アニメ「ロミオの青い空」が再放送中ですが、20年前の放映当時はその存在すら知りませんでした。
世界名作劇場シリーズでも少年が主人公の珍しい作品ですが、今回は「黒い兄弟」なるグループ物(?)です。
「黒い兄弟」とは煙突掃除の少年たちの同盟で、出稼ぎに来た彼らをヨソ者と迫害する「狼団」から身を守る為に結成されました。
「黒い」とは、煙突掃除夫の汚れて真っ黒な姿を指していましが、知らなければ犯罪系のネガティブなイメージしか沸きませんね(苦笑)
原作のタイトルも「黒い兄弟」ですが、イメージに配慮して「ロミオの~」に改題されたのは仕方ないですね。
主人公ロミオは煙突掃除夫としてロッシ親方に買われますが、奴隷的な扱いをされる冒頭の展開には驚かされました。
都心部に出稼ぎに来た少年たち、彼らに過酷な仕事をやらせて低賃金で扱う大人たち、そして彼らをヨソ者と迫害を加える不良グループ。
今のEUの移民迫害を予見させるような差別的な構図が出来上がっています。
ロミオはロッシ親方に気に入られて奴隷的な扱いから抜け出しますが、彼が監禁されていた牢屋は実に気味が悪いですね。
最近までは他の少年が入れられていたでしょうし、今いないのは大怪我をして追い出されたか最悪亡くなったのでしょう。
ちょっと考えれば深い闇がある、そんな怖い世界でもあります。
ロミオは勇敢ですが子供っぽく、親友アルフレドは理知的で大人の雰囲気を漂わせます。
アルフレドは「黒い兄弟」の発起人でリーダーでもありますが、基本スペックが高すぎて主人公ロミオが霞んでしまい…(苦笑)
この物語がどう展開していくのか分かりませんが、原題が「黒い兄弟」である以上、煙突掃除の少年たちが手を携えて苦難を乗り越えていくのでしょう。