笑いの神様の片思い

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お笑い芸人の定義って何だろう?
 いつもそう思う。いつだったか、ダウンタウンの松本人志さんが"芸人とは生き様"と
語った数年前、ラジオで偶然にも同じ答えを語っていた男がいた。それがビートたけしさ
んである。僕はやっぱりこの二人のカリスマが好きだし憧れを抱いてしまう。そして、そ
んなふうに誰かに影響を与えることができる芸人になりたいなぁなんて思ってしまう。
 ただし、芸人にはもう一種類、違ったタイプの芸人がいると思う。それは本人が望んで
ないのに、笑いの神様っていう奴に熱烈的に愛されてるタイプの芸人。ほっといても面白
いことが周りでおきまくるタイプ。そういう、いわゆる"天然"っていうやつ?あぁいう
タイプの芸人がいる。僕はこの笑いの神様に愛された芸人を嫉妬と憧れの目で見ているの
だが、時たま凄すぎて、絶句してしまうほどのアホアホぶりを見せてくれる若手がいたり
する。その代表格が去年僕の住んでるマンションの目の前のアパートに引っ越してきたワ
イビーワンの上原君だ。彼はすさまじい。そうめんを一緒に食べていたら、喉が渇いたと、
めんつゆを一気に飲んでしばらくしてから一言。「ちょっと今日、舌の調子がおかしいです。
麦茶がそうめんの味がします」だって。舌の調子って?いろんな意味で調子はおかしいだ
ろうが。こんなエピソードもある。僕の家の横の住人が精神を少し病んでて、僕の家の玄
関を蹴りまくっていた事件(これは本当に怖かったです。だしてもない音を僕がだしてい
たとか言いがかりをつけられまして)で、その住人の女性を上原君となだめに行ったら、
だんだん喋っているうちに自分が興奮しだして、その住人さんに「大丈夫ですか?」って
心配されたり。一番凄かったのは、去年の全国ツアーで上原君が運転手を務めていたんで
すが、調子に乗って赤信号を渡ってしまって警察にキップ切られたとき、僕が烈火のごと
く怒りまして、しばらくみんなの雰囲気が暗くなっていたときです。ずっと反省していた
上原君は一言も喋らなかったんですが、沈黙に耐えられなかったのでしょうか、突然立ち
上がって 
「オレ、オレ、今日からタバコやめます!!!」
だって。・・・・・何それ?もうねぇ・・全然関係ないでしょ?もちろんみんなはそのトン
チンカンな台詞に大爆笑。僕も大爆笑。見事にみんなの雰囲気が復活したんです。こんな
ことが日常茶飯事なのです。一般的にはタリテないような感じもするでしょうが、芸人に
こんな奴がいるとみんなに愛されます。
もしかしたらお客さんみんなに勇気を与えるかもしれません。ちっちゃいことにくよくよ
してる場合じゃないって。そういう意味ではやはり芸人とは生き様なんでしょうね。今日
も笑いをありがとう上原君。とりあえずタバコはやめないでね。



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