“三備交差点”(上)2007年2月5日 (月曜日)【繊維ニュース】 | Denim&Jeans NEWS 【デニム・ジーンズ 最新ニュース】

“三備交差点”(上)2007年2月5日 (月曜日)【繊維ニュース】

主流はスキニーかフレアか

  色、加工、シルエットなど流行を繰り返すジーンズ製品に比べてデニム生地の「顔」に大きな変化はない。そんな変化に乏しいデニムを、少しでも差別化して「競争力」のある売れるジーンズにしたい。アパレル関係者は懸命になってデニムの新しい顔を求め三備を往き来する。07年春、三備交差点に多くの関係 者の姿がある。

         

  1月も下旬。暖冬、戻り寒波を繰り返す不安定な気候のなか、季節に左右されることなく売れるマルチシーズン商品、ジーンズの話題の中心はスキニージーンズだった。ところが、三備を拠点とする産地アパレル関係者の一人は秋冬物の新作サンプルオーダーを前に「スキニーの話題で盛り上がっているところ、バイヤーさんには気の毒ですが次のトレンド、そこまで来ていますよ」と訪れるアパレルやセレクト系バイヤー関係者に「新着情報」を教えてくれる。

 三備産地の縫製工場や染色洗い加工場に集まる商品で今、フレアタイプが目立つという。工場内を見れば次に何が生産され、販売されようとしているか、一目瞭然だ。

  現在の洗い加工場では実は「ワンウオッシュ程度の加工で終わる濃色スキニーよりも中古加工がまだまだ多い」。広島県福山市内にあるジーンズカジュアルウエアなどの染色洗い加工業、サカキバラや四川の実情で、さすがに破ったものや強いダメージ物は減少したが、ジーンズのほとんどになんらかの中古加工が施され ている。

 商品としては綿素材を使ったメンズのストレート系、レディースはフレアジーンズが増えつつある。硫化染めのブラックジーンズやカラージーンズの加工もここ数週間、追加オーダーで増えていて「夏に向けてカラーパンツが復活することも予想される」(サカキバラ)加工内容だ。

 素材傾向はフレアであっても緯糸にポリウレタン5%内外を加えたポリエステル混のストレッチデニムが主流で、今後もこの機能素材はあらゆる流行シルエットに使用されると見られている。

  備後を拠点とするデニムなどのカジュアルテキスタイルコンバーター、ダックテキスタイル(同)は、昨年来、スキニー用のストレッチデニムを扱い、業績を上げた。今シーズンは新しく初めて2ウエーのストレッチデニムを、むら糸を使って開発した。「2ウエーでないと差別化点が見いだせない。普通のストレッチデ ニムはすでに中国生機で可能」とありきたりなモノ作りに警戒感を示す。