蔑ろに「殺処分」一辺倒の政権与党の政策には、どうしてもなんらの「思惑」
のきな臭さが滲んでいて、政府の「国民を守る」という大前提が「政権交代」
を境に様変わりしたようである。
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殺処分の代執行確認=口蹄疫で官房長官と農水相
山田正彦農林水産相は14日、口蹄(こうてい)疫問題について仙谷由人官房
長官と首相官邸で会談した。農水相によると、宮崎県が殺処分の執行を拒否し
ている民間の種牛6頭に関し、県に代わって国が処分を行う代執行に向けた手
続きを進めざるを得ないとの認識で一致した。
6頭をめぐっては、所有者の農家が処分を前提としたワクチン接種を拒否。
県はいったん殺処分を勧告したが、その後方針を変え、6頭を無償で譲り受け
て県の種牛として延命させる例外措置を農水省に求めている。
政府は15日にも県に対し、殺処分を行っていない状態の是正を地方自治法に
基づいて指示する。都道府県への是正指示は初めてで、県が従わない場合、代
執行に向けた最初の手続きとなる是正勧告を出す方針。最終的には、県に執行
を求める裁判を起こして勝訴し、それでも県が従わないときに代執行が可能と
なる。
(2010/07/14-21:04)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201007/2010071400794&rel=y&g=pol
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このつい先日の報道でも、一旦決めたことであり、「殺処分」のみが政策の
やり方に異議を唱えれば、委細構わず「行政代執行」とかをちらつかせ、この
期に及んでは、経済的に非常に困窮が目に見えている「畜産農家」の現状は
顧みられず、単に政府の「無作為」の犠牲による被害拡大を糊塗しようとして
いるかのようである。
どだい批判のみの政党が「政権」をとれば、こんなものかの「一例」となって、
とても政権担当能力はなかったを、多大な犠牲の上で国民に分からせてくれた
ようだ。
初期対応のまずさと「感染源究明」に及び腰の政権政党とは、いったいどこぞ
の世界に存在するのか・・・。日本のそれも隠避体質の政党ならではないのか
と、マスコミの情報統制の加担も拍車をかけ、原因の究明が先決の疫病対策が
単に「殺処分」のみに凝り固まり、すべてが「尻拭い」を地元に押し付けた
と・・・。
で、農業という産業の過酷さは、田園風景の「のどかさ」に隠されて、従事
したことのない人には、のんびりしたものとなり、その象徴的なものが「実り
の秋」に見られる「案山子」ではないだろうか。
雀やらから折角実った稲穂を守るために立てられる「案山子」に、色々な思いが
広がり、以前であれば「哀愁」のそれとして、あるいは「惨めな生き方」の代
名詞として「スケアクロウ」なんて題名の映画もあった。
そこにホラーも目をつけると、なんともな映画も出現する。
それが「案山子男」である。

http://www.youtube.com/watch?v=MeReREfgfOo
「案山子男」〇二年製作
この題名のインパクトのみで見た映画だが、いじめられっこの無念を晴らす
ことになるだろう魂の宿った「案山子」あたりまでは、「キャリー」やらと
同じ趣旨の復讐心とかの残虐な殺し方かと思いきや、さにあらずで間抜けな
死に方とも取れるそれからすると「いじめ」の代償は「惨めな死に方」にな
り、それなりに面白い嗜好だと思ったのだが、いつしかエスカレートした
「殺人」は無関係な人へと向かい、あらりゃりゃ「単に殺す場面」を増やし、
尺を取るのかいなのやっぱりな展開へと、ただ「案山子」という昼間だった
ら何のことはないものも夜間のそれだと不気味に映るのは、闇の怖さと共通
している。
と、それなりに書いてみるとホラーらしいが、この怪物の身の軽さと展開の
チグハグさは、さもありなんのテイストで、もうちょっと脚本と演技の指導を
煮詰めて、展開を早めればアラも目立たなかったかも・・・。
古今東西の田舎の高校生は、夜中のとうもろこし畑とか好きなのか?

http://www.youtube.com/watch?v=ECPpw63HEXo&feature=related
「案山子男 復讐の雄叫び」 〇三年製作
続編を作るほどの映画かの疑問なのに、なぜか見てしまう。
「分かっちゃいるけど、止められない」の習性は、時間の浪費という後悔と
引き換えで、ため息と共に・・・。
続編といっても設定が変更になりってありかと、最初から疑問が沸き起こり、
それが終盤になれば、どんどんひどさをまして「怪物対怪物」対決だと・・・。
登場する人々も都合よく、軍事オタクでさまざまの武器を持ち合わせ、最後は
バズーカが旨く機能して、めでたし・めでたし・・・。

http://www.youtube.com/watch?v=aVNBja-GSrg&feature=related
「案山子男 オン・ザ・ビーチ」 〇四年製作
どうにもならない映画なら、見なきゃいい・・・。
と、手に取った時、思うのだがどうしてか見る羽目になる。
浜辺と案山子の不釣合いなど委細関係なく、日本のはちゃめちゃ配給会社
はやってくれます邦題で、テ-マとなる「いじめ」も格段に酷さをまして
案山子男の殺戮も数がパワーアップして、皆殺しへと向かい・・・。
昔々の「ビーチパーティ」とかの色物を多く付け加えて、飽きさせない
工夫を取り入れ、なんとか一本の映画として撮り終える・・・。
見る方も前作の記憶が残るから、それなりに筋立てがとか、映画のアラ
探しが目的化していく、なんともな一本であった。
めでたし・めでたし・・・。
現代は、「案山子男」という稀に見るホラー映画の主役として駄目だし
されそうだが、時代をさかのぼれば「案山子」に対する人々の思いも、
違っていた・・・。現代が「優しさ喪失」時代だとすれば、その昔七十年
代は、「「挫折と喪失と優しさ」が人を弱くした時代だった・・・。
その中には「甘え」という古来からの「人間の繋がり」に重きを置く風潮が
優しさを演出していたとも取れる・・・。
そこで上の「なんちゃってホラー映画」とは一線を画して、付け加えるもの
を、下へと続けます。
「赤松口蹄疫事件」の問題も、完璧な「殺戮」で終息するのか。
国民に相当な負担と「政権は国民を守らない」を知らしめたのは、今後の
詭弁から「騙される」人を少なくする効果はありそうだ。
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「スケアクロウ」 七十三年公開作
以前のエントリーにあったもので、世の中を旨く渡れぬ者同士の「傷のなめあい」
にも似た「心温まる」友情と、繊細な神経はすぐに病んでしまって、病んでいく
時代を象徴するようなロード・ムービー。
「案山子」 さだまさし 七十七年
都会の中で孤立する姿を、田んぼの案山子になぞらえた家族の心象風景に、日本的
情緒が旨く出ていて、しんみりしてしまう。

「レイン・オン・ザ・スケアクロウ」 ジョン・メレンキャンプ 八十五年
農家の窮状を訴えるのにも、案山子はその象徴となる。
この年のアメリカはとんでもない不作で、「ファーム・エイド」というコンサートが
開かれることになった。
参加ミュージシャンは「自費参加」である。
これが都合十年以上、毎年行われるイベントとなっていく。
音楽のあり方もありそうたが、その姿勢は日本とかけ離れているようで・・・。
と、無理やりなホラー映画のエントリーとその比較に書いた七十年代。まるで
「政権交代」による変化が、とっても悪い方向へ向かっているようで・・・。
その象徴が「赤松口蹄疫事件」の宮崎ではないのだろうか。
「傷をなめあい、励ましあう」から「いいから殺せ、殺せ」が、いつ人間に向かうの
か、計り知れない「差別的政党」の醜悪な素を見ているようで・・・。
「案山子」の心象風景も、様変わりしたと、結びつけるとなんとなく、強引な印象が
納得出来る?、・・・、訳ないか・・・。
案山子男 [DVD]/ティファニー・シピス,マーク・アーヴィソン

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スケアクロウ [DVD]/ジーン・ハックマン,アル・パチーノ,ドロシー・トリスタン

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といったところで、またのお越しを・・・。