2019年10月から、消費税が10%に引き上げられる。


なぜ、直接税の「所得税や法人税」ではなく、間接税の「消費税」が引き上げられるのだろうか⁈

財務省の回答は、以下の通り。


社会保険料などで現役世代の負担が既に年々高まっているのに、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを行うと、さらに現役世代に負担が集中するので、所得の多い者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が、高齢化社会における社会保障の財源として適しているという見解。


元国税局の法人税担当調査官の大村大次郎氏の「知ってはいけない 金持ち 悪の法則」によると、裕福層にだけ、大減税が繰り返されているという。

日本の富裕層は、名目の税率は高いけれども、様ざまな優遇により、実際に負担する額は、非常に低いらしい。

累進課税では、サラリーマンや個人事業などの収入があった場合、所得の合計額が195万円以下ならば所得税と住民税合わせて税率は15%、1,800万円以上あった場合は50%。収入が多い人ほど、税負担が大きくなる仕組みだが、株主への配当金は除外されている。配当の場合は、どれだけ金額が高くても、一定の税率で済む。稼ぎの多い少ないに関わらず、同じ税率で済み、その税率は著しく低い(復興特別税を含み15.315%)。

上場企業の株を3%以上保有する大口株主の場合、所得税は20.42%となるが、上場企業の株を個人で3%以上持つケースはまれ(一族で株の保有を分散など)。

住民税は5%で、上場企業の株を3%以上保有する大口株主の場合、10%となるが、それ以外の株主や投資家は5%で済む。住民税は、通常、一律10%なので、サラリーマン1年生でも10%の住民税を払っている。

近年の日本の格差社会の要因の一つに、投資家優遇があげられている。サラリーマンの平均税率が15%程度である一方、株を持ち、何千万や何億円の収入がある者の税率も、同じく15%。

住民税は、サラリーマンが一律10%に対し、配当所得者は半額の5%と、他の先進国には無い優遇なのだという。

大村大次郎「知ってはいけない 金持ち 悪の法則」悟空出版、2018


消費税廃止」や「まずは消費税5%に減税」を目指すれいわ新選組代表の山本太郎氏は、消費税を導入されて、増税されるたびに所得税の最高税率は下がっていきました。これをやめて引き上げます。金融所得の分離課税をやめ、すべて所得税で取ります。法人税は大企業に対して、税の大割引システム、租税特別措置がある。この特別扱いをやめる。そして法人税も所得税と同じように累進税を導入する。もうかっているときには税負担が上がり、もうかっていないときには税負担が下がる

この所得税、法人税の税制改革をおこなった場合、財源は29兆円担保できるという試算がある。消費税廃止で20兆円が足りなくなっても、おつりがくる」と言っていた。


一般的には、今の日本の財政危機を乗り超えるためには、景気の波に左右されにくく、最も安定した税源である消費税の増税が現実的な対処法だと考えられている。消費税は、1%幅の税率引き上げで約2.8兆円の財源が生み出せるからだ。

財務省も「2018年度の国の税収総額が60兆3563億円」と、バブル期の4倍弱の過去最高になったと発表。


中田敦彦氏のYou Tube大学 『なぜ増え続ける?「消費税増税」裏に隠された歴史編①』は、オカンでも増税のカラクリが分かる。



池上彰氏『これが「日本の民主主義」!』から引用されている。


財務省の回答を論破するのは、「消費税増税は本当に必要なのか?不都合な事実編②」こんなことを暴露して、昔だったら、第20代内閣総理大臣の高橋是清氏のように暗殺されるかも⁈



消費増税反対botちゃん、藤井聡「マンガでわかるこんなに危ない⁉︎ 消費増税」から引用されている。

この解説をしているのが、『「10%消費税」が日本経済を破壊するー今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を』の藤井聡教授。
消費税増税分の2割しか社会保障には使われておらず、消費税増税と法人税減税が相関していることがよく分かる。


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【参考・引用】
「よくあるご質問、税制」財務省
原真人「山本太郎の消費税廃止、増税派の私が評価するわけ」座論、2019.8.8
「税収、最高の60兆円超 バブル期から消費税は4倍に」日本経済新聞、2019.7.2
大村大次郎「知ってはいけない 金持ち 悪の法則」悟空出版、2018
池上彰氏『これが「日本の民主主義」!』ホーム社、2016
消費増税反対botちゃん、藤井聡「マンガでわかるこんなに危ない⁉︎ 消費増税」、ビジネス社、2019
藤井聡『「10%消費税」が日本経済を破壊するー今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を』晶文社、2018