核抑止力も無力な人間以外の反戦意識「昆虫大戦争」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

昆虫

日本の夏、八月の「恒例」は先の大戦による「原爆被害」の「慰霊」と平行して、マスコミ

が作り上げたい「世紀の蛮行」としての戦争、それだけに「原爆」を落としたアメリカより

は、日本兵の残虐性とかを強調して・・・。

そこに登場するのは、被害者としての「惨状」を伝え次ぐ「漫画」と、異例の参加をした

当のアメリカの大使出席に対する、「戦争を早く終わらせた」という詭弁で正当化する

人々と・・・。


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「戦後65年特別企画」。10日はマンガ「はだしのゲン」の世界だ。赤江珠緒キャスター

が言う。「みなさん覚えてますか。『はだしのゲン』はわたしたちの戦争観、とりわけ

原爆についての見方にあたえた影響は計り知れません」
「はだしのゲン」は学校の図書室にも置かれた唯一のマンガだった。戦争を知らない

世代には、あまりにも悲惨な物語だったが、作者の中沢啓治さん(71)の実体験から

出たものだ。その広島で赤江が中沢さんに聞いた。
「原爆に触れるのが嫌だった。(慰霊の日)8時15分が迫ると気分が重い。逃げ回っ

た姿が蘇る」 中沢さんは平和記念式典に出たことはない。
「きれいごとのメッセージじゃなくて、もっと怒らないといけないんだよ。あの戦争を起

こした責任を絶対に許さんぞって」
6歳、小学1年だった。神崎小は爆心地から1キロの距離だ。そのとき、学校の前で

同級生の母親と話していた。閃光とともにその母親は熱線で焼かれ、電車道まで吹

き飛ばされた。「真っ黒なんですよ。衣服はボロボロ」
中沢さんは校門のカベで守られたのだった。
家に向かって駆け出した中沢さんが見たものは、焼けただれた皮膚が垂れ下がり、

ガラス片が顔にささったまま歩き回る人たちだった。避難所には母親だけがいた。

父と姉、弟はつぶれた家に挟まれ、そのまま火が回った。
これらはそのまま「はだしのゲン」に描かれている。登場人物の名前もそのままだ。
しかし終戦の瞬間はない。
「ラジオもないし……。日本は負けたよという話が伝わって来た。8月15日の記憶は

ない」生きるのに必死だった。
のちになって、手塚治虫のマンガ「新宝島」を持ってる人がいた。これをキッカケに

マンガを読むようになった。やがて自分でも描くようになって、1961年22歳で上京、

2年後に プロデビューする。しかし、「原爆」は描かないと決めていた。後略
 http://www.j-cast.com/tv/2010/08/10073097.html?p=all


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広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」のポール・ティベッツ機長(故人)の息

子が5日、ース駐日米大使の記念式典出席を「前例がなく、すべきではなかった」「暗

黙の謝罪だ」などと批判した。米CNNテレビの電話取材に答えた。
取材に応じたのは、機長の息子で米アラバマ州に住むジーン・ティベッツ氏。
「原爆投下は正しかったか」と問われ、「我々は正しいことをした。多くの米兵の命が救

われたうえ、多くの日本人の命を救った可能性もある」とも述べた。
同氏は保守系の米フォックス・ニュースの取材にも応じ、「日本は真珠湾を攻撃した。

我々は日本人を虐殺したのではなく、戦争を止めたのだ」とコメントしていた。
米の主要メディアが広島の記念式典を取りあげるのは異例。
CNNはプライムタイムの番組内で、ルース大使の映像を交えて報じた。
ティベッツ機長は2007年、老衰のため92歳で死去した。

http://www.asahi.com/international/update/0806/TKY201008060092.html

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果てしなく「平行線」を辿るだろう「核使用」だが、「削減に動きながら、核抑止力」も

また必要な国という認識の混迷具合。

入り乱れる意見は、勿論人間のみであるが、そこに意思を持った生物が同じような

思いを実力行使で表明したら・・・。

と、地球上にいる生物は、人間だけでない「俺達だって、生きている」と、表明した

昆虫達がいたら、いい意味での「反戦」をそれも「核抑止力」に対して、人間ほど

無力でなく、それでいて暗示は「生物絶滅」、そんな蛮行はいやでしょうと軽い特撮

と人間の諍いの醜さと、怨念の激しさを見せつけアンハッピーなラストを用意する

映画が「昆虫大戦争」である。



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http://www.youtube.com/watch?v=RY0WA0wemrY

「昆虫大戦争」 六十八年公開作


「地球は人間だけの物ではない、人間が核兵器で自滅するのは勝手だが巻き添え

にされるのはごめんだ、人間を殺せ、ジェノサイド…人類皆殺し」


この過激な文章は、この映画の生物博士が自ら「人体実験」を行い、昆虫、この場合は

「毒蜂」の意思を知る場面でのものである。

「大戦争」というネーミングからは、人間対昆虫それも巨大化したとか宇宙からの使者

とかを想像しがちであるが、なんとも最近聞いたようなフレーズ「人間だけのものでない」

「日本人だけのものでない」なんて、前リーダーは、理系だけのこの博士の言葉を鵜呑み

にすれば、口から出てきそうである。

と、大戦争と銘打ったのがいいのか、確かに暗示はこれ以後を想像すると暗澹たる「地球

生物滅亡」もありうる事態・・・。

蜂は蜂でも「ミツバチ」も、その数の減少は食料減少に直結して「食糧不足」になるらしい

が・・・。

物語は水爆を搭載した大型爆撃機が昆虫の大群に襲われ、海に墜落してしまいと特撮の

チャチさはおいて、波乱が予見出来る出だしから、南海の孤島、それも日本に返還になった

島で、都合よく「虫採取」を生業にする男が、それを目撃して飛行機から脱出したパイロット

達が、これまた都合よく島の近辺に落ちてくる。(水爆もこの頃になるとそれほどの兵器で

ないのか、たった三人での任務である)、その三人のうち一人だけが生き残り、だがその

人物は「ヤク中」という設定である。(アメリカ軍の服務規程もとっも緩いものになったらしい)

この虫取りが捕まえた「毒蜂」を頼まれている東京の研究所に送る。

すると墜落の捜索に、この博士が加わりとなって舞台は、南海の孤島のみになって来る。

予算的な問題と題名は相関にないらしい・・・。

何しろ毒蜂も登場が少なく、人間間のやり取りが主になって、盗人となった主人公とその妻

そしてなによりな「ホロコーストの生き残り」が協力する東側の毒蜂研究と、小さな島には人

間が入り乱れて、毒蜂の脅威がどんどん加速していく・・・。

で、件の博士の人体実験と相成って、いよいよ佳境へと突き進む。

毒蜂の大群にやられるでなく、話の展開で次々犠牲者が増えていき、盗人に落ちぶれた主

人公も腹に子供を宿した妻をを守るため自ら犠牲になって、妻は一人日本に帰ってお産と島

の人の安否を気遣うことなく、島をゴムボートで脱出。

また捜索に当たった部隊も思惑を隠して飛行艇で逃げようとしたら、やはり毒蜂集団で襲わ

れ墜落の憂き目を見る・・・。

そして何よりなのが「水爆」で島は、いい加減過ぎる独善「地球を守るための小さな犠牲」と

して、「きのこ雲」がたなびいて・・・。

その上、死んだ兵士をアメリカ本土に送ったが、そこには毒蜂の卵が産み付けられて・・・。

と、痴話げんかはある、浮気はある、そしてユダヤの偏狭な心構えと、身勝手なアメリカの論

理とを、すべてぶち込んだから「生き残るのは、やはり少し抜けた妊婦のみ」と、核抑止力も

思い切り茶化してみせる。この後を想像すれば「人類滅亡」のシナリオとなる・・・。


人間以外を想定すれば、こういった思い切った反戦も意味を持ってくる・・・。

これでもそっと特撮が、いや核の扱いが厳密で、また・・・。

と、欲を言っていたら、シリアス過ぎて、寒さを覚えてしまう・・・。

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Amazon.co.jp                       といったところで、またのお越しを・・・。