懐かシネマ vol.3「続 荒野の用心棒」 | B級パラダイス

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続・荒野の用心棒?(1966)  DJANGO  
 
監督:  セルジオ・コルブッチ  
脚本:  フランコ・ロゼッティ 、ホセ・G・マエッソ  、 ピエロ・ヴィヴァレッリ  
音楽:  ルイス・エンリケス・バカロフ  
出演:  フランコ・ネロ、ロレダナ・ヌシアック、ホセ・ボダロ、 
     アンジェル・アルバレス  エドゥアルド・ファヤルド
ここ数日間で中古屋で買ったり、クライアントで中国武術習ってる方が貸してくれたりで
ホラー系、カンフー系のDVDがやたら手元に増えてどれから見ようかとウヒウヒしてたのに
昨日静岡へ買い物に行って入ったタワーレコードでこいつを発見!
狙ってた日本語吹き替えまで入ったニューリマスター版じゃないですか!!
久々定価で新品買いました(笑)
 
初めて観たのは小学6年だったか中学1年の夏だったか・・・
故荻昌弘さんが解説をしてたTBS系の夜9時からの「月曜ロードショー」枠。
前の週にイーストウッドの「荒野の用心棒」が放映され、翌週がこれだったのです。
 
黒澤映画の翻案(パクリ?)として、ストーリーの面白さと
飄々としたある意味ストイックなイーストウッドのカッコ良さに圧倒された「荒野の用心棒」。
一発で「マカロニウエスタン」なるものにグググっと嵌った翌週のこの「続」編は
冒頭の哀愁の名曲「さすらいのジャンゴ」をバックに
延々と泥の中、棺桶を引きずり歩くジャンゴ=フランコ・ネロの
黒いシルエットからしてなんとまあ異様な・・・暗く、寒々しい雰囲気だったことか!
 
メキシコ人一党をたきつけて金を強奪する悪党ぶりもあって
イーストウッドの「名無し」以上にジャンゴは用心棒というよりただの無法者。
演じるネロの暗い表情、鞭で打たれるマリア、赤い布の頭巾、けばけばしい酒場女、
他に住民のいないぬかるんだ町、底なし沼、神父の耳削ぎ、両手潰しのリンチ
・・・どれもこれも残酷さと暗さを纏っていて当時は観ていて落ち着かなかったのを覚えてます。
 
でも棺桶の中の機関銃が炸裂する中盤や
恋人の墓にトリガーをひっかけ、潰れた両手で最後のファニングを決めるラストまで
惚れ惚れするほどの「カッコ良さ」を見せつけてくれ、KOされたものでした。
 
「コレハ先週ノト全然違ウ・・・!」なんだろうねえ・・・
明るく「イイ子」だった俺の中のドロドロっとした暗さが共鳴したのか・・・(笑)
「ジャンゴ」という名前は、俺の中でその時から「特別なもの」になっていったのです。
 
その後「ジャンゴ」と名のつく映画があるとチェックしては
棺桶がでない!フランコ・ネロじゃない!とがっかりしつつも楽しみ(笑)
「ジャンゴ」みたいな奴に会いたくて数ある「用心棒」「ガンマン」「無頼」「一匹狼」を
「荒野」や「夕陽」の中に「さすらい」捜し求め
そうこうしてるうちに「荒野の用心棒」が特別で
こうしたいくつもの「ジャンゴもどき」の方がマカロニには多いのだと気づく頃には
その楽しみ方を覚えてしまっていたものでした(笑)
 
前にも書いたけどレコード屋でシングルで買った主題曲は
TV放映版と違ってイタリア語で、カタカナで自分で歌詞を書いて歌っていたっけ(笑)。
(今回のDVDで両方聞けるのも嬉しかったなあ)
密かに恋心抱いてた同級生にひょんなことから映画音楽コンピテープを貸した際に
裏面に入ってた「さすらいのジャンゴ」がカッコ良かった!って返事とともに戻ってきた時は
いっそうその子のことが好きになったものです・・・(笑)
 
今回見直してみると、「恋人は死んだ」とか「もう疲れた。関係ない」とか言いながら
意外とジャンゴは良くしゃべってて(笑)
頼るマリアを突き放したり、必要だと言ってみたりと、しっかりと生々しい男をやってましたな。
 
そう、今回久々に再見してジャンゴとマリア二人が互いを必要だと感じ、
過去を清算して二人で人生をやり直そうとする二人の「ラブ・ストーリー」の枠組みが
良く見えたのが新発見でもありました。(ちと「ガルシアの首」思い出しましたが)
 
中学の時は「亡くなった恋人の復讐」としか見えてなかった最後の勝負も
随分印象が変わって見えました。
撃たれたマリアはそのまま生きているのか、二人の行く末がどうなるかはわからないけれど
決闘を終えたジャンゴがよろよろと墓地から丘を上がっていくその姿は
まさに棺桶に過去を封印して二人の新しい生活のために再生した…
というイメージを今まで以上に強く感じましたなあ。
まあ、昔見たときは単純にマリアの存在が見えてなかっただけなんだけどさ(笑)
 
こちらが大人になった分、それらが見えるようになったのは
当時は全く好きではなかったマリア役ロレダナ・ヌシアックの顔が
この年になって、やたら好みになってしまってたせいかもしれません(笑)。

何はともあれ、好きになる箇所が30年以上たってもまだ増えるなんて
やっぱ「Django」最高っす!!(笑)