【幻】モーニン・ブルーズ 2024/07/27 | 澤田修ブログ

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ラジオDJ、ナレーター、音楽ライター、肉好き男、
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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino / Elektra 8122 798434 0

 

N  今週も暑かったですね。東京では酷暑への対応で四苦八苦七十二、山茶花

 九、八波六十四。九州や東北では大雨、伊豆半島周辺では旅客船漂流と災害

 が続きました。皆さん大丈夫ですか。またアサーが来てしまいました。

  お札の図案が新しくなりました。わたしのところにも今週やって来ま

 した。やっぱ現金ですね。これを上手く手に入れれば、即ご大尽風にな

 れます。いつかお話しましたね「生交渉時おける現金の力」の凄さは。

  ではそれを実践した歌です。ワシントンDCのゴーゴー・キングことチャック・ブラウンの

  「我々には幾許かの現金が必要である」。

 

 

M01.We Need Some Money(8’16”)Chuck Brown    

-C. Brown, J. Buchanon, L.Fleming, M.Jhonson, D.Tilery-

RawVenture Records VPA0007-2

 

N   獄中滞在後に組んだグループ、ザ・ソウル・サーチャーズの大ヒット「バスティン・ルース」

 で一躍R&B界での大御所となったチャック・ブラウンの「ウイ・ニード・サム・マニ」でし 

 た。このビート感覚は、誰にも真似出来ないチャック・ブラウンだけの物です。「バステ

 ィン・ルース」は1975年のヒットですから、彼はアイランドに目をつけられる前にゴーゴー・

 ビートを会得していたようですね。

  ゴーゴーにはわたしもしばらくの間夢中になりました。その前にラップ音楽の 

 成立に立ち会った人間としては、当初シュガーヒルのレコードを全部揃えて日本で

 の、いや世界的な同レイボーの外部第一人者になろうとしていたのですが、す

 ぐに手に追えないくらいにリリースが盛んになって、よく考えたらエーゴが出来な

 い人間にこういう音楽は無理だ、と分かったのです。その次に目を付けたの

 がT.T.E.D.レイボーの「ゴーゴー」音楽だったのです。トラボー・ファンクなんかは公演初

 日を大阪まで観に行った位でした。でも地域の壁は如何ともし難くこちらも

 諦めざるを得ませんでした。

 

M02.Bustin’ Loose(7’39”) Chuck Brown       

-C.Brown-  RawVenture Records VPA0007-2

 

N   新しいお札はすぐに手許から飛んで行ってしまいました。レコードを買ったか

  らです。それはなんと『GSベスト30』。グループ・サウンズという呼び名で括られる

 音楽はコンピ盤でよく見掛けますが、大抵は愛情のないヒット中心の選曲でひと通

 り揃ってしまえば、それで充分です。ところが、この『GSベスト30』は、そうで

 はなかったのです。まずこんな歌が入ってました。

 

M03.すてきなエルザ(3’00”)ライオンズ  

-M.Fujima, Y.Nakajima- 東芝  TOCT-0227/8

 

N   このコムピCDには珍しい曲が入ってました。そのひとつが今お聞き頂いた

「すてきなエルザ」です。京都出身の虎より強い獅子です。このグループのファンクラブ

 会長をし

 ていた女子が三鷹で飲み屋を経営しているという話を聞いたのは随分と前で 

 す。一度行きたいなあ、と思っとります。

   この『GSベスト30』には得難い録音がもう一曲ありました。これです。

 

M04.野バラ咲く路(2’42”)市川染五郎  

-S.Ichikawa- 東芝  TOCT-0227/8

 

N   若い人たちに説明しますと、今の歌は「野バラ咲く路」という題名で唄って  

  いたのは市川染五郎、今の十代目松本幸四郎の父親です。日本の芸能の世界は

 名前を継ぐ事があるので、少しややこしいのですが、ここで「野バラ咲く路」 

 を唄っているのは、先代の市川染五郎、今の二代目松本白鸚です。それ以前の

 名前は九代目松本幸四郎。彼は若い頃に音楽を志して、エレキギターを弾いてまし

 た。この歌も自作です。「染五郎と共に」なんて題名のテレビ番組もありまし

 た。主役はもちろん市川染五郎で、彼が毎週いろんな事を演って呉れるので

す。ロケンロー禁止令下の自分の家では観れませんでしたが、近所の親戚宅でたまに 

 観ていました。わたしはこの番組で音楽を始める時のテムポー出しに使う「ダ

 ボー・カウント」を知りました。1967年3月の発売ですから、第一回の東京五輪前

 ですね。もう少し速度が早かったような気もしますが、コーラスワークがなかなか

 に妙です。

  そして、「ここにしか入っていないんじゃないか」とわたしでも驚いたこ 

 れがあるんです。どうぞお聞き下さい。

 

M05.透明人間(5’39”)ザ・ハプニングス・フォー   

-K.Kawachi- 東芝  TOCT-0227/8

 

N これは「透明人間」。ヤマハのオリヂナル・ソング・コンテストでの優勝曲です。発売が

 1972年11月ですから、ザ・ハプニングス・フォーはもう解散している頃ですね。たぶ

 ん作者のクニ河内名義で出ていたのではないでしょうか。ラジオ番組に本人が出て 

 来て、しきりにこの歌の事を語っていたのを憶えています。「アリゲーター・ブーガ

  ルー」は68年5月の発売。

  プロコル・ハルムの「青い影」調のオリヂナル「あなたが欲しい」が全然売れなかっ

 たので、「68年の夏のダンスビート、ブガルー」をカヴァして出したのです。世の中 

 はハードロック、サイケ、メセヂ・ソングなどが入り混じって「アングラ」な雰囲気が優先し

 ていました。「片足あげてホイ」的なGS路線に背を向けて、音楽の実力で勝負

 に出たハプニングス・フォーでしたが、世の中はそんなに甘くはなかったのです。多

 分ね、この「アリゲーター・ブガルー」の大失敗でグループなんかやめよう、となっ

 たのではないでしょうか。各メムバは匿名の演奏家になり、」クニさんは音楽の

 才能を活かして作編曲の世界で生きていました。傑作アルバム『タモリ』の音楽は

 クニさんでした。

  ではその「失敗作」をどうぞ。

 

M06.アリゲーター・ブーガルー(2’15”)ザ・ハプニングス・フォー

-L. Donaldson,  Y.Matsushima-   東芝  TOCT-0227/8

  

M07.Alligator Bogaloo(6’45”)Lou Donaldson

- L. Donaldson- Blue Note CDP 7 84263 2

 

N    ルー・ダナウソン、ロニー・スミス、ジョーヂ・ベンスンという豪華な顔ぶれの「アリゲイタ・ブ 

 ガルー」でした。この頃は毎年の夏が来ると「今年の踊り」というのがありま

 してね、68年は「ブガルー」だったのです。でもブガルーはそれ以前からあっ

 て、重要な踊りでした。「ワツシ」みたいにね。

 

M08.シェイク・ア・テイルフェザー(2’50”)ブルーズ・ブラザーズ

-Hayes, Williams, Rice-  ワーナー AMCY-2747/8

 

N   これは映画「ブルーズ・ブラザーズ」の中で町の中古楽器屋に楽団の武器を調 

 達に行くとブラザー・レイ扮するメクラの親父が出て来てアレコレ言います。それが突然

 インドのミュージカルのように路上でダンス大会になってしまうところで唄われる「シェ

 イク・ア・テイルフェザ」です。この場面もう一度観たいですね。これの最後の方「マ

 ッシュポテイト」の次に「ブガルー」が出て来ます。オリヂナルは1963年の歌ですから何 

 も68年のダンスビートではなかったのです。

  では「シェイク・ア・テイルフェザ」をオリヂナルのザ・ファイヴ・ドュトーンズでお聞き下さ 

     い。

 

M09.Shake A Tail Feather(2’22”) Fivedu-Tones

-Hayes, Wiliams, Rice-  Shout 28

 

 

N   「シェイク・ア・テイルフェザ」のオリヂナル、ザ・ファイヴ・ドュトーンズでした。そして、こ

 れは偶然でした。中古盤屋でたまたま見つけたジェイムズ・アンド・ボビー・ピユー 

 リファイの「シェイク・ア・テイルフェザ」です。

 

M10.Shake A Tail Feather(2’10”)James & Bobby Purify  3

-Hayes, Wiliams, Rice-  Sundazed  SC-11096

 

M11.月光仮面(3’28”)モップス(笑い)7

-K.Kawauchi, K.Hoshi- 東芝 TOCT-6605

 

N さてこの『GSベスト30』はお聞きのように他には無い選曲で楽しませてくれ 

 ます。今ひしひしと「買って良かったな」と感じています。

 中でも存在感の大きなのはモップスかな。ここに彼等は東芝に移籍後オリジナリティ

 を目指した奮闘の様子を記しています。まずは川内康範のどこか可笑しい言

 葉をブルーズに載せた傑作「月光仮面」でした。次は1972年当時飛ぶ鳥を落と

 す勢いだった吉田拓郎の書いた「たどりついたらいつも雨ふり」、そして鈴 

    木ヒロミツが命をかけた「御意見無用」です。

 

M12.たどり着いたらいつも雨ふり(3’22”)モップス  

-T.Yoshida- 東芝 TOCT-0227/8

 

M13.御意見無用(3’57”)モップス  

-H.Suzuki, K.Hoshi-  東芝 TOCT-0227/8

 

N  テイク違いかな「月光仮面」は中間部のセリフが全然違う物を、「御意見無用」は 

  主題が英語詞になっている物を聞いた事があります。70年代初頭のモップス、苦

 悩の歴史でした。

 さてこの『GS ベスト30』、ここまでお聞きのように割と凝った選曲です。

  GS界ではおとなしいいい子だったワイルド・ワンズも面白い歌が入っていました。

 普通ですと「想い出の渚」と「夕日と共に」で無難にやり過ごすところです

 が、ここには渡辺茂樹加入後の「バラの恋人」と若干意味深長な「青い果

 実」が選ばれているのです。東芝音源重視とは言え、これは偉い。

  ではその2曲をお聞き下さい

 

M14.バラの恋人(2’47”)ザ・ワイルド・ワンズ  

-K. Yasui, K.Kase-  東芝 TOCT-0227/8

 

M15.蒼い果実(2’55”)ザ・ワイルド・ワンズ

-M.Yamagami, K.Kase-  東芝 TOCT-0227/8

 

M16.想い出の渚(3’01”)ザ・ワイルド・ワンズ

-S.Torizuka, K.Kase-  キングKICW-8569

N そしてこれは欠かせません。作詞鳥塚茂樹、作曲加瀬邦彦で永遠の名曲、

 「想い出の渚」です。

 

M17.Litle Red Rooster(2’30”)Howlin’ Wolf  

-W.Dixon-  MCA / Chess  CHD216500

 

 

M18.Litle Red Rooster(2’51”)Sam Cooke With Billy Preston

-W.Dixon-  ポリドール / アブコ  POCD-1907

 

N 今年も河内音頭は8月の終わりに錦糸町で開催のようです。皆さんお楽しみ

 下さい。顔ぶれを詳しくは知らないのでご案内もここまでですが、河内人の

 ソウルを感じたってね。わたしたち首都圏河内音頭推進協議会、略称イヤコラセ東京

 も同じ週の末に盆踊りを開催いたします。出演は錦糸町には呼ばれていない  

  「つかさ会」の精鋭たちです。場所はちょっと遠いのですが、山梨県北杜市武

 川にある鶏牧場ルースターです。大忙しの中で決定したので、詳細はまだです。あ

 と4回、来週以降の「幻」で、詳しくお伝えいたします。なお名入れのお提灯 

 を広く募りますので、宜しくね。

  さて先週のテレビで、坂本九の弔いにオーストラリアからやって来た豪州人を取材し

 た番組を観ました。飛行機事故で亡くなってしまったのが、1985年ですから

 もう40年近く前です。思い出すなあ。その日は夕方に渋谷から歩いて帰って

 来て、代々木八幡の踏み切りを渡った時の違和感。「何かあったな」と感じ

 ました。今ならどうとでも言えますが、これは本当です。

  九ちゃんは本当にいい唄い手でしたから、弔いにオーストラリアから人が来ても   

  不思議はありません。わたしはその番組をしまいまで観てしまいました。何

 かでエルヴィスの真似をしたのを少しだけ聞いた事があります。歌は「ワン・ナイト」

 でした。それがカッコよくてね。何よりも謙虚でした。その姿勢が良かっ

 た。今でも忘れられません。全米1位がどの様に仕組まれたかは単行本も出

 ていますから、興味がある方はそちらをお読み下さい。

  ではその豪州人も上手に唄った「スキヤキ」をご一緒に聞きましょう。

 

M19. 上を向いて歩こう(3’08”)坂本九

-R.Ei, H.Nakamura-  東芝 TOCT-25439

 

M20.見上げてごらん夜の星を(3’50”)坂本九

-R.Ei, T.Izumi-  東芝 TOCT-25490

 

TM  Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N   最後の歌はおおしまひさしの「見上げてごらん夜の星を」でした。

 結局のところ九ちゃんは地味な地方出身者という服装しかなかった。

 彼にはそんなケチな物を超える歌の才能があったのに。九ちゃんが生き

 ていたら、現役で活躍してくれていたらわたしたちの生活はもっと

 生き生きとしていたでしょうね。本当に残念です。このオーストラリア人は

 よく分かってました。またいらっしゃいね。

 

   今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

             https://16.gigafile.nu/0731-fa6fde04ea7b8af60d1746a50a86e2e68

   ダウンロード・パスワードは、いつものようにありません。

   使用音楽素材図絵は、ここです。

             https://16.gigafile.nu/0802-c08d726f5d2363f4312bbedb3b5dc8358

   ダウンロード・パスワードは、同じく「なし」。

   共に7日間の限定です。

 

 

  今朝も、ちょうど時間となりました。

  こちらは、https://ameblo.jp/djsawada よろしくお願い致します。

  どんなコメントでも受け付けています。どうぞご自由にご投稿下さい。

  エックスのhttps://twitter.com/hashtag/blues761?f=live も便利です。お好き

  な方で構いません。聞いているだけのあなたも、是非どうぞ。

 

  「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。今朝も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。今日はこれから医者なん

    だ。嫌だな・・・・。

 

 

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大家がフジロックに弾丸参戦していたため、更新が遅くなりました。

お詫び申し上げます。 澤田大家