ミラクル・ニール! | B級パラダイス

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連休明け、覚悟はしていたけど、企画書仕上げで久々パソコンと一日中にらめっこで、すっかり頭が痛くなってしまった(苦笑)。仕事終わらずで帰宅しても遅くなったのでまたにしようかとも思ったけど、昨夜GYAOで観たこれを紹介!

ミラクル・ニール!2015

Absolutely Anything


監督・脚本:テリー・ジョーンズ    製作:ビル・ジョーンズ、ベン・ティムレット   脚本:ギャビン・スコット   撮影:ピーター・ハナン   美術:ジェームズ・アシュソン   編集:ジュリアン・ロッド   音楽:ジョージ・フェントン

出演:サイモン・ペッグ、ケイト・ベッキンセール、サンジーブ・バスカー、ロブ・リグル、ロバート・バサースト、エディ・イザード、ジョアンナ・ラムレイ、マリアンヌ・オールダム、エマ・ピアソン、ミーラ・サイアル

声の出演:ジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン、ロビン・ウィリアムズ


実はGYAOの紹介画面に犬が写っていたため「どーせ、犬がなんかミラクルな力持つようなコメディなんだろな」と完全にスルーしていたのだが、たまたまチェックしたら、なんと監督がテリー・ジョーンズ!おまけにサイモン・ペッグ主演!ロビン・ウイリアムスに加えてモンティ・パイソンまで出演者に名前はあるじゃないか!と、日曜で配信終了だったので慌てて観た次第(笑)。


思えば、昔から俺の大好物のマカロニ・ウエスタンや怪獣絡みの映画はもう何度も記したし、カンフーものや必殺シリーズに関しても何回か書かせてもらったが、モンティ・パイソンのことだけは未だにしっかり書いたことが無かったんだよなあ。


大学1年の時に劇場で、念願の「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」と「モンティ・パイソン・アンド・ナウ」を観て大感激(笑)。その後も「モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン」も劇場に駆けつけたよなあ。


テレビシリーズこそレンタルビデオで済ませてしまったが、「ホーリー・グレイル」はセルビデオまで買ったものだった。

DVDは上記の3本に加えて「人生狂想曲」と唯一のライブ映像「ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル」、スティーブ・マーティン(そう言えば最近名前を聞かないなあ…)が進行役の「ベスト・オブ・モンティ・パイソン」、亡くなったグレアム・チャップマンが遺灰で参加してる(笑)「イン・アスペン」他ドキュメンタリー2本の入った「モンティ・パイソン・アンソロジー」と一気に揃えたくらいで(笑)。


同じテリー・ジョーンズの「ジャバーウォッキー」や「エリック・ザ・バイキング」、テリー・ギリアムの「バンデッドQ」他傑作の数々やジョン・クリーズの「ワンダとダイヤと優しい奴ら」など、かつて観た彼ら一派の映画は全て手元に置いて置きたいくらい大好きなのだ。


モンティ・パイソンのことは、またいつかゆっくり書こうと思うが、久々のテリー・ジョーンズのこの作品、彼らしい「毒」もまぶしながら軽〜く、いや、かなり笑わせてもらいましたな。


あらすじとしてはこんな感じ。

遥か銀河を目指し打ち上げられた探査機に「地球の奴らいきなり銀河に踏み込んできたな!」とばかりに、エイリアンたちによって地球の即時破壊が検討される。果たして地球人は宇宙デビューするのに値するのか、無作為に選ばれた一人にあらゆる願いが叶う全知全能の力を与え、その人間の行動を見て最終判断が下されることになる。

知らないうちに地球の命運を託されてしまったのが、愛犬デニスと冴えない日々を送る、ダメ教師のニール(サイモン・ペッグ)。突然なんでも自分の願いが叶う力を得たのに、やることなすことロクでもない結果になってばかり。「こいつは自分のことしか考えてないぞ」とエイリアンたちも地球破壊に向けて動き出す。果たして地球の命運はいかに?ってな具合。


そもそも「何でも叶う」この力、正確に願いを言わないと、ロクな結果にならないのが笑えるのだ。


まあ、物欲&煩悩の固まり、しかも怠け者の俺でも同じようなこと願っちゃいそうなのが身につまされるというか何と言うか(笑)。


ただガキの頃から「何でも願いが叶うのなら、その力がいつまでも使えるよう願うぞ!」とか思っていた俺と違って、ニールはダメ人間だけど本質的には優しい良い人間なんで、チマチマと細かいことを願ってしまってはあたふたするのがいいのだ(笑)。


中でも、巨根になれと願うと立ち上がれないくらいになったり(笑)、同僚の教師が神様のように崇められ散々な目にあったり、死体がゾンビのように蘇ったりと、ことごとくとんでもない結果になってばかりなのがほんと可笑しかった(笑)。


ニール、都度「修正」または「取り消し」をするのだが、アパート階下の美女キャサリン(ケイト・ベッキンセール)に恋心を抱きながらも、成り行きとは言え、愛犬のデニス(声はこれが遺作のロビン・ウィリアムズ)を人間語を話せるようにしたばかりに、ゲイだと思われたりと、せっかくの能力が常に裏目に出てしまうのが、情けない顔のサイモン・ペッグの面目躍如で(笑)。


エドガー・ライト監督の「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ」でもそうだったが、彼が焦ったり、色んなことが上手くいかなくてイラついたり、すぐにわかる嘘をついてその場を取り繕ったりする姿はいつも最高なのだ(笑)。


あ、「ワールズ・エンズ」もDVD手に入れてたのにまだ観てなかったな。違う監督だが、サイモンが脚本書いて、彼よりよりもっとダメ人間の相棒ニック・フロストとの「宇宙人ポール」も手元にあるのにまだ観ていなかった!(笑)


それにしてもサイモン・ペッグ、売れっ子になったものだなあ。そんな彼をモンティ・パイソンが起用したことが、ブリティッシュコメディの流れが繋がる感じで、なんか凄く嬉しいのだ。


「ミラクル・ニール!」に話を戻すと、とんでもなく風呂敷が広がる訳でもなく、ある意味こじんまりと(笑)、彼の「ダメ人間だけど人がいい」キャラ通り、ラストでは救われるオチになって、この辺りがテリー・ギリアム監督作とは違うところなんだが、俺としてはもうニコニコするしかない終わり方なのであった。


あ、期待したモンティ・パイソンのメンバーはテリー・ジョーンズがワンシーン出演していた以外はエイリアンたちの声の出演だったのだが、大物監督になってしまったギリアムや、不仲と聞いたエリック・アイドルも参加していたのが俺としては本当に嬉しかったことも付け加えておこう。


因みに吹替では誰がやっていたんだろうなあ。

早世したグレアム・チャップマン同様早くに亡くなられた山田康雄以外も、ジョン・クリーズの納谷悟朗もエリック・アイドルの広川太一郎もマイケル・ペイリンの青野武も既に鬼籍に入られてしまったのが本当に残念でならない。

テリー・ジョーンズの飯塚昭三とテリー・ギリアムの古川登志夫が健在なのが救いだけど、最高なチームの最高な吹き替えが楽しめるモンティDVDは家宝なのだ(笑)。


と言うわけで、サイモン・ペッグファンの皆さんがこれをきっかけにモンティ・パイソンにも興味を持ってくれることを祈りつつオススメします。機会があったら是非!であります!