◇結局、序盤は絶好調、突如大崩れ、途中降板のパターン
今季よりオークランド・アスレチックスでメジャーリーグ挑戦を始めた藤浪晋太郎だが、大谷翔平のいるロサンゼルス・エンジェルス相手の初登板初先発は2回まで被安打0の完璧投球、しかし3回に四球を与えてから乱調になり、また置きにいったボールを乱打され、3回途中5安打3四球8失点で降板した。
「メジャーになれば通用するかも」という淡い期待と、「結局日本で克服できなかった制球力が急に良くなるわけはない」という大きな懸念は、後者の方が現実のものになってしまった。
そして気を取り直しての2回目の先発だったが、3回まで完璧な投球、しかしまたもや4回で豹変し2失点、5回に3失点と、計5失点で5回途中の降板となり、2連続KOとなってしまった。
藤浪自身も「自分の投球パターンを研究されている」などと分析していたらしいが、正直、自分こそ「突如崩れる自分」の研究がなされていないのではないか、と思う。
日本には「3度目の正直」という言葉はあるが、いくら先発陣の層の薄いアスレチックスでも、ここまで途中で大崩れする投手を今後もローテーションに入れるかどうか。
◇スライダーを投げ出すと横振りになる、という指摘
管理人は、藤浪が大きく制球力を乱した頃から、その原因は「イップスではなく、メカニズムの問題」と思っていたし、今もそう思っている。
多くのイップス経験者の話を読むと、イップスになるとまず本番でおかしくなっているわけで、序盤はちゃんと投げられている点でイップスとは違う(一塁への送球は、常に暴投しており、これこそイップスと思われるが)。
藤浪の投げ方だが、後ろの引いた時の右手が、どうも腰の左側辺りまで回してから投げる動作に入っているように見える。
結局バッターで言うと、外回りして振る「ドアスイング」といわれるものと同じで、バッターはドアスイングのクセがつくと、ボールに対してバットが間に合わず、振り遅れてボールに差し込まれてしまう。
投手の場合は、ボールをリリースするのが、手が真正面に戻ってくるのに間に合わず、やや右バッターの前でボールを離してしまうので、どうしてもボールが右に外れてしまう、そういう現象が起きているように感じる。
藤浪は日本人でも稀にみる高身長で、腕も長い。
我々が長い釣り竿を振り、狙いを定めて水面に落とすのが難しいように、いくらアスリートと言えども、長い腕を駆使し、力を入れて振る事と正しくリリースする事の同時並行はそう簡単ではないだろう。
しかも変化球は握り方やボールの抜き方が特殊なので。
たとえば同じような体格の大谷翔平やダルビッシュ有は、投球動作で腕を引く時、腕をやや曲げて自分の右腰の後ろに収めていて、絶対に腰の左側まで腕を回していない。
同じように自分の長い腕を長いまま投げているように感じる才木浩人だって、腕を後ろに引いた時は、ピンと腕を伸ばすけれど、腰の真後ろで留めており、腰の左側まで回す事はない。
ただ、仮に右手を腰の左側まで引いていたとしても、その手が真上から振り下ろされるのであれば、ボールが左右にブレる事はないものの、藤浪はしばしば腕がスリークォーター気味に横振りになっている。
これがそもそも制球を乱す原因ではないか、と思う。
藤浪を指導した山本昌も、「腕を上から振り下ろすように」とあれほど口を酸っぱく言っていたのに、どうもそのクセがいつまで経っても治っていない。
特にスライダーを投げ続けると、だんだんと肘が落ちて、横振りになってくる、と指摘する人もいる。
だったら、横振りになる原因のスライダーをしばらくやめて、カットボールやスプリットなど(山本昌はチェンジアップを覚えろ、と言っていたが)で縦振りのみの投球にしぼれば、とも思うのだが、結果的にそうは出来ていないようだ。
◇最終的に「リリーフ転向」という現実路線に行くかどうか
管理人は以前からずっと言っている。
「藤浪晋太郎、リリーフ最強説」。
既に過去の話になるが、彼が一瞬セットアッパーで脚光を浴びた事があった。
本人は「精神的にツラかった」だの「自分が壊れそうで不安だった」だの、とつべこべ言っていたようだが、先発がダメでリリーフに回り大成した投手は数多いる。
チームのレジェンドである藤川球児氏もその一人だ。
このまま先発投手にこだわっても、残念ながら誰も待ってくれない。
もう彼にチャンスは与え過ぎたと思う。
もちろん、何億もかけたアスレチックスが、彼の商品価値向上を諦めず、まだ「待ってくれる」かも知れない。
ただ、阪神と違って温情なんてものは欠片もないので、ここで「リリーフに回るか、マイナーに落ちるか」という現実的な選択を突き付けてくる可能性もある。
むしろ、そういうドライな判断を与えてくれないか、と思う。
本人の「先発投手」に賭けるプライドとこだわりは、我々が思っている以上に強い。
誰かがそのプライドを崩さないと、「藤浪晋太郎という素晴らしい素質を持った投手」が、このまま野球選手人生を送り続けていけない可能性がどんどん増していく。
2回までは、3回までは、完璧に抑えらえれる。
それが分かっただけでも、藤浪がメジャーに通用すると証明された、という事だ。
藤浪はまずその事実を、結果を積み上げていかないといけない。
それこそ、プライドもこだわりも捨てて、「なりふり構わず」だ。
ただメジャーのベンチに居続けるために。
藤浪晋太郎よ、君は井川慶になりたいか?
井川慶のようになるために、メジャーに行ったのか?
違うだろ。
藤浪晋太郎という投手が再びマウンドで輝くために行ったんだろ?
晋太郎が「いつか出来るかも知れない事」ではなく、「今やれる事」「今出来ている事」をまずやる事、それを切に望んでいる。
そこはベースボールの本場だ。
戦場だ。
もうロマンを追っかけている場合ではないのだ。
がんばれ、藤浪晋太郎。
#藤浪晋太郎 #アスレチックス