P.479 文字を読み取るのに、ひざまずく必要も間近まで行く必要もなかった。

ハリーは、たった一度しかその意味を理解するチャンスがないかのように、ゆっくりと

墓碑銘を読み、最後の言葉は声に出して読んだ。



UK版.268 Harry did not need to kneel or even approach very close it to make

out the words engraved upon it.

 James Potter, born 27 March 1960, died 31 October 1981
 Lily Potter, born 30 January 1960, died 31 October 1981

 The Last enemy that shall be destroyed is death.


Harry read the words slowly , as though he would have only one chance to take in their meaning, and he read the last of them aloud. 


両親の墓碑銘が、日本語版では上記のように本文中から削除されている。P.478の下半分にジャガ

バターのような墓の挿絵が描かれており、その中にある。


そのイラストも幼稚というかなんというか。突然イラストが出てくるのも不思議。そもそもUK版には

イラストなんてない。さらに本文の扱いにも疑問を感じる。せめて、文章の中にもあって、イラスト

もあるならまだしも…。だって、その文がどこに挿入されてるのかわからなくなるし、イラストで先に

出てしまっては作者の狙いを無視していると思う。そのうえ、こんなイラストでは情緒も何もあった

もんじゃない。白い大理石でできているお墓なんだから、こんなじゃがいもみたいなその辺の石を

起きましたみたいな無縁仏のお墓のようなものではないと思う。


ちなみに墓碑銘は聖書の一節。(新約聖書コリント記15章26説)だそうです。


P.485 にもハリーの生家の前に現れるボードを、イラストで処理している。

P.476 興奮と戦慄が入り交じった気持に、恨みを交えたくなかった。


UK版P.267 he did not want his excited trepidation tainted with resentment.


trepidation は辞書では戦慄ってあるんだけど…。なんか分かりにくい。直訳すると

彼は、興奮した恐怖が憤慨で汚されたのを望みませんでした。


試訳:高ぶる恐怖に恨みが混じることを望まなかった。恨みを加えたくなかった。


ちなみに混じるは区別がつかないもの。交じるは区別がつかないものなので、漢字間違いでは?



ハートスペードダイヤクラブ


P.489にぎごちないって出てくる。ぎこちないでは?と思ったら、ぎごちないも辞書にあった。



ハートスペードダイヤクラブ


P.490 蝋燭の置かれた皿は、積み上げた本の上の危なっかしい場所や、ひび割れて

黴の生えたカップが所狭しと置かれたテーブルの上に載っていた。


別に間違ってないけど、もう少し整理してほしいと思った。置かれた皿は・・・置かれたテーブルの

上に載っていた。って。


UK版P.275 the candle stubs that stood on saucers around room, perched

precariously on stacks of books and on the tables crammed with cracked and

mouldy cups.


試訳:燃えさしのロウソクが立つ皿は、山積みの本の上や、ひび割れてかびが生えて

いるカップでいっぱいのテーブルの上に不安定に置かれていた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.496 ハリーは息がつけず、呼びかけに応える息さえなかった。


呼びかけに応える息・・・?ナギニに攻撃されて、ハーマイオニーの呼びかけに応えられない

シーン。


UK版P.278 He could not get enough breath into his lungs to call back:


直訳すれば、ハリーは応えようにも、肺へ十分な息を送ることができなかった。

ま、このままでもいいのかな?


試訳:ハリーは呼びかけに応えようにも、息が出来なかった。




ハートスペードダイヤクラブ


P.501 「あの人」は敷居を跨いだ。


ハリーとヴォルデモートの意識が重なり、ポッター家が襲われるシーンが回想のように登場

する。その中で、ヴォルがポッター家に入った瞬間のこと。シリアスなシーンなのに敷居を

跨ぐでは失笑。どこかでも書いたけど、over the threshold はかたくなに敷居をまたぐと

訳されている。間違いではないけど…。そもそもこのシーンで「あの人」と訳されているのも

気になります。原書ではHe。


UK版P.281 He was over the threshold


試訳:彼は家の中へ入った。一歩踏み込んだ。歩を進めた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.517 「あの子はイカレポンチでしたよ、あのアバーフォースって子は」


UK版P.289 ' He were a headcase, that Aberforth, '


イカレポンチって・・・。死語だと思うし、児童書に使ってほしくない。



ハートスペードダイヤクラブ


P.517 この妹の存在さえ、アリアナが「蒲柳の質」だという話を間違いなく鵜呑みに

する、「ドジの」ドージのような少数の者を除いては、外部に知られていなかった。


妹とアリアナは同一人物なので、文章がおかしなことになっている。「蒲柳の質」なんて

難しい言葉、わざわざ使わなくてもいいと思うし。そもそも意味、間違ってるんだって。

"ill-health" とは身体が弱いことではなく、もともと健康な人が病気になっている状態なので

蒲柳の質(病気にかかりやすい性質)は誤訳。


これはリータが書いたダンブルドアに関する本の内容なのだが、本らしくしようとしているのか

難しい言葉や硬い表現が多くて(しかも変なので)読みにくい。かと思えば、急に話し言葉が

地の文に出てきたりしてさー・・・。


UK版P.289 Her very existence continued to be known only to those few

outsiders who, like 'Dogbreath' Doge, could be counted upon to believe in the

story of her 'ill-health'


また、リータはドージをバカにしているので、Dogbreath(スラングで「最低のヤツ」という

意味)を『ドジ』と訳して語呂を重視したのはよしとするかな・・・。


試訳:アリアナはその存在すら、ほとんど知られずにいた。ドジのドージはじめとする

彼女は「病身」だという話を信じてくれそうな、ごく少数の者だけに知らされていたのだ。


ぶーぶー


P.518 ケンドラが死ぬ前に、ゴドリックの谷でダンブルドアの母親と言葉を交わせる

間柄だったのは、バチルダただ一人だった。


ここも、ケンドラとダンブルドアの母親は同一人物である。


UK版P.289 At the time of Kendra's death, Bathilda was the only person in

Godric's Hollow who was on speaking terms with Dumbledore's mother.


確かに原書がこうなっているから、訳としては間違いではないかもしれないけど。


試訳:ケンドラが亡くなるその時まで、ゴドリック・ホロウでこのダンブルドアの母親

ケンドラと言葉を交わせる間柄だったのは、バチルダただ一人だった。


とかってすればいいのでは?ややこしい?



ハートスペードダイヤクラブ


P.520 「――才気溢れる若い二人は、まるで火にかけた大鍋のように相性が

よくてねぇ――


UK版P.291 '- both such brilliant young boys, they got on like a

cauldron on fire - '


若き日のダンブルドアとグリンデルバルトについて、バチルダが語った表現。
原書の 'get on like a cauldron on fire' は、' get on like a house on fire '(=意気投合する)

というイディオムを魔法界的にアレンジしたもの。そのニュアンスを残そうとした努力は

分かるが、日本語の慣用句にはないし意味不明。



ハートスペードダイヤクラブ


P.521 マグルの権利を振興する数々の演説が、


UK版P.292 How hollow those speeches promoting Muggle rights seem,


権利を振興する?

そんな使い方あるのかな?って検索しましたが、一件もヒットせず。


大辞泉によると

振興【しんこう】[名](スル)学術・産業などを盛んにすること。また、学術・産業などが、

盛んになること。「科学の―を図る」「観光事業を―する」


promote をそのまま直訳したんだろうね。奨励する、支持するとかでどうだろうか。



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P.536 ハリーが守護霊だと思った牝鹿は、この池の守人なのだろうか?


鹿なのに人…。ま、守人はファンタジーで出てくる造語みたいなもんだから、許されるのかな?

パトローナスなんだから、せめて守り神とか?


UK版P.299 was the doe, which he had taken to be a Patronus, some kind of

guardian of the pool ?


試訳:ハリーがパトローナスかと思った牝鹿は、この池を守る何かだったのか?



ハートスペードダイヤクラブ


P.536 ハリーはもう一度杖を周りの木々や灌木に向け、


灌木は間違ってないけど。常用漢字じゃないし。手元の辞書には低木の旧称とあるし。

茂みとかじゃだめなのかな。


UK版P.536 Again he directed the wand at the surrounding trees and bushes,







最近、長い!って思ってもスルーする傾向にあったのだけど。


P.458 これだけ強烈に見つめれば、もしかしたらジニーの夢に入り込むことができるのでは

ないか、自分がジニーのことを想い無事を祈っていることが、なんとかジニーに通じるの

ではないだろうか、と思った。


ジニー、3連発。


UK版P.256 ...wondering whether the intenstity with which he gazed at it might

break into her sleep, that she would somehow know he was thinking about her,

hoping that she was all right.


試訳:これだけ強烈に見つめれば、ジニーの夢に入り込んで、自分がいつもジニーを想い、

無事を祈っていることがなんとか伝わるのではないかと思いながら。


break into her sleep は夢に入り込むでいいのかな?

彼女を眠りを起こしてって意味にもとれる?



ハートスペードダイヤクラブ


P.523 ハリーとハーマイオニーは、追いつめられた気持から、ゴドリックの谷にこそ答え

あり、自分たちはそこに戻るべき運命にあるのだと思いこもうとした。切羽詰まった気持

から、それこそがダンブルドアの敷いた秘密の道の一部なのだと、自らに信じこませ

たのだ。


許容範囲ですが。全て2回繰り返しになっているっていうか。


UK版P.287 Out of sheer desperation they had talked themselves into believing

that Godric's Hollow held answers, and convinced themselves that they were

supposed to go back, that it was all part of some secret path laid out of

them by Dumbledore;


試訳:ハリーとハーマイオニーはどうしようもなく切羽詰まった気持ちから、ゴドリック・ホロ

ウにこそ答えがあると信じこもうとしていた。自分たちはそこに戻る運命なのだ。それこそが、

ダンブルドアの敷いた秘密の道の一部であると、自らを納得させていた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.548 見る見るうちにロケットから二つの姿が現れた。最初は胸が、そして腰が、両足

が、最後には、ハリーとハーマイオニーの姿が、一つの根から生える二本の木のように

並んで、ロケットから立ち上がり、ロンと本物のハリーの上でゆらゆら揺れた。


長いし、句読点もおかしい気がする…。


UK版P.306 ...the figures blossomed out of the locket, first chests, then waists,

then legs, until they stood in the locket, side by side like trees with common

root, swaying over Ron and the real Harry,


試訳:ロケットから(まるで花が咲くように)人型がわき出てきた。最初に胸、そして腰、足と

出てきて、根っこのつながった二本の木のように並んで立つと、本物のハリーとロンの上

でゆらゆらと揺れた。

この前にハリーとハーマイオニーの頭が最初に出てくるので、あえて入れませんでした。