クロスから以前勧められていて、自分も観てみたいなって思ってそのままだった1本。
先日深夜のTVでやっていて録画しておいたんだが・・・
なんだこりゃ!最高じゃねえか!!(笑)
少年メリケンサック (2008)
脚本・監督:宮藤官九郎
プロデューサー:岡田真、服部紹男 エグゼクティブプロデューサー:黒澤満 音楽:向井秀徳
出演:宮崎あおい,佐藤浩市,木村祐一,田口トモロヲ,三宅弘城,勝地涼,ピエール瀧,ユースケ・サンタマリア
崖っぷち社員宮崎あおいが、新人発掘で見つけた「少年メリケンサック」なるバンドのライブ映像。
これが25年前の映像と知らずに、接触を試みたのが彼女の不幸の始まりだったのだ(笑)
オリジナルメンバーを探しだして再結成した幻のパンクバンド「少年メリケンサック」が
ただのボロボロのおっさんの集まりだとわかるのだが、
会社は先行してプロモーション展開して、ツアーチケットまで売り出しちゃっている。
もう後には引けない。さあ、どうする!?
・・・と、映画は彼女自身と、おっさんたちとの再生のドラマとなっていくんだが、
もうね、幻のパンクバンド「少年メリケンサック」の若い頃もいいんだが、そのなれの果て(笑)、
50近いおっさんになってるメンバー、佐藤浩市、木村祐一、田口トモロヲ、三宅弘城が最高なのよ!
絶対近づきたくないタイプの連中ばかりなのに(笑)なんて愛おしいんだ!
凶悪な面構えと俺様イズムがピッタリの佐藤浩市、何考えてるのかさっぱり読めない表情の木村祐一、
でもって三宅弘城の一途なバカさ加減、最初車椅子で登場するボーカル田口トモロヲには笑ったわー。
その障害者生活を余儀なくされた原因にも(笑)
なんちゅうか、不器用通り越して、ほとんど存在そのものが犯罪のようなこいつらの
それでも「バンド」にかけていく様が、なんか愛しくてたまらんのです。
でもって、この映画でそれ以上に愛おしいのが・・・宮崎あおいなのだ!!
正直に告白すると、俺にとっての宮崎あおいは、
名前で、綾瀬はるか、長澤まさみの漢字名字+ひらがな名前組と混同しやすく(さすがにもうないが)、
ルックスでは榮倉奈々と相武紗季との見分けが非常に困難であったが
もうこの作品でメロメロ(笑)。物凄くキュートじゃんかよぉ、宮崎あおい、しっかり覚えたぞ!
篤姫をまったく観てなかったので余計に存在認識が薄かったのだが
この映画があれと同時期に撮られていたとは驚きだ。
もう彼女が前述のロクデナシオヤジどもに酒臭い息は吐かれるわ、糞を顔面に投げつけられるわ
屁はこかれるわ、置いてけぼりは食らうわと翻弄されまくり
浮かれては落とされ、怒っては泣かされ、逃げては酔っぱらう彼女の表情観てるだけで
もう何だか幸せになってしまうのだった(笑)
ツアーの車中で、嫌がらせのように合唱される宮崎あおいの彼氏の曲のくだりなんて
おっさんたちの極悪さと相俟って堪んなかったな(笑)。
クドカンの台詞はさすがのテンポで、さりげなく遠藤ミチロウやらアナーキーの仲野茂やら出てきて
グループ魂もやってる彼のパンク好き、リスペクト加減も良い方に作用したように思う。
だからといって映画として完成度が高いわけじゃないんだが、何はともあれ宮崎あおいだ(笑)。
彼女の魅力で一気に駆け抜けた映画になってたと思う。
こんなコメディエンヌぶりもOKだとは思わなかった。迂闊だったなあ。
観ながらダビングしちゃったもんね。いつでも何度も観れちゃうのだ。
というわけで、すべてのロクデナシおっさんロッカーにも薦めたい1本であります(笑)。