ゴーストライターの明暗の悲哀「ファントム・オブ・パラダイス」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

映画における音楽の重要性は、音の取り扱いで映画の印象が変わり、それが
後々人々の記憶に残るのが、旋律とシーンで伝えられるだけに、名を残す映画
には音楽の影響が相当に大きい・・・。
そんなことから紐解くと、昨今話題だったゴースト・ライター問題がもろだった
映画と当事者の二人の動向も、興味がそそられるものだ。

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ゴーストライター騒動から約1年、渦中の2人の明暗ははっきり分かれた。テレビ
やイベントでスポットライトを浴びる新垣隆氏(44)。一方、すっかり忘れ去ら
れた佐村河内守氏(51)は今──。

「このままでは絶対に終わらせない」

新垣隆氏の活躍ぶりを“耳にした”佐村河内氏は親しい関係者の前でこうツブや
いたという。
抗心をにじませるのも無理はない。かつてゴーストライターとして作曲を依頼し
ていた新垣氏は、今や超が付く売れっ子となったからだ。

イベント関係者が語る。

「新垣さんはギャラにうるさくない。事務所に所属せず、実のお兄さんがマネー
ジャー的な役割を担っているのですが、どんなオファーでもスケジュールの都合さ
えつけば言い値で受けてくれる。マネージャーといっても弟と同じく、頼まれたら
断れない性格だから仕事がバンバン舞い込む」

現在ではイベント1回の出演で20万円以上のギャラを稼ぎ出す。

「バラエティ番組の出演料を合わせれば、年収は2000万円に届く勢いです」(イベ
ント関係者)一方の佐村河内氏は苦境が続いている。

芸能記者が明かす。

「コンサート会社に約6100万円の損害賠償を請求され、横浜市内に保有していたマ
ンションが差し押さえられた。頼りにしていた楽曲の印税も、JASRACに支払いを凍
結されて、ほぼ無収入の状態。働きにも出られず、貯蓄を切り崩す生活だそうです」
仕事をえり好みしない新垣氏に対し、佐村河内氏にはなかなか表舞台に出られない
事情があった。
「昨年の秋以降、フジテレビ系の制作会社が囲っていて、高額な出演料を提示して他
のメディアを寄せつけないようにしていた」(芸能記者)
満を持して昨年12月21日に放送された「今年のニュースの決定版!2014」(フジテ
レビ系)で約9カ月ぶりにテレビ出演した佐村河内氏。新垣氏について聞かれると、
「彼は悪い仲間ですけどね‥‥はい」
と、“共犯者”であることを強調したのだ。だが、世間の注目度は低かった。
視聴率は期待していたほど伸びず、新垣さんとは対照的に数字も“持っていない”
ことが露呈した。そのため佐村河内氏に張り付いていたスタッフが距離を置き始めた」
(芸能記者)
人気、収入面、視聴率でも水をあけられた佐村河内氏だが、水面下では「復活プラン
」が進行している。
「複数の芸能プロが接触していると聞いています」
こう証言する中堅芸能プロの幹部が、佐村河内氏のタレント性について力説する。
「10年以上にわたり難聴を演じてきた役者魂をこのまま腐らせるのは惜しい。“現代
のベートーベン”と自分を売り出したプロデュース能力も大きな武器。今はどこのテ
レビ局もドラマで数字が取れない。ドラマデビューとなれば、宣伝効果は計り知れ
ない」生活のため、そして新垣氏を見返すために、俳優に転向する可能性は十分に
考えられる。
「佐村河内さんの顧問弁護士を通じて正式にオファーしました」
 打ち明けるのは、かつて小室哲哉のマネージメントを手がけた芸能事務所「イー
ミュージック」の笹原雄一社長。
「抜群の演技力だけでなく音楽の才能も生かせるように、ミュージカル俳優に挑戦
させたい。そんな狙いもあって、ミュージカルの舞台で使う楽曲の制作を依頼しま
した」
佐村河内氏に俳優転向の意思を確認するべく、自宅を直撃したが、呼び鈴を押して
も応答はなかった。
高校生の時には役者を目指していたと聞いているので前向きに検討してくれるはず
」(笹原氏)本人の耳にラブコールは届くのか。

http://www.asagei.com/excerpt/33396



佐村河内守氏(51)のゴーストライターであることを暴露してから約1年。あの元ゴ
ーストライター・新垣隆さん(44)がバカ売れしている。テレビ出演の依頼が引き
も切らないのだが、その際、ある“注文”が局から出されていて‥‥。
新垣さんが絶好調である。それは昨年12月の関東キー局のテレビ出演が17回にも上
ることを見れば明らかだ。

活躍を振り返ろう。

年末のレコード大賞では因縁のある佐村河内氏のマネをして会場を沸かせた。また
「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 大晦日年越しSP」(日本テレビ)
では、巨大なクワガタムシに鼻を挟まれたり、服の中で風船を破裂させたりして
いる。共演した山崎邦正など本家リアクション芸人を食うほどの暴れぶりだったの
である。
タレントがもともと持っている視聴率を「潜在視聴率」と呼ぶのだが、番組制作者
はこの数字をキャスティングの参考とする。新垣さんがテレビ業界で重宝される理
由を、大手広告代理店社員が語る。
「彼の潜在視聴率は、8.6%と言われています。これは天海祐希や松下奈緒クラスの
数字です。また文化人枠なのでギャラが格安。1時間で5万~10万円というのが今の
価格です」
こんなこともあって「あのゴーストライター」から「時の人」へと変貌を遂げた新垣
さん。番組制作スタッフが語る。
「とても素直で何か言われても『ハイ! わかりました!』と答えます。指示が2つ
飛んでくるとパニックになり右往左往してグルグル回っちゃうことも。それがまたお
もしろく、収録している現場の雰囲気もよくなりますね」
新垣さんには現在でも出演依頼が殺到している。民放は全局オファーを出しており、
どれも看板のバラエティ番組だという。それは以下のようなラインナップだ。
日本テレビ「24時間テレビ」TBS「アッコにおまかせ!」(ゲスト)
ジテレビ「めちゃイケ」(レギュラー)テレビ朝日「ロンドンハーツ」(ゲスト)
テレビ東京「バスの旅」(ゲスト)
「24時間テレビ」に至っては、マラソンランナーでの出演依頼という噂もあるという。
偽装の片棒を担いでいたという過去の傷も、もはや「元」ということになるような
勢いだ。しかし、そもそも芸術家である本人は神経の細いところがあり、バラエテ
ィ番組への出演がストレスになっているという。そのためかどうか、体の一部が
“削られて”いたようなのだ。番組制作スタッフが驚くべき舞台裏を明かす。
「あるプロデューサーが『これからテレビに多く出るのなら、もう少し髪の毛に気
を遣ってください』と指示しました。新垣さんは髪形のことだと思っていたようで
した。しかし、プロデューサーが気にしていたのは髪の毛の“量”。どんどん薄く
なっていっているんです。薄毛で痩せていると貧相に映るので『もう少し髪の毛の
ボリュームを増やすようにしたほうがいいと思いますよ』と言ったのです」
思わぬ緊急増毛指令に本人は、小さい声で「はい‥‥」とつぶやいたという。
一方、新垣さんを名誉毀損で訴えると意気込んでいた佐村河内氏は、騒動によるツ
アー中止で昨年11月、ツアーの企画会社から6100万円の訴訟を起こされた。また、
1月には日本音楽著作権協会(JASRAC)が佐村河内氏との著作権受託契約を解除し
たと発表。踏んだり蹴ったりの状況だ。
そんな“元相方”を尻目に新垣さんは「本業」のほうでも活躍している。1月には自
分の名前による初CDを発売。3月26日の宮城を皮切りに全国10カ所以上でツアーも
行う予定だ。髪の毛以外は順調なようである。

http://www.asagei.com/excerpt/32400
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「桜、ふたたびの加奈子」ほど、この問題をモロに被ったものも珍しい。
なにより宣伝文句が「現代のベートベン」と音楽の誇張文句でのものが、問題発
覚で公開後の販売になんともな・・・。
もっとも公開もコケたしな映画だったが、今更ながらに見返してみると配役を変
えれば音楽の荘厳で暗さのある旋律は、映画の内容を印象的にしていると取れる
出来の物・・・。再生の物語にはあっている音楽だったのではと改めて思える。

それにしてもこのゴースト・ライター騒動も、実際は「パクリ」とうも入れれば
音楽の世界では数多な楽曲でありそうで、誰が作ろうが聴くものにとっては、そ
れは問題ではない気もする。
そんなゴースト・ライター騒動をモロにした内容の映画といえば、「ファントム・
オブ・パラダイス」なんてのが浮かんでくる。



>https://www.youtube.com/watch?v=2n5qVJEg3qA
「ファントム・オブ・パラダイス」 七十五年公開作

名の売れていていない作曲家が、売り込みと同時にオーデションで一目ぼれした
女性への好意でもって曲を作り、それを有名プロデューサーの眼に留まり、曲は
一躍大衆受けして、ただ主人公はプロデューサーのゴーストライターとしての扱
いで、罠にはまって犯罪者として警察に捕まってしまうが、自分の曲なのにの思
いが脱走を手助けして、そしてもともと「オペラ座の怪人」がベースにあるから、
脱走してこの「パラダイス劇場」に身を潜めて、プロデューサーに掛け合い、一
目ほれの女性への強力な押しをして、歌っているグループジューシィー・フルー
ツからの変更も約束させるが、次に出てきたのがオカマ歌手とかで、主人公の憤
りが頂点に達して、レコード会社の破壊を目指してなのに、ここでも失敗してし
まい顔をプレス機で潰されてしまう。
その醜い顔を仮面で隠して、その怨念で公演の事故を誘発させて、劇場を混乱の
極みに導き、悪徳プロデューサーの退治と共に、一目ぼれの譲せいへの気持ちも、
相手に理解されるが、その時は自分の命運も尽きてしまうという悲劇的な結末。
古典的なものを当時のロック感覚に置き換えてのものだが、このゴースト・ライ
ターうんたらの点は、音楽に留まらず「パクリ」と著作権の騒動は今でも争われる
事柄で、その点は古さを感じられない作品と相成る。
ここで悪徳プロデューサー役をやっていたのがポール・ウィリアムスでジュシー・
フルーツのボーカル・・・。
体の小さいのにコンプレックスでも抱いているのか、どこか捻くれたキャラが良く
あっていて、小憎らしい役柄を好演していた。
にしてもゴースト・ライターから曲を奪って、自分のものとする役柄には苦笑い
しての気持ちもあったのではないのか、となかなかな曲の作曲家として認知して
いたから、この役柄には見ていて「よくやるなぁ」と関心してしまった。




代表的にものはこのものだが、作詞のコンビの懐古的な詩にあった曲調を当ては
めて印象的な曲に仕上がっていた。
何より演奏しているのが「スリー・ドッグ・ナイト」とダンヒル・レコードのバ
ンドで、ここに所属したバンドは、皆小気味よいロックポップスの特徴があった。



更に「カーペンターズ」にも楽曲提供しているが、やはりというか懐古的な作風
はここでもカレンの歌声にあったものであった・・・。

日本でのゴースト・ライター騒動後の新垣氏のキャラがなんともで、日本のテレビ
・メディアはその点を流石に底意地悪さ全開で芸人扱いなのだから、やはりアメリ
カの音楽に対する考え方とは相当にずれがありそうで、日本メディアの資質の劣化
は、こんなところでも滲んでいるのは「テレビ・メディアの凋落」の一端がありそ
うだ。



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                といったところで、またのお越しを・・・。