Denim&Jeans NEWS 【デニム・ジーンズ 最新ニュース】 -26ページ目
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“三備交差点”(中)2007年2月6日 (火曜日)【繊維ニュース】

早朝訪問でヒット探る

  産地企業への取引先訪問はシーズン本番前になると急増する。新幹線「のぞみ」が登場して以降はさらに増えた。三備を訪れる取引先の多くは、今ならば秋冬物展示会のサンプルデニム、製品のオーダーや試織用商材を発注するために備後にやってくる。しかし広い備後産地、一日で岡山・井原市周辺、福山の北地区を回 るとなると、車を飛ばしても件数は限られる。日帰り出張者はなおさらだ。

 ダックテキスタイルでは時間のない人のために本社2階に常設展示場を昨年、設けた。そこには産地のシーズン素材の最先端サンプルが3000以上ある。「昨年来、訪れる人はさらに増えた」(三原社長)。都心情報も倍増した。

 本社入り口の門柱横に、南国に生える植物のフェニックスがシンボルとして植えられている吉河織物(岡山県井原市)。早朝からのお客をこのフェニックスが迎える。広くない本社前の空き地は車でいつもいっぱいだ。

  訪問する数社の取引先関係者が「雑談」しているかのような吉河織物の事務所兼応接間での一言ひとことは重要だ。世間話の傍らで試織サンプルや産地の動きなど役立つ情報が満載。商社やアパレル、テキスタイルコンバーターらはコミュニケーションの中から情報を収集する。この雑談、日課の積み重ねが、売れるジー ンズ製品を支える素になる。

 ストレッチなどの機能素材、美脚ジーンズなどをヒットさせ た。ポリウレタン混ポリエステル糸を緯に使ったデニムの流行は産地から生まれた。流行素材の一つ、「T400」などは当時、手に入らないタイトな素材 だったが「雑談のなかでストック場所などを知り、製品化してビジネスにつなげた」地元の卸商もけっこうある。

  バスでの団体客による工場訪問も珍しくないデニムメーカー大手、カイハラ(広島県福山市)。今期は引き続き米国のプレミアムジーンズの勢いがあり、とくに輸出が好調だった。中でもストレッチデニムは全生産量の60%に達し、年々、増加しており「今では定番デニムのトップ素材」(貝原良治会長)になってい る。

 同社には取引先関係者はもちろんだが、地元に通う小学生などに対して「地場産業」の姿を学んでほしいと、独自の藍染め教室を開いている。

  デニムや染めを熟知するカイハラで働く社員が_講師_となり、インディゴ染めによる様々な模様作りを体験してもらう。思い思いの柄出しに日本の伝統産業の すばらしさを学び、「藍色」を知る。「07年問題」で日本独自の技術伝承危機が叫ばれるなか、備後産地では次世代に様々な伝統工芸や染め技術を託す姿、運動がある。

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“三備交差点”(上)2007年2月5日 (月曜日)【繊維ニュース】

主流はスキニーかフレアか

  色、加工、シルエットなど流行を繰り返すジーンズ製品に比べてデニム生地の「顔」に大きな変化はない。そんな変化に乏しいデニムを、少しでも差別化して「競争力」のある売れるジーンズにしたい。アパレル関係者は懸命になってデニムの新しい顔を求め三備を往き来する。07年春、三備交差点に多くの関係 者の姿がある。

         

  1月も下旬。暖冬、戻り寒波を繰り返す不安定な気候のなか、季節に左右されることなく売れるマルチシーズン商品、ジーンズの話題の中心はスキニージーンズだった。ところが、三備を拠点とする産地アパレル関係者の一人は秋冬物の新作サンプルオーダーを前に「スキニーの話題で盛り上がっているところ、バイヤーさんには気の毒ですが次のトレンド、そこまで来ていますよ」と訪れるアパレルやセレクト系バイヤー関係者に「新着情報」を教えてくれる。

 三備産地の縫製工場や染色洗い加工場に集まる商品で今、フレアタイプが目立つという。工場内を見れば次に何が生産され、販売されようとしているか、一目瞭然だ。

  現在の洗い加工場では実は「ワンウオッシュ程度の加工で終わる濃色スキニーよりも中古加工がまだまだ多い」。広島県福山市内にあるジーンズカジュアルウエアなどの染色洗い加工業、サカキバラや四川の実情で、さすがに破ったものや強いダメージ物は減少したが、ジーンズのほとんどになんらかの中古加工が施され ている。

 商品としては綿素材を使ったメンズのストレート系、レディースはフレアジーンズが増えつつある。硫化染めのブラックジーンズやカラージーンズの加工もここ数週間、追加オーダーで増えていて「夏に向けてカラーパンツが復活することも予想される」(サカキバラ)加工内容だ。

 素材傾向はフレアであっても緯糸にポリウレタン5%内外を加えたポリエステル混のストレッチデニムが主流で、今後もこの機能素材はあらゆる流行シルエットに使用されると見られている。

  備後を拠点とするデニムなどのカジュアルテキスタイルコンバーター、ダックテキスタイル(同)は、昨年来、スキニー用のストレッチデニムを扱い、業績を上げた。今シーズンは新しく初めて2ウエーのストレッチデニムを、むら糸を使って開発した。「2ウエーでないと差別化点が見いだせない。普通のストレッチデ ニムはすでに中国生機で可能」とありきたりなモノ作りに警戒感を示す。

「メイド・イン・ヘブン」のクリエーティブディレクター クロエ・ロンズデールさん【繊研】

ロンドンの「メイド・イン・ヘブン」は、70年代に女優のジェーン・バーキンやファラ・フォーセットらに愛されたプレミアムジーンズの元祖のようなブランドだ。昨年から、27歳のクロエ・ロンズデールがクリエーティブディレクターに就任し、現代の感覚を取り入れながらコレクションをリバイバルしている。

 

どんなジーンズを作りたい?(以下インタビュー)

 

ブランドが出来たのは69年当時のロンドンでは、ジーンズはアメリカのワーキングクラスのための服というイメージが強かった。それを「メイド・イン・ヘブン」が変えました。私も新しいジーンズの時代を作りたいです。

今、ジーンズの90%はLA発のストリート向きのデザインです。破れていて色落ちが激しく、ローライズ。そういうのって、大人の女性には向かないでしょう。私は、もっと洗練されたきれいなジーンズを作りたい。こだわっているのはフィット感とシルエットです。11.512.5オンスと程よく生地に厚みを持たせ、1%だけライクラを混ぜました。少しハイライズなのは、体のラインを美しく見せるためです。ギラギラした装飾はいりません。昔のレプリカのリベットや小さな鳥の刺繍、裾のハンドステッチといったさりげないディテールでブランドらしさを主張します。オフィスでもパーティーでも着られる、今の女性のライフスタイルにあったジーンズでありたいです。


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