実は観てなかったアノ映画をそーっと観ておこうプロジェクト・・・第何弾だっけ(笑)
とにかく自分の中では要チェック映画だったこいつ、中古DVDだけど手に入れてしまいました(笑)

テキサス・チェーンソー THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE (2003 アメリカ)
監督: マーカス・ニスペル 製作: マイケル・ベイ 、 マイク・フレイス 脚本: スコット・コーサー
出演: ジェシカ・ビール、エリック・バルフォー、 ジョナサン・タッカー、 エリカ・リーセン
マイク・ヴォーゲル、 アンドリュー・ブリニアースキー、 R・リー・アーメイ
ホラー映画ファンはご存知の通り1974年のトビー・フーパー監督の「悪魔のいけにえ」のリメイク。
原題は同じく「テキサスチェーンソー大虐殺」であります。
「いけにえ」がエド・ゲインの事件にインスパイアされたのは有名な話ですが
フーパーはそれを殺人一家の異常な設定に置き換え、
不快指数いっぱいまで温度が上がりきった暑さの中、
殺人一家に嬲り殺しにされる若者達の一日を
肉の腐敗臭まで臭ってきそうな神経症ギリギリの画面作りと
絶叫とチェーンソーの音がいつまでも耳に残る異様な迫力で描いた傑作でした。
もちろん殺人鬼レザーフェイスの圧倒的な不気味さもさることながら
映画全体ではそんなに血が流れないものの
16mmからブローアップしたザラついた画面がドキュメントっぽく見えるせいか
嫌ぁーなギリギリ感が全体を包んでる「怖ろしく不快な」映画でもあると同時に
迫力ありすぎて「妙に可笑しい・・・」というのもまた事実の忘れられない1本であります。
そんな印象を持った74年版と比べてのこのリメイク、一言で言えば「暑くない」(笑)
途中で雨が降ったっていうだけじゃなく不快感、ギリギリ感が少ないんですよねえ。
冒頭の巻き込まれることになる自殺シーンや、その後のR.アーメイ扮する保安官との
イライラする異常なやり取りや、レザーフェイスいきなり登場シーンも
前作にもあった大きな肉フックに生きたまま刺されちゃうシーンなど結構イイのも多いのだけど
後半はついにレザーフェイスがチェーンソー持って追いかけてくるとこなんか
結構怖いはずなんだけど、J.ピールが思ったよりきちんと反撃に出たせいもあり、
なんか他のホラー映画と同じように見えちゃって・・・。
殺人一家の構成が変わっちゃってたのも残念。
レザーフェイスは前作に負けないくらいのド迫力でOKだったんですが
あのトンカチミイラ爺の代わりに今回は両車椅子セクハラ爺ってのが惜しい。
ドライブインの婆様は性格悪そうで良かったけど
誰だ君ら?っていうトレイラーハウスの女性二人が加わった割には・・・
前回の見るからに「嫌だなあ」っていう異常さが垣間見えた既知外長男が
今回は一見まとも?なR.アーメイの保安官ってのだけは大幅パワーアップでしたな(笑)
今回のR.アーメイの保安官は「こういう人テキサスにはいそうだなあ」っていう
若者に偏見持った頑迷保安官。でも実はイッチャってる一家の一味だった・・・
っていう違う意味で「怖さ倍増」の設定ではでありました。
権力持ってる奴が殺人狂ってのは性質悪いっすよねえ(苦笑)
74年版を「事実」として進む語り口は結構良かったし
(これがあるからこそ「ビギニング」も作れたんでしょね)
全体的には出来栄え悪くないし、そこそこ怖くてドキドキもするんだけど
74年版の「ホッとはするけどちっとも救われない」ラストと比べると
今回はJ.ピールの勝利、という明確な「カタルシス」が用意されてるのが
「悪魔のいけにえ」じゃねえじゃん!ってつい思ってしまうのです。
殺人一家の住処の嫌ぁーな感じってのも前作に及ばず。
「クライモリ」のマウンテンマンの住処の方がもっと嫌だったなあ(笑)
「いけにえ」リメイクじゃなかったら良かったのになあって正直思いました。
ビギニングはどうなんでしょうねえ。今度は借りて観ましょうかねえ(笑)