いよいよ来年に開幕が迫った 大阪・関西万博 は、現在急ピッチで建設が続いているものの、どうやら開幕に間に合うのか?と危惧されるほど工事が遅れていると聞きます。

 

     

 

まあ、あまり先先のことを言うのも失礼かも知れないんだけれど、前回の EXPO70大阪万博 の頃は、いわゆる高度経済成長期だったことと、戦後のベビーブーム世代が青年期を迎えた時期でもあったので、要は マンパワーに余裕があった時代 でもあったんです。

 

     

 

しかし、現在はきつい・汚い・危険が伴う 3K と言われる建設現場工事へのなり手不足に加えて、働くことを悪ととらえる 働き方改革 を推進したことも相まって、予定通りに工事が進まないのでしょう…?

 

 

 

 

さて、かく言う私はまだ「大阪・関西万博」の現場作業にはお呼びがかかっていないものの、過去に同じような現場を体験しましたので、その頃を回想しながら今の万博工事の現場を予想してみようと思います。

 

 

 

 

時は今から17年前の2008年…

作業する現場はシャープ堺工場で、看板の取付け工事の補助として数日間赴いたのですが、今の万博にも決して引けを取らない 絶望の工事現場 でした…💦

 

     

 

 

1.雨が降れば池ができる?

 

今回の 万博開催地でもある夢洲 と同様に、当時のシャープ堺工場も埋立地でしたので、兎にも角にも排水設備が未整備だったこともあり、ひとたび雨が降りますと、翌日は 辺り一面が池 のようになってましたね!

 

     

 

ただ、こうなりますと作業効率が著しく落ちるのは当然としても、そもそも積んできた資材をトラックから出せないので、工事自体に着手出来ないので、どんどん遅れが生じるのです。

 

 

 

2.車の台数制限

 

普通の現場作業ですとほぼ現地までは自分の車で、または元請けさんのトラックで相乗りということもありますが、万博もシャープ同様に かなりの台数制限 をされているそうです。

 

     

 

まあ、全員がマイカーなんぞで来られても停めるとこすら無いのは理解できるんですがね…?

 

けれど、職人さんは本来自分の車に必要な道具を満載しているんですが、それが相乗りであるならまだしも、シャープも万博も大半は 乗合バスで来い と言うのですから、工具も必要最低限しか持ち込めないので、当然仕事の進捗率が著しく悪くなるのです。

 

    

 

と言いますか、朝からギュウギュウ詰めのバスなんぞに揺られて来て、更に入口ゲートから現場まで徒歩で移動するとなると、始まる前からすでに体力が消耗してしまうので、そもそもやる気なんて全く起こらないのです。

 

 

 

 

3. 食堂まで徒歩で片道30分!

 

これはネットなどの記事にもなりましたが、マンションなどの建設現場と違い、こちらはシャープと同じく面積が広いので、要所要所に詰所+売店のような小屋があるのです。

 

     

 

 

 

まあ、下水道すら完備していない僻地であるがゆえ、仕方がないと言ってしまえばそれまでなんですがね…?

 

     

 

実は、この状況はかの大戦で味わった インパール作戦 の焼き直しであって、要は 兵站(へいたん/武器や食料などの補給) を完全に無視して工事を着工 したため、万博工事が遅れに遅れているのだと想像できるのです。

 

 

     

 

もちろん、食堂に加えてトイレへも徒歩10分以上(往復20分以上)なんてザラですから、そうなると仕事が止まりますから、特に夏場は水分を取りたくても取れないんですね!

 

あと、 「食堂まで30分もかかるんだったら弁当を持参すれば?」 との意見も散見されますが、だったらコメントした貴方は一度でもこの様な工事現場に入ったことありまんのか?

 

よっ! 我れ~!

 

      

 

 

あのね!

ただでさえ道具などを手運びで持ち込んでいるのに、弁当なんぞの余分な物なんてそもそも持てませんし、よしんば持ち込んだとしても…

 

現場に弁当を野ざらしで置くのでっか?  

 

冷蔵庫も何もありゃしませんぜ!

 

暑なったら弁当腐ってしましまっせ!

 

で、立って食いますの?

雨降ったらどうする?

自販機なんてあらしまへんけど…

水分無しで弁当食うんでっか?

 

     

 

ほんで、食堂と言っても売店に毛の生えた程度のもので、街の食堂とは全く違いますので、この点もご理解くださいよ!

 

     

 

あと、食堂はあるにはあってもメニューはカレーに麺類が1~2種類程度ですよ!

 

当然冷暖房はほぼ無い埃まみれの空間ですよ!

 

おまけに廃棄ロスを恐れるがために、お昼に出向いても確実に全て売切れでっせ!

 

だから、仕方なく残りものの菓子パンかじったりして空腹を紛らわしていたのが「シャープ堺工場」の日常でしたし、今の万博も似たり寄ったりとちゃいまっか?

※コンビニ以上に高い価格設定です。

 

 

 

ですから、あくまでも予想としてお断りしますが、今の大阪・関西万博の建設現場は、絶望の工事現場ならぬ「インパール大阪作戦」とちゃうか?とも思うのです。

 

こんな状況で仕事頑張ろうと思いますか?

 

 

 

 

ただここへ来て、こんな不便が我慢ならないからと、ゼネコン社員だけの 冷暖房完備の移動式事務所 が出来たと喜んでいましたね、竹中さん…?

 

      

 

けど、こんなことに頭が回るんやったら、汗して働く作業員の詰所として活用してあげるのが先だし、トイレも併設してあげれば 作業効率は飛躍的にアップ するはずなのに、ヤツらも政治家らと同じ思考であって、まず自分達が偉くて一番優先なんですから、そら作業員としても「やってられんわぁ~」ってなりますわな!

 

     

 

 

まあ、お金を頂いている以上あまり文句ばかりも言えませんが、それでも 上見て暮らすな と言うのは江戸時代の話しであって、昭和ならまだしも令和の今ですらこのような惨状があちこちにあって、工事が遅れれば現場作業員にその責任を擦り付けるのも如何なものでしょうか?

 

     

 

つまるところ、 蟹工船 に 自動車絶望工場 に 女工哀史 などの書物にもありますが、このような状況がこれからも続くのであれば、いずれ現場作業を敬遠する者が続出して業界が廃れるどころか、近い将来それらは外国人らに取って代わるのかも知れませんね?

 

ですから、まず現場作業員がどうしたら効率良く仕事を進めてくれるのか?を考えないと、本当に開催が危ぶまれるでしょうし、指揮する者が職人らの状況を把握し、八方手を尽くしてくれたとするのなら、職人はこれに応えて全力で良いモノを作ろうと頑張るんです!

 

聞いてるか? 吉村君!