昨年「君の名は。」を観に行った時は、そーっと観に行こうと思ったのにまだかなり混んでて入場待ちの列が階段にずらり。 列の一番後ろに並ぶには階段を上っていかねばならず、おまけにその日は祝日の金曜。ちょうどレディースデイということもあり、並んでいるのは学生から大人まで殆ど女性。たまに男性がいても若いカップルか、家族で来ているお父さんだけ。おっさん一人なんて俺しかおらず、並んでいる人の「こんなおっさんが一人で観に来るの?」的な視線を浴びながら、かなり恥ずかしい思いをしたものだった。
その想いが少しよぎったものの、我慢できずに先週観てきたのはこれ!
チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~ (2017)
監督:河合勇人 プロデューサー:辻本珠子、下田淳行 脚本:林民夫 撮影:花村也寸志 美術:金勝浩一 編集:瀧田隆一 音楽:やまだ豊 音楽プロデューサー:桑波田景信
出演:広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、柳ゆり菜 村上麗華、健太郎、南乃彩希 、陽月華、木下隆行、安藤玉恵、 緋田康人、きたろう、天海祐希
いやあ、良かった!観たのが21日の月曜祝日、メンズデーの割引を利用したのだが、同じようなおっさんがちらほらといて、昨秋のようなアウェイ感を覚えずに観れて本当に良かった…という安堵感はともかく(笑)、映画も期待以上に良かったのだ。
とにかく爽やか!それに尽きる。
本篇が始まる前の予告編で流れたいくつかの青春映画のような色恋沙汰が中心になることなく、「とんでもない場所まで行ってやる!」と、とにかく前向きに突き進む主人公たちが眩しくてねえ(笑)。
広瀬すずと中条あやみという、いま俺の一番お気に入りの二人が揃い踏み!しかもチアの格好だぜい!という多少邪な気持ちも、正直観る前にはあったのだが(笑)、全編笑えるコメディタッチの中、彼女たちの肢体に目が眩むことなく、本当に楽しく「元気をもらえた」一本だった。
以前仕事でダンスのイベントに関わっていたのだが、それに賭けていた子達を思い出したのも確か。一見チャラく見えるダンサーたちも、本当にダンスが好きで、アスリートに近い鍛え方していたし、「これしかないんだ!」とダンスに全身全霊を傾けている姿を垣間見て、ちょっと感動ものだったのだが、この映画のメンバーにも同じ匂いを嗅ぐことができたからかな。
特にずっと一人でヒップホップを踊っていたが故に協調性に乏しく、しかもチアダンスに必要な笑顔が自然にできない唯(山崎紘菜)が、いつものように夜のショーウィンドウの前で一人で踊っていると、ひかり(広瀬)と彩乃(中条)がやってきて、曲が徐々にジャズになっていく中、言葉も交わさぬまま、3人で踊るところが凄くいいのだ。
これがきっかけでチームに真の結束が生まれていく映画の転換点になるシーンなのだが、やはり「ダンス」というものの特別な魅力が詰まった、グッとくるシーンだった。
ああ、それにしても広瀬すずの可愛さよ!中条あやみの美しさよ!二人を中心としたメンバーが笑い、泣き、汗をかいて、悩みながらも前だけを向いて打ち込む姿には、おっさん、心が洗われましたな。
これが実話をモデルにしているってのも凄いところ。天海祐希の熱血スパルタ顧問も、映画では誇張していたけど、似たような何人かのダンス指導者を思い出したものだった。本当に全力尽くせば見える景色があるってのは事実だもんな。
そう言えば、ダンスイベントを手がけていた当時は、チアダンスってずっと笑顔が張り付いているのが、今ひとつ好きになれなかったんだが、それが必須なんだとは思わなんだ。
あの運動量の中、笑顔を絶やさないのって本当に大変なはず。実際メンバーの中の太っていた子は、体重が減らないよう一生懸命食べていたとのこと。役者陣の頑張りにも拍手ですな。
実は3月の頭にプレゼンに負けた直後に企画書提示だった企画があり、前週の負けを少々引きずってしまい、どうにも23日のプレゼン本番に自信が持てない連休を迎えていたのだ。
このモヤモヤした気分を晴れやかにしたかったけど、キングコングはまだ公開してないやと、迷った末にこれを観に行ってきたのだが、正解だったなあ(笑)
彼女たちに元気をもらって臨んだそのプレゼン、今日無事内定の通知をいただけたのである!
この映画を観に行ったことを知らせた家族には「おとーさんもおっさんになったねえ」と笑われたけど(笑)、広瀬すずと中条あやみたちに感謝しながら、今夜はプレゼン勝ちを祝ってジャックダニエルをひっかけるのであります(笑)。