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読んだ本や、映画、演劇の感想を書いていきます。

第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579)/ローズマリ サトクリフ
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**登場人物
マーカス
-主人公
-軍人になって、ローマからブリテン(イギリス)に赴任してきた。百人隊長で第2軍団の司令官だヤッホー!ここで武勲をあげてローマ軍でのし上がってやんぜベイベー!と思った矢先にブリテン原住民との戦闘で負傷、軍人リタイヤ。ブリテンに住んでる叔父の家で引きこもりをしてうじうじと毎日を過ごす。闘技場で戦ってた奴隷のエスカとか、隣の家に住んでる女の子コティアとか、エスカが拾ってきた子犬のチビと過ごすうちにちょっと元気になる。元気になったら将来について悲観する。「おれ軍人以外の勉強してこなかったからほかに何もデキナイッスよ超ヤベー」あと「なんか、こう、軍人で頑張って親父の汚名を晴らそうとか思ってたんすけどそれも失敗っすトホホ」そんな感じで弱ってるときに、丁度、親父の軍隊が持ってたローマ軍の象徴であるワシが異民族の祭りに使われてるって情報が入って、「よっしゃ!いっちょオレがイッてそれ取り返してくるッスよ!チョロイッス!」って軍の偉い人に約束して、異民族の地バレンシアに突入。目医者に変装。「ワシはアレキサンドリアのデメトリウスでアール!」偶然に偶然が重なって異民族の祭りで使われている鷹を発見、深夜に強奪。捕まりそうになりながら命からがら持って帰るけど、結局、奪われてから時間がたちすぎていたんで第9軍団は再編されずオレしょぼん。また鬱屈した日々をすごすっつーか将来どうすんだべ。そしたらローマからいい知らせ。土地貰って、のんびりと暮すぜベイベ!
エスカ
-ブリガンデスの一族の戦士、だったけど、反乱をおこして負けて剣闘士に。負けて殺されかけたところをマーカスに助けられて、マーカスの奴隷に。そのあと、ラストでローマ市民になる。
-北への旅にマーカスの奴隷としてではなく、友人としてついていく。八面六臂の大活躍。むしろこっちが主人公。
参謀将校プラシドス
-イケメン。ムカつく奴。「えー、奴隷~奴隷なんか信じられるんすか?所詮奴隷っすよ?奴隷と二人で旅とかシンジラレネーッスよ。裏切られるのがオチっすよプゲラ」っていって、マーカスを切れさせる。空気が読めない。
アクイラ叔父
-ニート同然の主人公を世話してくれるすごいいい人。
コティア
-ヒロイン。いまいち影がうすい。
**感想
特に印象に残ったシーンが4つ
1つめ、エスカが昔の話を語るところ。
人が、語りたくない自分の過去を語るシーンって、実は挿入がすごい難しくて、どう入れてもわざとらしくなる。それを、風呂に入ってるときに、なんとなく、昔の話をちらっとして、その雰囲気ができたんだっていう感覚をにおわす、そしてその感覚に対して双方が理解して、過去の話を振る、っていう流れがすごいうまい。
2つめ、エスカが自分の文化と、マーカスの文化が決して交わらない水と油のようなものだということを、楯についている模様と、件についている模様を例にとってはなす剣。どちらか一方を理解してしまうと、もう片方のことがわからなくなるという種類のものだという話、だからブリテンは、ローマ人といつまでも戦うのだという話
3つめ、出発の命令をもらう出来事があるまでに、いろいろなものが条件を整えて、かっちりとはまりあう権。物語としてはご都合主義ってとらえからも出来るが、しかし、ここでは、それが運命だと強く信じられる。
4つめ、マーカスがエスカを奴隷から解放するシーンで、狼の話とかぶせている。その前日狼を放して自分を主と認めて帰ってくるか試していた。本当に自分を主と認めたのなら、オオカミの群れに戻らず自分のもとに帰ってくるはずだと。そして、オオカミは帰ってきた。そしてエスカを奴隷から解放する前振りになってる。そのあと、危険な旅に出るんですがそのときに「奴隷には頼めないが友人には頼める」っていうことろがまたいい。
宮崎駿が、この小説はすごいのうちの一つに選んでいたらしい。まさにそのレベルの出来だと思う。


**あらすじ
ある田舎町、近所の森で子供たちが遊んでいると、木の梢から声がしました。みるときれいな服をきたかわいい女の子がぶら下がっています。なんと、女の子は自称宇宙人でした。町に連れて行くと大人たちがやってきました。女の子の首から下げているペンダントがダイヤモンドで100万相当の品物だということがわかり、大人たちは大騒ぎです。その騒ぎを抜け出した女の子と子供たちは、女の子を父親のところへ返すために森を目指しますが、世間知らずな女の子は鶏を逃がしたり、売り物のリンゴを勝手に食べてしまったりと大騒ぎです。森を抜け、沼を抜け、川を越えて、子供たちはボロボロになりながらも待ち合わせ場所の草原にたどり着きます。お父さんがやってきて、女の子を連れて行きました。めでたしめでたし。
**感想
人間と牛の区別をしない女の子にファンキーさを感じた。(牛にむかって「なんておかしな人間でしょう?足が4本もあるじゃないの」っていう)高度に発達した文明から見れば牛も人間も同レベルの生き物です。
古典SFっぽいようなそうでないような。女の子の正体が金星人で火星には運河があるとかそういう設定は今はもう難しんだろうなあって思う。異文化コミュニケーションものとしての齟齬、やりとりの面白さは相変わらずなので、そういう感じのSFコメディは今からでも十分に応用がきくと思った。最後の最後まで、女の子が宇宙人である状況証拠が出てこないので、(おんなのこの自称する証言だけしか女の子が宇宙人である証拠はない)まわりの大人たちがずっと女の子を脳のかわいそうな子供あつかいしてるところが素晴らしい。
ラブホテル進化論 (文春新書)/金 益見
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ラブホテル進化論目次
-はじめに
--九州はラブホテルが多い町
--電車の中吊りに「ラブホ特集」
--「つまらなかったよ」
--「この電話番号はあるスナックにつながるから」
--「うちの息子と是非
-第一章 あこがれのラブホテル 
--風呂あります
--看板に見るあこがれの形
--情報誌のチェック項目
--生き残る術
--あこがれのホテル名
--癒しの非日常空間へ
-第二章 ラブのシグナル
--シティホテルのラブホテル化
--派手な外観
--奇抜なネーミング
--シグナルの地域性
--シグナルをつくる人々
-第三竜 ラブホテル必須アイテム 
--ラブホテルっぽい〃って何?
--モーテルから始まった
--日本の中のモーテルの変遷
--回転ベッドが回る理由
--ラブアイテムー一覧
--電動ベッド誕生秘話
--ラブアイテム2 - ベッド【モンローベッド】【ドッキングベッド】【プラネクリユーム(プラネタリウム)・ベッド】【かくしベッド】【亀の子ベッド】【オリエントエクスプレスベッド】
--ラブアイテム3 - 装置、仕掛け【エレベート・ベッド・ルーム】【震動計】【アオカンルーム】【自画鋒ビデオ装置】【カラーライトバス】【透明風呂】
--ラブアイテムのユーザー評価
--ラブアイテムが発展しすぎた理由
--女性が喜ぶもの
--ラブアイテム4 - セクシャルグッズ【女王様の椅子】【スケベ椅子】【ドリームラブチェアー】
-第四章 ラブホテルをつくる
--全国のラブホテル軒数
--ラブホテルではないラブホテル--登録上は減少したラブホテル、モーテル
--ラブホテルと住民運動
--条例の落とし穴
第五章 ラブホテルを経常する
--危ない世界の人がやってるの?
--外からきた経営者
--ラブホテル街の成り立ち
--経営に乗り出す様々な人々
--楽して儲かるラブホテル経営
--なぜラブホテルを経営することになったのか?
--ラブホテルができるまで1 - 小料理屋旅館
--ラブホテルができるまで2 - 簡易旅館
--ラブホテルができるまで3 - 連れ込み旅舘
--ラブホテルができるまで4 - レジャーハウス
--ラブホテルができるまで5 - モーテル
--″持ち逃げ″ が悩みの種/画期的な自動精算機の登場
-第六章 ラブホテルを利用する 
--年金支給日の翌日には高齢者
--夫婦利用
--ラブホテルを利用する様々な人々
--女性の一人利用
--風俗利用
--アメニティグッズが語る無言の変遷
--アメニティグッズと女性の視点
-第七章 ラブホテルを変えた情報誌 
--情報誌前夜
--情報誌に初登場したラブホテル「行列のできる▽ホテル」特集の反響
--戸惑う経営者
--ラブホテルと情報誌の二通りの関係
--雑誌が巻き起こしたラブホテル改革
--やりすぎた情報誌
-第八章 ラブホテルの未来 
--「払ってもらうと、自分を売っている気がする」
--衰退しているラブホテル
--これからのラブホテル
--二極化
--進化型フリーホテル
--理想のラブホテル
-おわりに     



目次の表題だけでだいたい内容の目算が付いてしまうと思うけれども、まさにその通り。
ただ、ラブホテルの回転ベットなんかの遊戯遊具の説明はすごいおもしろかったし、推測される事象にいちいち裏を取ってあるっていうことは非常に評価できる。この作者の次回作に期待。