登山家生命を絶たれることで勘弁してもらえた加藤文太郎。
登山家ドラマというよりは要領よく生きられない不器用すぎる男の物語でした。
文太郎の行く道全てが罠だらけ、世の中の理不尽を一身に浴び続けるかのような物語。
それらに無抵抗で無表情のまま打ち据えられ、やられっぱなし。
明らかに痛みを感じてはいるのですが、決して表に出しません。
読者には一見、容姿端麗で強面に見えるのですが、劇中では容姿で一目置かれることはありませんでした。
花ちゃんのような理解者が一人でもいれば救われる、そんな美しさもある素敵なドラマでした。