わり、普遍的な価値へのコミットを示すべきだ。

賛同する議員の方々と、超党派で連携していける方法を考えます! 」

 

5.24

約束された一国二制度を実質的に破棄し、香港の自治を蹂躙するような中国政府の振る舞いに強く抗議します。これを許したら、法の支配と民主主義の定義が変質してしまう。
日本の国会議員も、もっと声をあげよう。

 

5.25

「明日、526952分〜1029分で法務委質問。

黒川検事長がやめるべき理由は、賭け麻雀以前の違法な閣議決定にあったはず。そして、宙に浮いた定年延長特例法案がいかに有害無益か明らかにします。あわせて、香港の国家安全法案をめぐる状況に対して毅然とした意思表明を政府に促したいと思います。」

 

そして昨日5月26日。

衆議院法務委員会での質問冒頭で「中国政府による香港への国家安全法の一方的な導入に反対する共同声明」へ日本の国会議員も賛同するよう呼びかけた。現時点で日本からは山尾氏と自民党の山田宏参院議員が署名している。
 山尾氏は中国政府による重大な人権侵害だけでなく、どのような国の振る舞いでであっても国会が主導して制裁の検討や調査が求められる法整備の必要性も訴え、与野党問わず協力を呼び掛けた。」
(「KSL-Live!」より)

 

山尾議員の冒頭発言。

「…中国政府による一国二制度の実質的な破棄行為が不公正に行われようとしていると私は思う。香港の憲法である香港基本法に、香港市民の関与がないままに、香港市民の自由と権利を脅かす法律が書き込まれようとしています。法の貫徹が揺らいでいます。私はこの中国政府の動きに対しては強く抗議するものです。」

と述べながら、森法務大臣に「これについての事実認識と評価を伺う」と質問した。

 

森法務大臣は「我が国政府は強い懸念を持って注視しており、自由で開かれた香港が安定的に繁栄することが重要であると考えている。それ以上については法務省の所管ではないので差し控えたい。」と述べた。

 

次いで山尾議員から。

「お手元の資料は中国政府による一方的な導入に反対する共同声明だ。現時点で26か国から233人の議会人が署名。現時点で私と山田宏議員が2名参加している。

是非、日本の国会議員として基本的人権と法の支配という普遍的価値を守る意思表示をして頂きたい。

そしてそのことは、日本の国家の価値観を示すことにもなる。自らの正義に照らして行動で示していただきたい。また個々の議員の動きだけではなく、国会としての意思表示や決議をしていくべきである。

立法府として超党派で幅広い国際社会からの意思表示に加わって、普遍的な価値へのコミットを示すための決議に向けて力を貸していただきたい。」

 

この発言が元立憲民主党議員から出ていることに驚きを隠せない。立憲民主党議員から「日本の国家の価値観を示す」なんていう言葉が出てくるだろうか。

左翼は国家が大嫌いで、枝野からすれば国家は抑圧装置なんだと。「日本の国家の価値観」なんていう発想は絶対出てこない。革命を起こして、日本人民共和国になったら、革命日本国家の共産主義的価値観を表明するかもしれないが。

 

山尾議員は、そういう大事な発想、自由な発想をするために立憲民主党を離党したんだと思う。

そして、これだけからみるなら、自民党の親中派議員の節操のなさに比べれば、山尾氏は侍的な凛とした風がみられるのである。

 

そして香港問題については、森法務大臣の方が及び腰のようだ。

二階や公明党のような親中派を刺激しないように、また習近平国賓招待も控えているからとかいろいろ忖度すべきことがあるので、日本の立場を明確にできない。米国のような制裁も辞さないなんて言えない。

ふつうなら、野党も中国応援だし、マスコミも中国応援だから、香港民主化のための中国国家安全法を日本国として批判したら、朝日、共同マスコミその他も叩くことは分かっているから曖昧にしか答えられない。本当はこういう時こそ、山尾議員の勇気に乗っていくべきなのである。

 

ネット

・今まではこういうこと言えなかったから離党したの?

・野党議員で初めて中国に抗議したね。与党含めても初めてか。山尾は嫌いだが、これは良く言った。

 

本当にどこで山尾議員は変わってしまった(いい方向に)のだろうか。蓮舫などは裏切り者と恨んでいるかもしれない。

やはり、政治家とはどうあるべきかをスキャンダルで叩かれている間に考え抜いたのではないか。

立憲民主党の国会運営の在り方に強い疑念を抱いたのではないか。

 

立憲民主党他は国会を審議の場と捉えていない。何でも政府を悪者にし、審議拒否を最大の武器としてマスコミにアピールする、ただそれだけのために、安倍政権の瑕疵はないか、重箱の隅を突いて、何の問題がなくても、捏造してでも大問題に炎上させ、審議拒否に持ち込む、うまく行けば内閣支持率を急落させることができる、立憲民主党の上から下までそんなバカげた戦略を喜々として行っている政治のあり方に山尾議員は愛想を尽かしたのではないだろうか。

 

KSL-Live!」は次のように書く。

保守層からの評価が高まる山尾氏

 民進党時代は強気の攻めの一方で、秘書によるガソリン第不正請求や不倫報道でバッシングを受けた山尾氏であるが、立憲民主党では党と対立してでも憲法審査会での議論を求めるなど徐々に保守層からの支持を得るようになっている。昨年11月の憲法審査会で語った「政治家としての務め」は多くの有権者から称賛されネガティブなイメージを一気に払拭している。
 

 と言っても与党に擦り寄るようなことはなく、法務委員会では森まさこ法務大臣がグロッキーになるほど猛烈な質疑をしている。黒川氏の定年延長問題も、検察官であった山尾氏の理詰め追及で与党が追い込まれていった経緯がある。2月には黒川問題で森法務大臣を答弁不能のKO寸前まで追い込んだが、野党共同会派の退席パフォーマンスに巻き込まれている。その際に山尾氏は「ちゃんとした議論がしたい」と退席に抵抗したが聞き入れられず、最終的には3月の本会議採決を巡り立憲民主党と対立し離党している。

 保守層からの支持も得始めた山尾氏は、次期衆院選での去就が注目される。自民党入りすることはないだろうが、旧民進でも国民民主党の玉木代表とは離党前から連携していたので、次の衆院選では国民民主党公認もありえる。(連合のご機嫌次第)

すっかり左に傾き倒れ掛かっている立憲・共産を軸とした野党共闘も、山尾氏の去就によっては国民民主党を核とした新機軸に主導権を奪われる可能性もある。

(引用終り)

 

私もいま日本に一番大事なのは「健全な野党」を作ることだと考える。

国民民主党にも原口みたいなバカで間抜けな議員もいるから、こんなところと連携しても立憲民主党の二の舞になる。本当は、自民党のまともな議員たちと連携して強力な新党を作るべきなのである。

そうしなければ、コロナ以後の日本は浮かぶことはできないだろう。