利益を増やすという本質に迫る | 工務店業務の仕組は新人がつくる|生産性向上と業務改善の手順

工務店業務の仕組は新人がつくる|生産性向上と業務改善の手順

株式会社デジコムが普及している「工務店業務の仕組は新人がつくる」の理論をもとに、工務店の生産性向上や業務改善に活用できるマネージメントスキルをお伝えしていきます。

ほとんどの経営者が利益にを出すための方程式を下記のように定義している。

 

売上 ー 原価 ー 経費 = 利益

 

要するに売上から必要経費を引いたものが利益だということ。

※これは会計の話で、実体のビジネスでは原価と経費をどこまでも安くすることはできない。

 

この方程式に従えば、原価と経費を削減すれば利益が増えるという論理になる。

よって、外注先に値引きを迫り、従業員に経費削減を迫り、必要な設備であったとしても投資を怠り、

そうして削り出した残りが利益だという発想になってしまう。

 

原価など安くしても限界があるし、安くした分だけ外注のやる気は下がる。

簡単に言うと、もっとよくしてあげようという意欲がなくなり、言われたこと以外はしなくなる。

それでも利益がでないと言って、さらに値引きを要求したところで、どこまでも安くなるわけではないわけで、利益が出ない理由を外注費のせいにして、自分の経営能力の低さに気付く経営者は少ない。

 

経費を削減するにも削減出来る科目はほとんどなく、裏紙やトイレットペーパーの削減などの貧素な発想しかできない。

 

必要な設備への投資を怠り、マウスやキーボードの交換すらできずに使いづらい半分壊れたようなものをだましだまし従業員は使う。

 

このような状況が継続している中で、「どうすれば利益がでるのか?」などと考えて、

財務的には大したインパクトにはならない経費をさらにケチりはじめる。

 

売上 ー 原価 ー 経費 = 利益

 

上記の方程式でしか考えられない経営者の陥る思考パターンです。

 

利益とはなぜ増えるのか?

本質的な理解をしている経営者は少ないのではないか。

 

経営者は、利益に対して新しい思考パターンを持たなければ、

単純に原価を下げて、経費を削減して、設備投資をせず、残ったものが利益という思考に支配され、

じり貧な商売になってしまう。

 

利益に対する新しい思考パターンとは、

 

難しかったことを簡単にする = 利益

 

上記のような方程式を思考パターンとして獲得する必要がある。

 

要するに、難しいものを難しいままにしておいて利益は増えない。

ということが利益の本質だということを理解してビジネスで実践できれば、

簡単にした分だけスループット(受注からお金になるまでの時間)は短縮され、

利益がではじめるという新しい思考パターンを獲得できる。

 

難しいものを難しいままにしておいて、安くやれと外注先に要求したところで、

納品にかかる時間が短くなるわけでもなく、逆に質まで悪くなり、

納期が遅れて代金回収も遅くなりキャッシュフローも悪く、儲からない、

という負のスパイラルから抜け出せないだけなのだ。

 

そんな簡単な理論も理解しないまま、

原価、経費、設備投資を削減し、儲からないと嘆いている経営者が多すぎる。


そんな発想で儲かるわけがないのは明らかなのに、

難しいことを簡単にする、すなわち能力アップに投資せずに、

安易に経費削減と言って負のスパイラルに落ちてしまう。

 

利益を出すということの本質は、

 
難しかったことを簡単にする = 利益
 
この方程式を思考パターンとして獲得し、
実践する行動を継続することに尽きるのだ。
 
難しいことを簡単にするとは、
ベテランしかできないと思っていた業務が新人でもできるようになるということであり、
すなわち難しいことが簡単になっているということが明らかに認識できる。
 
一つずつ難しいことを簡単にしていく日々を重ねていくことが、
利益の本質ではないでしょうか。
 
※一応申し上げておくと、

原価を引下げることや経費を削減することが不要だと言っている訳ではないし、

従業員が不満を言っているなら深いことは気にせずに設備投資すべきと言っているのでもない。

スループット向上という思考がないのに、外注費や経費をケチったところで、本質的な利益は生み出せていないと言うことです。