これらが整備されてくると、整備されたインフラとツールの上で情報流通ができるようになります。
情報流通三種の神器とは下記の3つです。
①情報の蓄積
②情報の抽出
③情報の共有
①と②がなければ③の情報流通はできません。
よくある組織の構図として、①インフラは遅いパソコン、つながらないネットワーク、で、
②業務ツールは全社的に統一感がなく、どのようなツールで業務が遂行されているのか経営者が興味が無い。
インフラと業務ツールは経営者の投資の対象ではなく、劣悪なインフラとバラバラなツールで仕事をしているにもかかわらず、経営者は人ばかり増やす。
このような構図が一般的な中小企業です。
このような中小企業がインフラを整備し、業務ツールを社員が使いやすいようにアップデートすると、
情報流通の土台ができます。
情報流通にも順番があります。
まずは情報を蓄積しないと抽出すべき情報も共有すべき情報も無いということです。
ですから、情報流通でもっとも大切なことは蓄積することです。
すなわち業務改善の大本命は、組織の情報を蓄積する仕組をつくることなのです。
ほとんどの組織は情報共有の段階で問題が起こりますから、情報共有ツールばかりに目が行ってしまします。グループウェアやビジネスチャットなどが共有ツールの代表例です。
ただし、大した情報の蓄積もなく、質も悪い情報が共有されたところで、組織のパフォーマンスは上がりません。
問題は、共有で起きているのでない!蓄積で起きてるのです!
例えば、顧客の家族情報は管理されているでしょうか。
何人家族でお子さんが何歳で、何に興味があるのか。祖父母はどこに住んで居て、所有している家はどうするつもりなのか。
例えば、建物は築何年で構造はなにか。外壁の材質、給湯器の型番や号数、断熱などの居住環境などを情報として蓄積しているか。
建物のメンテナンス履歴や定期点検の記録はデータとして蓄積できているか。
このような顧客や建物情報が自社の重点エリアで沢山蓄積されていれば、
ある一定の条件で情報を抽出できるようになるわけです。
例えば、築30年以上で屋根が瓦で外壁がモルタルの建物。という具合に抽出したら50件ほどの建物がヒットしたら、あなたならどのような提案を頭に思い浮かべますか。
例えば、ビス留めのステンレス瓦と品格のあるサイディングをセットで台風シーズン前にダイレクトメールを送信したら50件の内数件受注できるかも知れない。
このように考えて実際に顧客にお手紙を書いたら受注できるかも知れません。
このように質の良い情報がある一定の母数で蓄積されると、条件抽出によって質の良い意志決定ができるようになるわけです。
意志決定した内容を従業員や顧客に共有すればそれがビジネスになっていくわけです。
このように、情報が蓄積されていれば経営の質が変わります。
根拠のあることを社員にやってもらうことができます。
ですから、業務改善とは、まずは情報を蓄積する仕組をつくり、人が動いたり考えたりしたときに、
情報が蓄積されるように条件付けする、仕組をつくり自然とそのように動いてしまう環境をつくることなのです。
情報が蓄積されれば抽出と共有は難しくありません。
ただ、情報を蓄積しているぐらいなら目先の仕事をどんどん終わらせた方がいい。
といって情報を残さない組織が多いのです。
情報を残すという作業は目の前で解りやすい成果が出ません。
ある一定の母数まで蓄積しないと蓄積している作業が不毛に思えて仕方なくなります。
目先の仕事は終わればなんとなく満足感があるので、情報の蓄積よりも目先の仕事を終わらせることを優先する組織があまりにも多いのです。
その結果が目先のことばかりを終わらせる日々が続き、
成長を実感できない代わり映えのない1年を何十年と繰返してしまうのです。
このスパイラルから抜け出すためには、
情報を蓄積するということを組織的に仕組化し、
働く人に習慣化してもらうことです。
そのためにも、①インフラが快適でなければなりませんし、
②業務ツールが全社的に共通しているものを使い、蓄積される情報に一貫性を持ち、
③蓄積される仕組を構築し、質の良い大量の情報から重要な意志決定ができる情報の抽出と
関係者や顧客に対して有益な情報を共有するという順番で業務を改善する必要があるのです。
①インフラと②業務ツールが無いのに③情報流通をするのはとても難しいのです。
次回は④業務棚卸表と作業標準書について書いていきます。