静岡県民サッカー苦手ワースト100に絶対入る自信がある私だが、さすがに昨夜はカメルーン戦を観戦。
でもビール飲みながら観たせいか、前半1点入れて勝っていたので安心し
後半途中で睡魔に襲われ撃沈、朝まで床で寝ていたぜ!なんて話を会社でしたら
「日本の試合なのに途中で寝るなんて信じられない」という顔をされてしまった。
いやほんと、静岡県民でサッカーに熱心でないと、自転車乗れない中国人並みに肩身が狭いんだよな。
で、サッカー好きな連中によると「つまんないが見入ってしまう」「いかにも日本らしい試合だった」
ということであるのだが、土曜に観たジェンマ三昧3本目もまさにそんな感じ。
「ダメな映画なのに見入ってしまう」「いかにもマカロニウエスタン」な一本だったのである!
南から来た用心棒 (1966) 日本公開 1967/04/
ARIZONA COLT(THE MAN FROM NOWHERE・IL PISTOLERO DI ARIZONA)
監督:ミケーレ・ルーポ 脚本:エルネスト・ガスタルディ ルチアーノ・マルチーノ
撮影:グリエルモ・マンコーリ 音楽:フランチェスコ・デ・マージ
出演:ジュリアーノ・ジェンマ、コリンヌ・マルシャン、フェルナンド・サンチョ、
ロベルト・カマルディエル、ロザルバ・ネリ、ネロ・パッツァフィーニ
メキシコ山賊ゴルド一味が「子分を増やすため」というとんでもない理由で刑務所を襲い、
脱走させた囚人たちを脅して仲間にするが、その中の一人アリゾナ・コルトだけは従わない。
凄腕のガンマンであるアリゾナはゴルド一味を手玉にとり両者は対立、アリゾナは町に向かう。
その町の銀行を狙うゴルドは手下ケイを堅気に変装させ先発隊として送り込む。
町の男たちが牛を売りに出かけ、男手が少ない時に襲おうという魂胆なのだ。
結局ゴルド一味は銀行を襲い、ケイは一味の証拠である腕の烙印を見られた酒場の娘を殺し逃走。
加えて牛を売って帰る町の男たちをもゴルドーは待ち伏せして皆殺しとやり放題の悪事三昧。
殺された娘の親と姉から殺人犯ケイの確保を依頼されたアリゾナはゴルド一味を追う。
なんとかケイを仕留めたアリゾナだが、ゴルドに両手両足を撃ち抜かれてしまう。
その後ゴルドの一味だがアリゾナに味方するウイスキーは彼を救い強奪した金をも奪い、町に戻る。
アリゾナは、密かに傷を治すが、町の人々から反感を買った二人は、町から追い出される。
金を失い、怒り心頭のゴルドは再び町に舞い戻り襲撃、暴れるだけ暴れまくる。
町に戻ったアリゾナ。包帯の巻かれたアリゾナの両手を再び撃ち、勝ち誇るゴルド。
しかし包帯の手はダミーだったのだ!ジャケットの下から本物の手が出てきてアリゾナが逆襲する。
棺桶屋に逃げたゴルドをアリゾナが追う。両手両足を打ち抜かれたゴルドは、棺桶に倒れ込み
ご丁寧に蓋まで閉まってお陀仏(笑)。町に平和が訪れ、アリゾナはまた旅立つのだった・・・
とまあ、ネタバレ含めても誰も文句言いそうにないストーリーに、レオーネほど拘りもない絵作り。
肝心のジェンマはなかなか銃を撃たず、捻りといえばダミーの両手を使った「ファントマ戦法」のみ。
タイトルロールの主人公ジェンマの名前も「アリゾナ・コルト」って・・・なんか安直だし
冒頭のデ・マージの作曲&ラオールが歌う、大らか且つ哀愁の主題歌は素晴らしいが、
それ以外は正直あまり褒めるところの無い一本だったりするのだ(苦笑)。
でもジェンマのマカロニウエスタンと言えばこれを想い出してしまうのは
多分にフェルナンド・サンチョ演じるところの無茶苦茶なゴルドとその一味のツラに尽きると思う。
中央の太っちょ&モジャ頭がフェルナンド・サンチョ。一度や二度は観たことあるでしょ?
吹替えだったら滝口順平か富田耕生で決まりっていう暴れん坊デブなのだ。
とにかく冒頭の囚人を子分にする時も「明日で出所だったのに」と泣きを入れた奴をいきなり撃つわ
銀行襲う時も「おまえ一番背が高いから」ってだけで殺すなどなど、やることなすこと無茶苦茶。
ガハハハと笑いながらとにかく撃ちまくる。変に愛嬌はあるが返って始末におえないのも確かだ。
文字通り必要以上の極悪非道の虐殺ぶりが凄過ぎて思わず笑ってしまうくらいなのだ。
おまけに写真左端の男!この歯並び悪い顔の歪んだ男は「夕陽のガンマン」にも出てたぞ。
こんな忘れられない強烈な顔の野郎どもがウジャウジャ出ているってだけでマカロニっぽいのだ。
で、こいつがケイを演じたネロ・パッツァフィーニ。ジェンマと絡むことが非常に多い彼だが、
お、こりゃ同じ人だってすぐ気づけるくらい濃~い顔をしております。
二つ前の記事の「続さすらいの一匹狼」でもジェンマを陥れる犯人を演じていたのもコイツだ!
ついでにサンチョは前の記事の「続・荒野の1ドル銀貨」で悪徳兄弟の兄役やっていたが
こうしたギトギトに油ぎった安い顔の悪役も、何度も観てると愛着が湧くのが不思議である。
このサンチョやネロなどがマカロニ文法レオーネ活用で、やたらと下卑た笑い顔がアップになるんで
非常にわかりやすい「マカロニウエスタン」であるのは間違いないのである。
ただ、ジェンマの主演作の中では彼自身が「撃たなさ過ぎるグランプリ」のかなり上位に入る・・・
というのが大きな失点。その分ゴルド=サンチョが基地外みたいに撃ちまくるんだけどね(笑)。
とまあ、ワールドカップの事より「ダメだけど愛すべきマカロニ」のことを何倍も書きたかったので、土曜に観た分を全て書けてすっきりなのだ。
しかしなんだ、2010年になろうというのに、年男だっていうのに
中学の時好きだったこいつらが今でも大好きってのもいーんだか悪いんだか・・・
ま、いいか(笑)