女必殺拳 危機一発~家族に憚れ映画祭その2 | B級パラダイス

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勢いに乗る「家族で観るには憚れる映画祭」(笑)。昼飯後にチョイスしたのはこれだ!

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女必殺拳 危機一発(1974)

監督:山口和彦 脚本:鈴木則文 掛札昌裕
撮影:中島芳男 美術:中村修一郎 音楽:菊池俊輔
出演:志穂美悦子 光川環世 室田日出男 坂東三千代 倉田保昭 石橋雅史 林大興 山本昌平 安岡力也 

1作目「女必殺拳」の夏の公開から半年、前作のヒットを受け同じ監督、スタッフでのシリーズ第二作。
誘拐された富豪の娘(クラスメート)を探してくれと頼まれ、李紅竜は再び日本へ。
紅竜の姉白蘭は日本に住みジェリーデザイナーをしているが
実はその誘拐事件の黒幕である大曽根興業の社長の愛人となっていて、
さらに事件の背後にはダイヤの密輸が絡んでいたのだ…というストーリーは正直どうでも良い(笑)。

前作同様、菊池俊輔のスコアに乗って展開する、東映特撮ヒーローチックなB級の内容でも
志穂美悦子の美しい姿と、きっちり体を張ったアクションをのみ、ただただ堪能すればいいのだ!

素晴らしい眼の力。輝くような美しいその顔が歪むや否や
「きぇぇーーーーいっ!!」と裂帛の気合いとともに
悦ちゃんが跳ぶ!蹴る!突く!ヌンチャクも棒術もピシリと決まる立ち姿。
もうホント、神懸かってます。その正しい美しさ。

だから一作目で紅竜が必死で探したのに命を落とした
麻薬Gメンだった宮内洋扮する兄のことがまったく出てこず
前作では存在すら触れられていなかった姉白蘭(光川環世)がいきなり出てきたのも良しとしよう(笑)。

外国人ヌードダンサーが不気味なくらい無表情で踊る怪しいクラブで
敵の様子を探る紅竜が花売り少女に変装していて無茶苦茶目立つのに、
見ているこちらが最初から「大丈夫かいなと」肝を冷やすのもいいとしよう(笑)。

前作で死んだはずの石橋雅史、山本昌平など悪役が大挙して
再度別の役で出演している「仁義なき戦い」現象が起こっているのも
まあ、東映だから覚悟しよう(笑)。若き安岡力也や刈谷俊介の無茶な姿も拝めるし。

今回一番気になったのは・・・
そもそも紅竜っては民間人だよねえ・・・1作目もそうだったけど・・・
そんな犯罪がらみの捜査を頼まれていいのか?受けていいのか?
いくら相手が悪い奴でもザコからボスまでそんなに殺しまくっていいのか・・・

ってなことは考えない、考えちゃいけない(笑)

これは志穂美悦子のプロモーション映画のフォーマットを借りて
山口和彦監督と 脚本鈴木則文が悪乗りして作った
映画を壊すアナーキーな実験作だったんだと思おう(笑)。

あ、でも久々観た若き倉田保昭は、惚れぼれするくらい無茶苦茶カッコ良かったなあ。

というわけでアメリカから逆輸入ものをオークションで落としたBOXセットに
まだ3作目「帰ってきた女必殺拳」、4作目「女必殺五段拳」が待っているのが
幸せなんだかよくわかんなくなってきた1作でありました。

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