P.476 興奮と戦慄が入り交じった気持に、恨みを交えたくなかった。
UK版P.267 he did not want his excited trepidation tainted with resentment.
trepidation は辞書では戦慄ってあるんだけど…。なんか分かりにくい。直訳すると
彼は、興奮した恐怖が憤慨で汚されたのを望みませんでした。
試訳:高ぶる恐怖に恨みが混じることを望まなかった。恨みを加えたくなかった。
ちなみに混じるは区別がつかないもの。交じるは区別がつかないものなので、漢字間違いでは?




P.489にぎごちないって出てくる。ぎこちないでは?と思ったら、ぎごちないも辞書にあった。




P.490 蝋燭の置かれた皿は、積み上げた本の上の危なっかしい場所や、ひび割れて
黴の生えたカップが所狭しと置かれたテーブルの上に載っていた。
別に間違ってないけど、もう少し整理してほしいと思った。置かれた皿は・・・置かれたテーブルの
上に載っていた。って。
UK版P.275 the candle stubs that stood on saucers around room, perched
precariously on stacks of books and on the tables crammed with cracked and
mouldy cups.
試訳:燃えさしのロウソクが立つ皿は、山積みの本の上や、ひび割れてかびが生えて
いるカップでいっぱいのテーブルの上に不安定に置かれていた。




P.496 ハリーは息がつけず、呼びかけに応える息さえなかった。
呼びかけに応える息・・・?ナギニに攻撃されて、ハーマイオニーの呼びかけに応えられない
シーン。
UK版P.278 He could not get enough breath into his lungs to call back:
直訳すれば、ハリーは応えようにも、肺へ十分な息を送ることができなかった。
ま、このままでもいいのかな?
試訳:ハリーは呼びかけに応えようにも、息が出来なかった。




P.501 「あの人」は敷居を跨いだ。
ハリーとヴォルデモートの意識が重なり、ポッター家が襲われるシーンが回想のように登場
する。その中で、ヴォルがポッター家に入った瞬間のこと。シリアスなシーンなのに敷居を
跨ぐでは失笑。どこかでも書いたけど、over the threshold はかたくなに敷居をまたぐと
訳されている。間違いではないけど…。そもそもこのシーンで「あの人」と訳されているのも
気になります。原書ではHe。
UK版P.281 He was over the threshold
試訳:彼は家の中へ入った。一歩踏み込んだ。歩を進めた。




P.517 「あの子はイカレポンチでしたよ、あのアバーフォースって子は」
UK版P.289 ' He were a headcase, that Aberforth, '
イカレポンチって・・・。死語だと思うし、児童書に使ってほしくない。




P.517 この妹の存在さえ、アリアナが「蒲柳の質」だという話を間違いなく鵜呑みに
する、「ドジの」ドージのような少数の者を除いては、外部に知られていなかった。
妹とアリアナは同一人物なので、文章がおかしなことになっている。「蒲柳の質」なんて
難しい言葉、わざわざ使わなくてもいいと思うし。そもそも意味、間違ってるんだって。
"ill-health" とは身体が弱いことではなく、もともと健康な人が病気になっている状態なので
蒲柳の質(病気にかかりやすい性質)は誤訳。
これはリータが書いたダンブルドアに関する本の内容なのだが、本らしくしようとしているのか
難しい言葉や硬い表現が多くて(しかも変なので)読みにくい。かと思えば、急に話し言葉が
地の文に出てきたりしてさー・・・。
UK版P.289 Her very existence continued to be known only to those few
outsiders who, like 'Dogbreath' Doge, could be counted upon to believe in the
story of her 'ill-health'
また、リータはドージをバカにしているので、Dogbreath(スラングで「最低のヤツ」という
意味)を『ドジ』と訳して語呂を重視したのはよしとするかな・・・。
試訳:アリアナはその存在すら、ほとんど知られずにいた。ドジのドージはじめとする
彼女は「病身」だという話を信じてくれそうな、ごく少数の者だけに知らされていたのだ。

P.518 ケンドラが死ぬ前に、ゴドリックの谷でダンブルドアの母親と言葉を交わせる
間柄だったのは、バチルダただ一人だった。
ここも、ケンドラとダンブルドアの母親は同一人物である。
UK版P.289 At the time of Kendra's death, Bathilda was the only person in
Godric's Hollow who was on speaking terms with Dumbledore's mother.
確かに原書がこうなっているから、訳としては間違いではないかもしれないけど。
試訳:ケンドラが亡くなるその時まで、ゴドリック・ホロウでこのダンブルドアの母親
ケンドラと言葉を交わせる間柄だったのは、バチルダただ一人だった。
とかってすればいいのでは?ややこしい?




P.520 「――才気溢れる若い二人は、まるで火にかけた大鍋のように相性が
よくてねぇ――」
UK版P.291 '- both such brilliant young boys, they got on like a
cauldron on fire - '
若き日のダンブルドアとグリンデルバルトについて、バチルダが語った表現。
原書の 'get on like a cauldron on fire' は、' get on like a house on fire '(=意気投合する)
というイディオムを魔法界的にアレンジしたもの。そのニュアンスを残そうとした努力は
分かるが、日本語の慣用句にはないし意味不明。




P.521 マグルの権利を振興する数々の演説が、
UK版P.292 How hollow those speeches promoting Muggle rights seem,
権利を振興する?
そんな使い方あるのかな?って検索しましたが、一件もヒットせず。
大辞泉によると
振興【しんこう】[名](スル)学術・産業などを盛んにすること。また、学術・産業などが、
盛んになること。「科学の―を図る」「観光事業を―する」
promote をそのまま直訳したんだろうね。奨励する、支持するとかでどうだろうか。




P.536 ハリーが守護霊だと思った牝鹿は、この池の守人なのだろうか?
鹿なのに人…。ま、守人はファンタジーで出てくる造語みたいなもんだから、許されるのかな?
パトローナスなんだから、せめて守り神とか?
UK版P.299 was the doe, which he had taken to be a Patronus, some kind of
guardian of the pool ?
試訳:ハリーがパトローナスかと思った牝鹿は、この池を守る何かだったのか?




P.536 ハリーはもう一度杖を周りの木々や灌木に向け、
灌木は間違ってないけど。常用漢字じゃないし。手元の辞書には低木の旧称とあるし。
茂みとかじゃだめなのかな。
UK版P.536 Again he directed the wand at the surrounding trees and bushes,