P.350 左を覗くと、ロンの目がこっちを見てパチクリしていた。


間違いではないかもしれないけど、目がパチクリしていたってセンスを疑う。

せめて、ロンが目をパチクリさせていたんだと思うんだけど。


UK版P.198 He looked left, and saw Ron blinking at him.


試訳:左を見ると、ロンが(ハリーに向かって)目をぱちくりさせていた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.351 「シーッ!」 声のする方向を振り向くと、


UK版P.199 'Psst ! ' said a voice, and he looked round to see


人目につかないようにハリー(変身中)を呼ぶ声なのだが、

日本語で「シーッ!」と言ったら黙れという意味ではないか?'Psst ! ' は、注意を引く時の

音で、カタカナにするならプスッ、ピシッみたいな感じかな。せめて、「シッ!」って感じ?

ま、プスッ、シッって書かれても分からないから、普通にシチュエーションを考えて、

「ちょっと」とかにすればいいのに。意訳するなら「こっち!」「ここ!」とか。


試訳:「こっち!」 声のする方向を振り向くと、



ハートスペードダイヤクラブ


P.372 (吸魂鬼の)ガラガラという息だけが聞こえる。


UK版P.211 their ragged breathing the only sound in place.


ragged は耳障りなってことでしょうが、ディメンターはいつもガラガラという息だから

ここもそうしているだけなのか。ガラガラという息って想像できない。ガラガラ声ならまだしも。


ちなみに、以下のような箇所もある。


P.282 クリーチャーの啜り泣きは、ガラガラと耳ざわりな音になっていた。


UK版P.162 Kreacher's sobs came in great rasps now;



ハートスペードダイヤクラブ


出た。センスのない擬音を連発。


P.379 アンブリッジはクシャッと倒れて


UK版P.215 Umbridge crumpled


ちょっと前に、アンブリッジはでっぷりしてると書いてあったのだが。そんなぽっちゃり系のおば

さんが倒れて、クシャッなんて音がするのか?crumple はしわくちゃになるという意味もあるから

こうしたのかな。でも、失神させられたんだから、ばたっとかぐしゃりとかじゃない?好みの問題?


ぶーぶー


続いてこんな感じ。間違ってないけど、こんなん連発されるから、ドタバタコメディみたいな印象に。


P.379 ヤックスリーはズルッと床に倒れ、


UK版P.215 Yaxley slid to the ground



ハートスペードダイヤクラブ


緊張感、台無し。


P.380 ハリーは、夫人の腕を縛っている鎖を引っ張りながらモゾモゾと言った。


モゾモゾは手元の辞書では、「小さな虫などがはい回る様子、動いて落ち着かない様子」と

あって、動作のことらしい。言うのは、もごもごとかぶつぶつ、ぼそぼそではないだろうか。しかも、

魔法省の尋問に乱入して、人を逃がしたうえに自分たちも脱出しなければならないシーンに

モゾモゾ


UK版P.216 muttered Harry, tugging at the chains binding her arms.



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P.390 ぺちゃんこにつぶれたような感じのする肺に、息を吸い込もうともがきながら、


UK版P.221 Struggling to draw breath into lungs that felt flattened,


これまた間違いではないが、ぺちゃんこって多用されてるなぁと。



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P.391 ハーマイオニーがむき出しにしたロンの二の腕を見て、ハリーは腸がザワッとした。


腸がザワッとしたなんて聞いたことがありません。(※ はらわたとルビ)


UK版P.222 his insides crawled unpleasantly as Hermione laid bare Ron's

upper arm,


直訳すれば、ハリーの体内は不愉快に這っていただから、わからないでもない。

せめてザワッを生かすなら、背筋がざわっとしたとか。身の毛がよだったみたいな感じ?

make one's skin crawl で鳥肌を立たせるだし。


試訳:ハーマイオニーがむき出しにしたロンの二の腕を見て、ハリーはぞくっとした。



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P.419 ロンは目をぐるぐるさせ、両頬を膨らませて言った。

「アー‐ミー‐ニー、くみ しんぽい しすぎ。イラックス!」


得意の目をぐるぐる。しばらく前に書いたと思いますが、これはあきれて目をくるっと上にあげる

しぐさです。しかも、この台詞。他にやりようないのかな。


UK版P.236 Ron rolled his eyes and said, with his cheeks bulging.

'' Er-my-nee, 'oo worry 'oo much. 'Elax!'
 =“Hermione ,don't worry too much. Relax!”


食べ物をいっぱいほおばってるから、ちゃんと喋れなかったってことなんだけどね…。



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P.429 耳障りなガサガサした言葉で、喉に引っかかるような雑音のつながりだ。どうやら

二人いる。一人はより低くゆっくりとした話し方をする。


UK版P.242 It was rough and unmelodious tongue, a string of rattling, guttural

noises, and there seemed to be a two speakers, one with a slightly lower, slower

than the other.


ゴブリンの言葉についての描写。いまいちぎこちない。ガサガサした言葉ってのも、わかるようで

わからない。


rough は耳障り。 unmelodious も melodious の反対だから耳に心地よくない、美しくない、

旋律的ではない。だから、同じような意味を重ねてるのに、いちいち訳して流れが悪くなっている。

むしろこういう時こそ、得意のゼイゼイとか使えばいいのにね。


試訳:それはのどにからむぜいぜいという音のつながりで、耳触りな言語だった。どうやら、

その言葉の話し手は二人いて、一人はもう一方より少し低くゆっくりした話し方だった。



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P.431 しばらく沈黙が続き、ムシャムシャ食べる音が聞こえたが、


ムシャムシャって。

UK版P.243 There was silence for a while, except for the sounds of muncheing;


munch って見事に日本の辞書ではむしゃむしゃ食べるって出てくる!!間違いではないのかも

しれないが、気まずくなった逃亡中の人間が黙って食事をほおばってるんだから、ムシャムシャ

では子供っぽすぎるような。擬音を使うなら、がつがつとかもぐもぐなんてのもあるしね。


試訳:(がつがつと)食事をほおばる音以外は何も聞こえなくなった。







P.374 そこは、かつてハリーが魔法不正使用の廉で尋問されて法廷とは、違う部屋だった。


UK版P.213 It was not the same room in which he had once been interrogated

for inproper use of masic.


魔法不正使用の廉で…。廉って、時代劇じゃないんだから。


試訳:そこは、かつてハリーが魔法不正使用の件で尋問された部屋ではなかった。



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一度素通りしたもののやはり気になったもので。


P.378 アンブリッジのブラウスの襞飾りの中で光っているペンダントを


UK版P.215 at the pendant gleaming in the ruffled folds of Unbridge's blouse.


襞飾り(ひだかざり)って、間違ってないけどババくさい?ruffle の類義語でもある

frill (フリル)とかじゃダメなんだろうか?


ぶーぶー


ちなみにスルーしたところは、これ。そんなに違和感でもなかったかも。


P.364 机には、襞飾りをつけた花柄の布が掛けられている。


UK版P.207 The desk was covered with a flouncy, flowered cloth.


flounce は幅が広めらしい。



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P.378  両新の職業、青物商」


P.215 Parent's professions: greengrocers. '


尋問に使われる調査票の職業欄に、青物商って書くかな?今日、八百屋さんに行ったついでに

聞いたら、青果販売業あるいは青果店経営かなと言われた。訳としては間違いではないのかも

しれないが、違和感。



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P.385 「俺の言うことがきけんのか?」ハリーはこけ威しに怒鳴りつけた。


UK版P.385 ' Are you contradicting me ? ' Harry blustered.

私が日本語を知らないだけかも。こけおどしに怒鳴りつけるってアリですか?こけおどしって

「そんなこけおどしが通用すると思ってんのか!」とかいう使い方なら分かるんだけど。

しかも、こけおどし自体の意味は、大辞泉によりますと、[名・形動]愚か者を感心させる程度の

あさはかな手段。また、見せかけはりっぱだが、中身のないこと。また、そのさま。とある。


ランコーンの姿を借りているハリーだから、見た目は乱暴だけど本当は乱暴ではないという意味

では間違ってない?うーん、でも、なんか違うよー。ハリーはみんなを逃がすために、ランコーンで

あることを最大に利用しようとしているのだ。


たぶん英和にこんな例文がのってたから、そっから持って来たんだろうな~と思うけど。

「all bluster, no bite. こけおどしばかりで実力のないやつ」

たいてい英和辞書にあるまんまで訳されてるもんね。



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P.365 あの頭の禿げかかった魔法使いだった。


UK版P.218 the same balding wizard who...


この魔法使い、P.351でハリー(ランコーンの姿)にぶつかった魔法使い。その時は禿げただった

んだけど、このページになったら禿げかかった魔法使い→禿げかけの魔法使いになる。

どうでもいいことなんだけど(笑)

禿げかけって、どのぐらいのことをさして書いてるんだろう?禿げかけって言うかなと思って

想像してみたら。→あの人、ヤバイよね。若いのにはげかかってるよね?とかって言うか。

ちなみに原書では常に bald なんだな。 



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P.388 暗闇が三人を呑み込み、ハリーはゴムバンドで締めつけられるような感覚を覚えた。


UK版P.220 Darkness engulfed them along with the sensation of compressing

bands,


ゴムバンド。わー、おばあちゃんがよく言ってたなぁ。調べてみたら、今でも結構使われている

言葉でした。厳密に言うと、ゴムバンドは rubber band でないの?と思ったりもしたけど。


試訳:締めつけられるような感覚とともに、三人は暗闇に飲み込まれた。



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P.398 「とにかく――とにかく『例のあの人』に尊敬のかけらぐらい示してくれないか?」


UK版P.225 ' Just - just show You-Know-Who some respect, will you ? '


ハーマイオニーとハリーがヴォルデモートの名前を言いそうになって、ロンが怒る。

魔法界育ちのロンは昔からその名前を言わない習慣になれているし、びびってもいる。この時は

ケガもしていて、思わずこんなことを口走る。respect は確かに尊敬と訳されるから、間違い

ではないが、普通に日本語にしたら、敬意を払うとかじゃないのかな?


試訳:「とにかく――、とにかく『例のあの人』に少しは敬意を払ってくれよ、な?」



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P.407 吊るされた男の瞳孔は、恐怖で大きく広がっていた。それが、だんだん大きく膨れ

上がるように見えたかと思うと、ハリーはまるごとその瞳の黒さの中に呑み込まれた。


瞳の黒さの中って(涙)。漆黒の瞳とか、闇とかもっと適当な表現あるでしょうに。


UK版P.230 The hanging man's pupils were wide, dilated with fear, and they

seemed to swell, bigger and bigger until their blackness swallowed Harry whole -


P.407 吊るされた男の瞳孔は、恐怖で大きく広がっていた。それが、だんだん大きく膨れ

上がったかのような気がして、ハリーはまるごとその瞳の闇に飲み込まれた。



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P.414 低木の小さな林で隠された場所にテントを張り終え、


低木の小さな林って変じゃない?せめて、低木がつらなる小さな林とかさ。


UK版P.234 Once they pitched the tent in the shelter of a small copse of trees,


copse って雑木林だから、別に低木なくてよくない?低木にするなら、低木の茂みとか?


P.414 小さな林で隠された場所にテントを張り終え、



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これまた細かいけど。時ならぬ…って。


P.414 町に入るか入らないうちに、時ならぬ冷気があたりを襲い、霧が立ち込めて空が

急に暗くなり、ハリーはその場に凍りついたように立ち尽くしてしまった。


UK版P.234 He had barely entered the town when an unnatural chill, a descending

mist and a sudden darkening of skies made him freeze where he stood.


unnatural って不自然なとかって意味。時ならぬは、「その時ではない、思いがけない」って

意味だから、そんなに遠くはないのかもしれないけど…。

しかも文章がなんだかぎこちないよね。


試訳:町へ入るか入らないうちに不自然な冷気や霧が立ち込め、空が急に暗くなって、

ハリーはその場に凍りついたように動けなくなった。


あまり変わらないね。失敬!










P.373 そのとき突然、凍りつくような沈黙に衝撃が走り、


ま、わからなくもないのでかわいい方だけど、ぎこちないよね。


UK版P.212 And then, abruptly and shockingly amid the frozen silence,


試訳:そのとき唐突に凍りつくような静けさを破って、



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P.379 それとも飼い主の牽制が効かない状態になったのを感じ取ったからなのか、


UK版P.216 or because they sensed that their masters were no longer in control,


アンブリッジたちが気を失って、制御が効かなくなったディメンター。飼い主って言い方アリなの

か?せめて雇い主では?ディメンターは動物扱い?しかも、文章がなんだかぎこちない。


試訳:あるいは、雇い主が(彼らを)制御できる状態ではないのを感じ取ったからなのか、



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P.382 吸魂鬼はハリーたちの両側で退却して闇に溶け、銀色の霊たちの前に散り散り

になって消えた。


UK版P.218 the Dementors were falling back on both sides of them, melding

into the darkness, scattering before the silver creatures.


まず、ここも文がおかしいよね。両側に、じゃない?

パトローナスという魔法で作りだす銀色の動物が、それを作った人を守ったり、伝言を伝えたり

するんだけど、それを守護霊としてしまったのがイタイ。しかも最初の頃は、ルビをパトローナス

ってしてたのに、今や完全に守護霊。ここではさらに短くしちゃって、霊。辞書で調べたら、

「たましい、精神、霊魂、死者のたましい」とある。違うんじゃないかな・・・。

あ!でも、霊には不思議で尊いものって意味もあるんだって。結果、あってるってこと?

meld は、混合するという意味で、melt (溶ける)と間違ってる?と思ったけど、闇に混じるだから、

溶けるでもいいのか。


試訳:ディメンターは、ハリーたちの両側へと退き、闇へ溶け、銀色の動物たちの前で

散り散りになった。



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はぁ~。外見はおじさんになっていても、中身は17歳(18?)のロンです。相手はその変装した

人の奥さん。つまり、かなり年上。おばさんです。そのおばさまは、自分の旦那だと勘違いして

からんでくる。それを説得するのに、10代の男の子が「君の夫」なんて言葉使いしないと思うけど。


P.387 「いいからもうやめて。僕は君の夫じゃない。君は家に帰らないといけないんだ!」


UK版P.219 ' Let go, I'm not your husband, you've got to go home ! '


試訳:「やめて下さい。僕はあなたの旦那さんじゃないんです。あなたは家に帰らないと

いけないんです!」



ハートスペードダイヤクラブ



P.397 すると、流れるような動きでテントが宙に昇り、ハリーの前に降りて、完全なテントが

一気に建ち上がった。そして、ハリーの持っているペグが一本、あっという間に手を放れて、

張り綱の先端にドスンと落ちた。


なんとも流れの悪い文章。


UK版P.225 which in one fluid motion rose into the air and settled, fully

constructed, on to the ground before Harry, out of whose startled hands a tent

peg soared, to land with a final thud at the end of a guy rope.


試訳:すると、テントは流れるような動きで宙に舞いあがり、完璧に組み立てられて

ハリーの目の前に着地した。驚くハリーの手の中からペグ(杭)が飛び出すと、テントを

支えるロープ(張り綱)の先端にどすんと音をたてて刺さった。



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P.399 ハーマイオニーが、慰めを求めるように熱いマグを握りしめた。


魔法省から脱出してようやく落ち着いた三人が、カターモール一家がどうなったか話している。

これも直訳と思えば、間違いないかもしれないけど。


UK版P.226 said Hermione, clutching he hot mug for comfort.


試訳:ハーマイオニーは、気持ちを落ち着かせるように熱いマグを握りしめた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.401 ハリーは、日記帳がどんなにズタズタの残骸になったか、ダンブルドアに破壊

された分霊箱の指輪の石が、どんなにパックリ割れていたかを思い出した。


別にたいしたとこじゃないけど、なんだか読みにくくて。パックリも間違いじゃないけど…。


UK版P.227 He remembered the mangled remains of the diary, and how the stone

in the Horcrux-ring had been cracked open when Dumbledore destroyed it.


試訳:ズタズタになった日記帳の残骸、そしてダンブルドアが破壊したホークラックスの

指輪の石がぱっくりと割れていたことを、ハリーは思い出した。



ハートスペードダイヤクラブ


個人的な趣味の話。


P.402 自分の血が、血管を通って脈打つのを感じているのか、それともロケットの中の、

何か小さい金属の心臓のようなものの脈打ちを感じているのか?


UK版P.227 Was it his own blood pulsing through his veins that he could feel, or

was it something beating inside the locket, like a tiny metal heart ?


この原書の書き方ならば、


試訳:自分の血が、血管を通って脈打つのを感じているのか。それともロケットの中の

何かが脈打っているのか。まるで小さな金属の心臓のように?


とした方がいいんでないかい?と思ったまで。



ハートスペードダイヤクラブ


P.404 一方、たった一つ見つけ出した分霊箱、そしていまハリーの裸の胸に直接触れて

いる分霊箱は、どうやったら破壊できるのか、ハリーは途方に暮れるばかりだ。


もう少し整理してくれればいいのに。分霊箱、2つあるような感じもするし。裸の胸ってのも変。


UK版P.229 Meanwhile, he was at a loss to know how to destroy the only one

that he had found, the Horcrux that currently lay against the bare flesh of

his chest.


試訳:一方、見つけ出した唯一の―今はハリーの胸元で直接肌に触れている―ホーク

ラックスは、どうやったら破壊できるのかわからずもてあましている。



ハートスペードダイヤクラブ


P.404 気のせいかもしれないが、ときどきハリー自身の鼓動と並んで、別の小さく不規則

な脈が感じられた。


UK版P.229 From time to time, Harry thought, or perhaps imagined, that he could

feel the tiny heartbeat ticking irregularly alongside his own.


最後んとこ、なんだかちょっと不自然な。意味は同じ。


P.404 気のせいかもしれないが、ときどきハリーの鼓動と一緒に、小さく不規則に脈打つ

別の鼓動が感じられた。