前回のブログでもお伝えしたように、半世紀を超えるおばけラジオ番組として知られる毎日放送 ありがとう浜村淳です が、今月をもって平日の放送を終了することになりました。

 

 

 

まあ、私事ながら今は毎朝通勤時の車で聴くこの番組は、ラジオ捻ると浜村氏の声が流れてくるのが当たり前であって、言わば空気のような存在というご同輩も多いと思いますが、時代はどんどん変わって行くのです!

 

※以下、ありがとう浜村淳です→ありがとう

おはようパーソナリティ→おはパソ と略します。

 

 

 

ところで、関西ローカルで言うところの 毎日放送 と 朝日放送 は、長年良きライバルのような関係にあったことに加え、これまた不思議なことにリスナー側も好き嫌いがハッキリと別れていまして、深夜ラジオ番組の MBSヤングタウン のリスナーは、決してABCヤングリクエストを聴かないという不文律があったのは、これまたご同輩であれば「大阪あるある」では無いでしょうか?

 

 

 

 

さて、、当然お題にあるABC朝日放送の おはパソ は、実は 半世紀以上も続く ありがとう よりも長い歴史があるのです!

 

そして、熱狂的な阪神タイガースファンだった初代パーソナリティの中村鋭一氏の後任は、これまた更に熱狂的なタイガースファンの 道上洋三氏 が45年に渡って務められていましたので、関西ローカルの朝のラジオ番組と言えば、浜村氏と道上氏の二大看板が長らく席巻していました。

 

     

 

加えて、「ありがとう」の浜村氏し対し、言っても道上氏は正統派のアナウンサーですから滑舌が良いのと、浜村節のような意味不明なギャグやオチャラケや寸劇もあまり無かったので、この真面目さがABCの社風でもあり、おはパソの特徴でもあったのです。

 

加えて、本当の意味での 野球好き の方は、道上氏の試合解説やチームの分析などが本格的であったと高い評価が多かったので、MBS党のリスナーも開幕中だけはこの番組に浮気をしていた方も多いと聞きました。

 

     

 

 

 

しかし、失礼を前提で個人的な意見を言わせてもらえば、道上氏は あまりにも「ありがとう」を意識しすぎ たのではないでしょうか?

 

どちらが長く放送を続けられるか競っていたかと…?

 

すなわち、道上氏は2021年に脳梗塞を発症してから事実上番組は終わったも同然でしたが、その前の2006年に脳腫瘍の摘出で長期休暇をとった時に、どうして後任を育てると申しましょうか、潔く身を引く決断をしなかったのかが悔やまれるのです。

 

     

 

道上氏はこの頃すでに取締役に就任しており、言わば自分が「続ける」と断言すれば、誰もそれにクチを挟めない状況だったのでしょうが、番組名は今も残っているものの、道上氏無き後の おはパソはもはや別番組 と言っても過言ではないでしょうか?

 

 

 

同じく、「ありがとう」は浜村氏が毎日放送の社員では無いものの、これほどまでに長寿番組ともなると取締役ですら、これまたおいそれとクチを挟めない状態だったんじゃないかな…?

 

で、こちらは後任が 山本浩之(ヤマヒロ)アナウンサー になるようですが、確かに愛されるキャラではあるものの、すでに62歳を向かえたお爺ちゃんが新たに看板番組を背負うとは、これまた如何なものでしょうか?

 

     

 

何かね…

ヤマヒロさんは悪くは無いんだけれど、誰がGO出したのかは知りませんが、この時点で「ありがとう」と「おはパソ」の熱き戦いは終焉してしまったとも言えるのです。

 

 

 

ハッキリ言って、最近の大企業はヒトを育てることを半ば放棄している風潮がありますよね!

 

つまるところ、どちらの番組も後任選びに関しては 軽薄短小 を地で行く典型であって、それは今の時代にマッチしているのかも知れないけれど、考えが薄っぺら過ぎると申しましょうか、人気番組だからこそ何故もっと知恵を出して吟味して、皆で汗して頭を下げて後任を選ばないのでしょうか?

 

寿司は寿司でも、厨房に入ればカットされた魚を酢飯に乗せるだけの 回転寿司 が流行る今日は、これが好まれるのでしょうか?

 

     

 

あのね… 更にあと50年も番組を続けて欲しいとは思いませんよ!

 

けど、「ありがとう」も「おはパソ」も、これほど伝統があって言わば冠番組だからこそ、全てをリセットして 若手をイチから登用する ことだって出来たはずなのです。

 

     

 

 

 

浜村氏が「ありがとう」をはじめたのが39歳、そして道上氏が「おはパソ」をはじめたのが34歳…

 

     

 

業界ではまだまだ若手と呼ばれていた御両人が、その恐怖にも似た不安を抱きつつも共に切磋琢磨し、そして独自の番組を作り上げて来たからこそ今があるのだから…

 

いや、時代はいくら変われども、地域に根ざしたラジオ番組とは、パーソナリティとリスナーが二人三脚で育てる!

ラジオってそういうものじゃないかと思うのです。