毒猫飼えば 人の中まで -10ページ目

時。




時計の針は

止まってはくれず

置き去りにしたあの日

連れ去れないあの日



時間の流れは

変わってはくれず

平坦になった僕

呼びきれない僕




今も変らず




時計の針 うるさくて

時間のカチコチ 数えてみて

頭の中でぐるぐるするのは



今も変わらず





電波を飛ばして声を送れば

あの日が声を返してくれて


電波を飛ばして心を送れば

僕が揺れて返してくれて


あの日の僕すら連れてける?





時計の針は

止まってはくれず

時間の流れは

変わってはくれず

前へ進むの気持ち一つで

今も変わらず――――。






詩。





お口のチャック 閉めるように
お眼めのチャック 閉じてしまえば

そこにあるのは甘い闇


お口のチャック 湿るように
言葉のチャック 湿てしまえば

そこに浮かぶは脆いガラス


お口のチャック 凍めるように
心のチャック 凍めてしまえば

そこにあるのは寒い希望



チャック一つに振り回され
チャック一つに掻き乱され
出しては収め出しては収め
閉めて湿気て凍る世界に
幾度も幾度も 刃を刺し
幾度も幾度も 種を植え
幾度も幾度も 涙(みず)をあげ
幾度も幾度も 繰り返す

いつかは必ず芽を出すと
いつかは必ず咲き誇ると
ただただ願って繰り返す


痛いも怖いも辛いも苦しいも
全てが種の肥料になると
ただただ願って繰り返す






詩。





眼が覚める
真っ赤な夢に唸されて
白い指先
この眼はひたすら碧色で


眼が覚める
真っ黒なモヤに惑わされ
灰の瞳
呼吸はひたすら不規則で


手と手を繋いで 君が笑って
またねを繰り返す度にカゲロウ笑う
真っ赤な夢に染まった君が
真っ黒なモヤで見えなくなるのを
何度も繰り返す度にカゲロウ笑う
両手で抑えた声を紡げば
カゲロウの果て 君と会えるか
両手で隠した顔を見せれば
モヤは晴れて 君を抱けるか
真っ赤な夢で君が笑って
真っ黒なモヤで僕が泣いて
手と手を繋いで混ざり合えば


僕は君になれるかな?