会社は事業活動によって価値を生み出し、売上と利益を計上することで成り立っているのは言うまでもありませんが、そこには経営者の価値観が反映されています。
よって、経営判断とは経営者の価値観によって意志決定されているわけです。
ですから、経営者がどのような価値感を持っているのかを理解できなければ、従業員は主体的に行動を選ぶことはできません。
つまり、従業員が主体的に行動する職場とは、経営者の価値観を理解できる・体現できる職務環境があるかどうかにかかっているということです。
これは、唱和ができるように誰からも見える位置に理念が額に入って掲示されているというような次元の環境ではありません。
職務環境そのものが、経営の価値観と一体化し、さらにより良く改善するという意志決定が、全ての従業員に許されている環境のことを言います。
理念や価値観を言って聞かせる、暗記させる、ということ以上に大切なことは、実際に理念や価値観に従って行動できる環境が整っているということです。
顧客満足度が大切だと言っている会社が、顧客情報を蓄積するデータベースもない環境で、どうやってお客様の現状や課題を理解し解決することができるのでしょうか。
従業員満足度が重要だと言っている会社が、社員情報の管理も曖昧で、業務ツールはあり合わせのもので、実際にどのようなツールを使って業務を処理しているのかも知らずに、十分な環境を提供できていると思い込んでいる経営者がどれだけ多いことか。
価値観とは、「○○を大切にします!」というスローガンのことではなく、実際に価値観が反映された職務環境があり、価値観を伴う商品やサービスが存在し、そのことを理解した上で職務が遂行されていなければ価値をもたらしません。
価値観が反映されていない職務環境であるならば、従業員それぞれの固有の価値観で職務に当たられても仕方がありません。
経営者は、自分自身と会社が大切にしている価値観を明文化し、従業員に伝えて、職務環境や商品に価値観を反映させる意志決定を従業員に許さなければならないと私は思います。
理解不足で余計なことをして失敗する従業員もいるかも知れません。
余計なことをしやがってと思うこともあるかも知れません。
しかし、その都度価値観について話合い、より良い環境へと改善することをチーム全体で着手していけば、従業員全体に価値観が落とし込まれ、それを反映した職務環境や商品が出来上がってきます。
価値観は理解していれば良いということではなく、価値観に則って自らの意志で誰もが環境にアプローチ可能で、失敗しても良いという権限を与えられなければ、チーム全体には落とし込まれていかないのです。
失敗はするな。
でも主体的に行動しろ。
このような言動はマネージメントのミスで価値観が浸透しない理由だと思います。