荒野の無頼漢 | B級パラダイス

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荒野の無頼漢
TESTA T'AMMAZZO, CROCE...SEI MORTO...MI CHIAMANO A'LLELUJA (1970)

監督:アンソニー・アスコット 脚本:ティト・カルピ  音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:ジョージ・ヒルトン,チャールズ・サウスウッド,アガタ・フローリ,ロベルト・カマルディエル

あー馬鹿だ(笑)。馬鹿だけど滅法面白かった!以上!
で、済ませられるくらいのすっとこどっこいマカロニウエウタンの代表作だ。

舞台は革命前夜、動乱のメキシコ。皇帝の圧政に叛逆する革命の火の手が上がる中
皇帝が革命軍に対抗する新型兵器の購入を目論む。その資金に充てるのはバッグに入った宝石。
革命軍のラミレス将軍は新兵器を政府に渡さないために
悪徳武器商人クランツの元へ、凄腕の一匹狼アレルヤを向かわせるのだが
彼の前には同じく宝石を狙う僧服を着た謎の一味やら、美人で色っぽい尼僧やら
自称ロシアの皇太子など怪しくも楽しいキャラが次から次へと現れて
この宝石を巡って三つ巴、四つ巴のハチャメチャ大争奪戦となっていく・・・
と、まあマカロニウエスタンブーム終焉に出てきたコメディタッチの1作なのだ。

飄々として、腕も確か、黒づくめのスーツにロングコートの主人公アレルヤ(ジョージ・ヒルトン)は
カッコいいんだが、肩の力が抜けてすっとぼけていていいんだな、これが。

冒頭ラミレス将軍救出後も助けた将軍率いる革命軍が政府軍とドンパチしていても、
将軍にずっとくっついて、加勢するでもなく自分の仕事の契約交渉していたり
僧服を着ているが実は悪党の一味には文字通り煙に巻いて宝石奪ったり
食事に下剤混ぜ、ご丁寧にトイレの行き先の張り紙まで用意(笑)。
おかげで敵は撃ち合いどころじゃなくほとんど途中でトイレに駆け込んじゃうしと
腕は確かで、実際強いのにまったく強さを感じない主人公&殺伐さ皆無の世界は
前にマカロニ友達が「ルパン三世」みたいだよって評していたけど、大納得(笑)。

下のジャケット写真左下に写ってる色っぽい尼さん(実はスパイのアガタ・フローリ)
のちゃっかり具合なんてまるで峰不二子だったし。
尼僧姿のままガーターの下に隠した通信機を取り出す太股露わのこのシーン最高だったなあ(笑)。

さらにバラライカ演奏しながら登場するロシアの皇太子とかアレクセイ公爵とか名乗るロシア人も傑作。
実はただの泥棒なんだが、主人公と「ヤンキー」「露助」と罵りあいながら協力するとこなんかいい感じ。
水攻め拷問のあと急に立ち上がって、コサックダンス踊り出した時にはどーなるのかと思った(笑)
そもそもの革命軍将軍も「人民のため」とか言う割には山賊と変わらぬ胡散臭さ・・・と
主人公アレルヤ以外も登場するキャラがヘンテコで面白いのなんの。
チプリアーニの呑気で華麗なメロディに乗ってのハチャメチャ争奪戦をぼーっと観ているうちに
あっという間に観終わってしまったのだった(笑)。

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冒頭とラストにアレルヤが使用する武器が、マカロニ珍銃ベスト3に必ずランクインする
かの有名なミシン型機関銃「ミシンガン」! ね、ミシンでしょ?(笑)

ロシア皇太子はが持ってるバラライカにはショットガン?が仕込まれてるしと小道具もキッチュ。
情念と復讐のマカロニウエスタンが好きな方には勧めないけど
とにかく堅いこと抜きで酒飲みながら深夜にヘラヘラ観るには最適な1本であるぞ!とお勧めしておきます。
いやーマカロニウエスタン、やっぱ奥深いわ(笑)。