オリラジの中田敦彦氏がYou Tube大学「消費税増税は本当に必要なのか?不都合な事実編②」で引用していた「マンガでわかるこんなに危ない⁉︎消費増税」の第4話は、「日本の経済学者は、日本銀行や財務省からのデータをベースに計算し、財務省にとって都合の良い結論だけをマスコミを通じて発信し、世間に浸透させる」と、私立Z学園の女子高校生の高橋あさみちゃんが、政府の御用学者と御用エコノミストが財務省を忖度し、本当にやるべきことをやっていないと指摘する内容だ。

消費増税反対botちゃん、藤井聡「マンガでわかるこんなに危ない⁉︎消費増税」ビジネス社会、2019
私立Z学園の憂鬱 第4話(9:46)


消費税増税は正しい。私と彼女、どちらの言っていることが正しいと思うかね
とあさみちゃんに立ちはだかる経済学者の胡桃沢武(54)に対して、
みんな、本当に権威とかに弱いよね。私に言わせれば、何の力もないですよ!臭うんだよね財務省の臭いが...‼︎
と、あさみちゃん。

社会保障の上がり方は、高齢化社会で30年前の2.4倍。社会保障費というのは、大きく分けて3つ。一つ目は介護・福祉にかかる費用。二つ目は医療費。これは、高齢化社会でどんどん増えている。三つ目は年金!これもまた、ぐんぐん増え続けている。保険料収入が増えないから、多くは、国の借金で補填している。あと5年後には、介護も医療も年金も増えるばかり。介護は2倍以上、医療費は1.5倍に増えてしまう。だからこそ、日本国家の屋台骨の財政再建のために、消費税2%で確実に税収を安定的に5.6兆円増やし、社会福祉に徹底的に使うこれは、社会保障と税の一体改革の基本理念であって、2013年の60名の有識者会議でも、多くの賛同があった。教育分野でも、7,700億円を消費税から出すんだ。年金もこれで一安心!医療費もこれで安泰!君たちは、少子高齢化をどう考えているんだ?
と首を取ったかのような胡桃沢氏。

立派な肩書きの経済学者と銀行とかのエコノミストさん達がいっぱい賛成してますけれど、みんな政府や役所の『御用学者』『御用エコノミスト』では。政府や役所の仕事を受けまくり、海外出張も税金から出て、経済資料やデータを政府や役所からもらい、政府や役所の手足となって働く権威の亡者。国民の敵のことを言うのよ!海外視察とかは、当然自分のお金で行ってるんですよね
とあさみちゃんが詰め寄ると、
優秀な人間が海外に行ったり、政府や役所の委員会メンバーになるのは、普通のことだろう...?当然の権利だ!
と胡桃沢氏が反論。
じゃあ、経済学のデータを調べるときの出典は?最近のデータは研究できないですよね
と言うと、
財務省日本銀行から.......
と出どころをカミングアウト。

ちなみに、ここに出ている増税賛成の経済学者とエコノミスト15名は、財務省や他の役所の委員を歴任しています‼︎
と、増税賛成の人達が財務省とモロに繋がり、出来レースであることを指摘。

こうして、あなたのように立派な肩書きをもらうんでしょう?政府から。銀行のエコノミストも実はそう。財務省の御用学者、御用エコノミストが出来上がるまでのプロセスはこうです。
① 財務省等の意向どうりの学者を作るために、審議会・研究会・勉強会を主催します。
②そこに名誉心のある有名大学の学者を呼び、メンバーにします。
③ それぞれのメンバーが10名とし、各部署で3つほど作ると、100名程度がメンバーになり、若手も重鎮も入れておきます。
④ 研究員のときに、研究成果を出版してあげます。財務省の官僚がゴーストライターをすることも、ままあります。
⑤ 任期が終わると、また新しい人を入れ「教育的指導」をします。
海外視察など、海外の学会参加者も、国の税金で行ければ、それ以上のメリットはありません
⑦ 晴れて、御用学者、御用エコノミストの出来上がりです!
こういう経済学者は、日本銀行や財務省からのデータをベースに計算し、財務省にとって都合の良い結論だけをマスコミを通じて発信し、世間に浸透させる

元財務官僚の高橋洋一氏によると、マスコミに思い通りに話させるためには、経済学者、エコノミストを抱き込むのは常套手段。マスコミは、自分たち記者が直接増税を言うのはリスクがあるから、必ず東京大学名誉教授や大手銀行シンクタンクのチーフアナリストを使って権威づけするの。なぜ、あなたたち(エコノミスト)が財務省に加担するのかといえば、あなたたちが一番欲しい権力、権威、地位、名声のためじゃないの⁉︎ 日本の経済学者って、信念ってものがないんじゃないの⁉︎

社会保障の話だけどね、2014年の消費税のときに『増えた税収は、全額社会保障に使う』と公約を掲げた自民党だったけど、実際に使われたのは、たった2割だった!今回は、税収分5.6兆円の『半分』を社会保障にあてると言うけれど、はたして本当かしら?そんなに社会保障が大切なら、そもそも増税なんてしなければいいじゃない消費税で日本経済の不況が深刻化しているのは、明らかなんだから!いくらマスコミが『戦後2番目に長いいざなぎ景気を超えた』と報道していたって、一般人の世論調査では、82%の人が景気回復を実感していないそうなの(2017年末)。消費税は『消費することへの罰金』。消費(買い物)にブレーキをかける最悪の税金!買い物(消費)が減れば、売り上げも下がりお給料が下がるということです!

お金がないから、子供が育てられないし、お金がないから、より社会保障が必要なんでしょ!大体、どんどん増え続ける社会保障を理由に増税したらキリがないじゃない!だからこそ、目指すべきは、より充実した『社会保障』ではなく、『経済成長」なの‼︎ 国民が豊かになることなの!だから、経済を駄目にする消費増税は、絶対に駄目なの!何で経済学者がそんなこともわからないの!あなたが言ってるのは、所詮、全部エリートが決めた机上の空論。あなた達がもっと本当に優秀ならば、1997年以降のデフレをすぐに直せたはずでしょ。あなた達が間違っているのは、消費者心理、中小経営者の心理、この国を生きる日本人の心の内を理解していない!それに尽きるの!財務省様の意向を忖度したあなた達の出世欲、名誉欲を満たすために、私たち(一般人)を使わないでちょうだい‼︎ あなたは知っているはず....今、本物の経済学者がやるべきことを
と、あさみちゃんは、胡桃沢氏の痛いところを突いた。


(第5話に続く)

あさみちゃんの解説は、10%消費増税を行った方が日本経済が駄目になるという京大の藤井聡教授の理論に基づいている。

藤井聡「『10%消費税』が日本経済を破壊するー今こそ真の『税と社会保障の一体改革』を」晶文社、2018

高橋洋一「『消費増税』は嘘ばかり」PHP研究所、2019

高橋洋一、田村秀男「日経新聞と財務省はアホだらけ」産経新聞出版、2018



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【参考・引用】
増税反対bot、藤井聡「マンガでわかるこんなに危ない⁉︎消費増税」ビジネス社会、2019
藤井聡「『10%消費税』が日本経済を破壊するー今こそ真の『税と社会保障の一体改革』を」晶文社、2018