私が体外受精を始めた頃に、人工授精ですぐに授かった方と、話をしていました。
私が鞄を開けると明日使用予定の人工授精用の精子を入れるカップが。
「こんなん使ってましたか?一緒?」
と、聞いてみると、
「あー、使ってたなぁ。でももう忘れたわ。」
と。
忘れた。
か。
私のなかでは、その方が治療していた頃の事もまだ、鮮明に覚えています。
それは、私がまだその渦中にいるから。
そのまま、この清潔容器を何度も使い、治療も続けている。
過去の事ではありません。
続いている現在のことです。
もう、6年も!
その間、たくさんの方が妊娠し、出産し、育児をしています。
あー、あの頃は同じだった。
けれど、今は、違う。
話す内容も全然違います。
妊娠、出産、育児は、たくさんのことを忘れさせてくれるようです。
逆に、たくさんの苦労も与えられるようです。
私は、これから、どうなっていくのか?
先が見えないのは不安ですね。
そうか、そんなに時が経ったのか。と、思わせられた出来事でした。