P.35 「アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘」


UK版P.26 The Life and Lies of Albus Dumbledore


翻訳の世界では、作中に出てくる本のタイトルを創作するのは許容範囲なのでしょうか?

現実の世界で、洋書のタイトルがそのまま訳されているのかというとそうでもないから

演出と思えばいいのか・・・。


その後のリータの表現に、


P.37 「ダンブルドア自身があの鬚のように真っ白だと」


とあるのでそこから来たんでしょうけど。でもちょっと気になった。

ちなみに「ダンブルドアが、自身の鬚のように真っ白だと」ってことだよね、ここ。細かいけど。


※P.511 第18章の章題は、「アルバス・ダンブルドアの人生と嘘」

UK版P.286 The Life and Lies of Albus Dumbledore


同じなのにね・・・


P.25 それを脇に置き、ほかにかけらは残っていないかと注意深く手探りしたが、粉々

なったガラスがいちばん底のガラクタにくっついてキラキラしているだけで、シリウス

最後の贈り物は、ほかに何も残っていなかった。


ハリーが、シリウスの形見を探すちょっとせつないシーンなのに情緒的ではない気が。

あと、文章が滑らかではない気がする。


UK版P.20 Harry laid it aside and felt cautiously around the trunk for the rest,

but nothing more remained of his god father's last gift except powdered glass,

which clung to the deepest layer of debris like glittering grit.


試訳:ハリーはそれを脇に置き、かけらの残りを見つけようとトランクの中を注意深く探

った。しかし、後見人シリウスからの最後の贈り物は、粉々になったガラス以外何も残って

いなかった。ガラクタの底にはりついたそれは、キラキラと輝く砂のようだった。



ハートスペードダイヤクラブ


P.47 その瞬間ハリーは、果たしてそうだろうか……と互いに訝っているのがわかった。


UK版P.33 Harry was sure that in that instant they were both wondering the

same thing.


試訳:その瞬間ハリーは、二人が同じことを疑問に思っていると確信していた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.50 衝突事故だとか爆発だとか脱線だとか、そういうテレビニュースのあとにも、いろいろ

な事件が起こっているに違いないんだ。


UK版P.34 the crashes and explosions and deraiments and whatever else has

happened since we last watched the news.


試訳:僕たちが最後にニュースを見た後にも、衝突事故とか爆発とか脱線とか、それ以外の

事故だって起こっているんだ。



ハートスペードダイヤクラブ


P.51 一瞬沈黙が流れた。その短い時間に、ハグリッドがその昔ぶち破った木の扉の音が

遠く響き、そのときからいままでの長い年月を伝わって反響してくるようだった。


※ 「とき」や「いま」をひらがなにして、ひげは「鬚」という難しい方の漢字を使う不思議。


まず気になったのが、ぶち破った木の扉の音。これは、木の扉をぶち破った音でしょう。


UK版P.35 There was a brief silence in which the distant echo of Hagrid

smashing down a wooden front door seemed to reverberate through the

intervening years.


the intervening years は直訳すると「介在する年」とか「間に邪魔に入る年」で、

ハグリッドがドアをぶち破った6年前から(間に挟まる)時を越えてってこと?


試訳:一瞬沈黙が流れた。その静けさの中に、ハグリッドがあの日木製の玄関のドアを

ぶち破った音が(こだまとなって)、時を越え反響しているようだった。


※ P.56 には「玄関のドア」とある。扉とドアの使い分けの法則でもあるのかな?

  UK版P.38 the front door

ぶーぶー


P.172 入口のドア


UK版P.102 the front door


ハリーの誕生日に思い出話をして、このシーンが出てきた。今度は入口のドア。


試訳:玄関のドア


ハートスペードダイヤクラブ


P.51 十六年間しっかり憎み合った末の別れには、普通、何と言うのだっけ?


UK版P.35 What did you say to one another at the end of sixteen years' solid

dislike ?


何と言うのだっけ?って。微妙に不自然な気がする。だっけにするなら

何て言うんだっけ?という感じで、全て口語調にして欲しいなぁ。


試訳:十六年にも及ぶ憎しみの終わりには、互いに何と言うのだろう?


solid には「中身のある、ぎっしり詰まった」という意味もあるんだね。



ハートスペードダイヤクラブ


P.54 ハリーとダーズリー一家が、涙の別れを交わすかもしれない親密な場に同席

するのは、無粋だと思ったに違いない。


UK版P.37 she clearly felt that it would be tactless for them to remain in

the room while Harry and the Dursleys exchanged loving, possibly tearful

farewells.

試訳:(ヘスティアが、)ハリーとダーズリー一家が、愛情と涙にあふれて別れの言葉を

交わす場に残るのは無粋だと感じているのは明らかだった。



ハートスペードダイヤクラブ


P.57 「おまえ、粗大ゴミじゃないと思う」


UK版P.39 "I don't think you're a waste of space."


直訳すると「場所の無駄」 → 粗大ゴミ。 なるほどビックリマーク

でも、せっかくダドリーがハリーに歩み寄ってるのだから、


試訳: 「おまえのこと、粗大ゴミだなんて思ってないよ。」


の方が自然かと。そのまま訳せばいいのでは?



ハートスペードダイヤクラブ


P.60 なんとも奇妙な、慄くような目でハリーを見ながら、ペチュニアおばさんは言おうか

言うまいかと迷っているようだった。


UK版P.40 she gave him an odd, tremulous look and seemed to teeter on the

edge of speech.


慄くような目って・・・。


試訳:ペニュニアおばさんは、奇妙な怯えるような表情を見せ、言おうか言うまいか

迷っているようだった。



ハートスペードダイヤクラブ


P.62 プリベット通りの端で右に曲がった車の窓ガラスが、沈みかけた太陽で一瞬真っ赤

に染まった。そして次の瞬間、車の姿はなかった。


なんだかんだといがみあった親戚なのに、階段を駆け上がって最後まで見届けたハリー。
これまたせつないシーンなのに、"Apparate" したかのような去り方・・・。


UK版P.42 The car turned right at the end of Privet Drive, it's windows burned

scarlet for a moment in the now setting sun, and then it was gone.


試訳:(みんなを乗せた)車はプリベット通りの端で右に曲がった。ほんの一瞬、車の

窓ガラスが沈みゆく太陽で真っ赤に染まり、車は見えなくなった。


最後は、彼らは行ってしまった。とでもしたいところ。



ハートスペードダイヤクラブ


P.62 それから、荷物をぶら提げた不格好な足取りで階段を下り、階段下に鳥籠と箒、

リュックを置いて玄関ホールに立った。


英:and then made his ungainly way back downstairs to the hall, where he

deposited cage, broomstick and bag near the foot of the stairs.


不格好な足取りって・・・。


試訳:それから、(荷物を抱えた)不格好な姿で玄関ホールへ続く階段を下りると、

階段の下あたりへ鳥籠、箒、リュックを置いた。










※ここでは分かりやすいように、引用の中の指摘部分にアンダーラインを引いてます。


P.25 トランクの上から四分の三ほどを出し入れしたり入れ替えたりしただけで


意味がかぶっている気がするし、誤植にも見える。


UK版P.19 he had merely skimmed off the topmost three quaters of the

contents and replaced or updated them,


直訳すると、単にトランクの中身の上から四分の三をすくい取って、交換もしくは更新しただけ

だった。となる。英語の文章では同じような意味の単語を重ねて使うことが多い。最初の頃は、

私も全部をいちいち訳していたが、日本語では意味が変わらないので省略という選択もありでは。


試訳:単にトランクの中身の上から四分の三を入れ替えただけだった。



ハートスペードダイヤクラブ


P.28 光栄にもアルバスの友人であった我々は、彼を模範として見習うことができたし、

アルバスが常に喜んで我々を助けてくれたり、激励してくれたりしたことで恩恵を受けた

ことは言うまでもない


UK版P.22 those of us who were privileged to be his friends benefited from

his example, not to mention his help and encouragement with which he was

always generous.


最初に気になったのは、してくれたりした。口語っぽいなと。これは追悼記事なのに・・・。

原書を見直したら、もっとすっきり出来そうだった。基本は元の翻訳を生かすが、

言うまでもないのかかる文節が違うような気がするので、以下のとおり。


試訳:光栄にもアルバスの友人であった我々は、常に寛大であった彼の支援や励まし

言うまでもなく、アルバスを模範とすることで恩恵を受けられたのである。



ハートスペードダイヤクラブ


P.52 ふくろうナッツを二個、鳥籠の格子から押し込むようにヘドウィグに差し入れたが


UK版P.36 then, poked a couple of owl nuts through the bars of Hedwig's cage.


試訳:ふくろうナッツを数個、ヘドウィグの鳥籠の格子の間から差し入れた




ハートスペードダイヤクラブ


P.54 ダーズリー氏は右腕を挙げてハリーと握手する素振りを見せたが、


UK版P.37 He swung his right arm upwards to shake Harry's hand,


試訳:バーノンおじさんは、ハリーと握手をしようと右腕をあげたが


※ちなみに2行前は、バーノンおじさん。なぜあえてダーズリー氏?!



ハートスペードダイヤクラブ


P.92 テッド・トンクスは、まるで天井から空が透視できるかのように、上を見上げた


UK版P.59 Ted Tonks looked up at the ceiling as though he could see through

it to the sky above.


細かいことですけど、上は見下げませんし、下を見上げはしませんから・・・。


試訳:テッド・トンクスは、まるで空が透視出来るかのように、天井を見上げていた



ハートスペードダイヤクラブ


P.137 を縛っていたベルトが外れ、解き放たれたが、


UK版P.83 The book had broken free from its restraining belt


試訳: しばっていたベルトから解き放たれたが、



ハートスペードダイヤクラブ


P.193 ロンはハッと息を呑み、声も出ないほど興奮してハリーとスニッチを交互に

指差し、しばらく声も出なかった


UK版P.112 Ron, however, gasped, pointing frantically from Harry to the

Snitch and back again until he found his voice.


試訳:ロンはハッと息をのみ、声が出せるようになるまで狂ったようにハリーと

スニッチを交互に指差していた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.198 一時間前に、白いローブを着たウェイターが大勢到着し、金色の上着を着た

バンドマンたちも一緒に着いていた


UK版P.115 A host of white-robed waiters had arrived an hour earlier,

along with a gorden-jacketed band,


試訳:一時間前に白いローブを着たウェイターが大勢到着し、金色の上着を着た

バンドマンたちも一緒だった


robe はローブなのに、jacket はジャケットとしないのね。bandバンドマンでいいのかな。

ま、音楽隊とされなかっただけいいか。



ハートスペードダイヤクラブ


P.234 ハーマイオニーは華奢に見えるバッグをちょっと振った。すると中で重い物が

たくさん転がるがして、まるで貨物室の中のようなが響き渡った。


UK版P.135 She gave the fragile-looking bag a little shake and it echoed like

a cargo hold as a number of heavy objects rolled around inside it.


試訳:ハーマイオニーが見た目は華奢なバッグをちょっと振ると、その中で大量の

重い物が転がって、まるで貨物室のようなが響き渡った。



ハートスペードダイヤクラブ


P.244 ハーマイオニーが、できることなら反論したそうな顔をした。しかし、出来なかった


UK版P.141 She could not argue, though she looked as if she would like to.


試訳:ハーマイオニーは反論したそうな顔を見せたものの出来なかった