カビの生えたビデオと文革「ラスト・エンペラー」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

我らがリーダーは、決断力は全くないが「人の話は良く聞く人らしい」のだが、

それについての考察はなく、もっぱら事象のみで、簡単に「新しい公共」とか

概念もなしに「性善説カルト信者」ぶりを発揮して・・・。


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鳩山由紀夫総理は12日午前開かれた参議院予算委員会での円より子議員
(民主党)の質問に答え「新しい公共が結果的に歳出削減につながる」と語った。
円議員が歳出削減のため、事業仕分けなどによる無駄な支出の削減に取り組
むのはもちろん、鳩山総理提唱の「新しい公共」を機能させることでも、歳出削
減を図れるのではないか、と質したのに答えた。
鳩山総理は新しい公共のあり方を積極的に推進する意向を語るとともに、例と
して、教育現場で言われる教員不足をとりあげ、ボランティアの方にも(教育現
場に)参加いただくことにより、子どもたちにも、ボランティアの人にも良い効果が
期待できる旨を語った。
鳩山総理は地域ぐるみでの子育てを制度化していこうと積極的に取り組んでいる
都内の連雀学園三鷹市立第四小学校を今年2月20日に視察しており、その際
に教師と教育ボランティア、保護者らの連携により「手とり足とり教えることによって
教える側も教えて幸せを享受できる」システムができていることを体感したという。
また、「新しい公共」という精神は鳩山総理が総理就任時から提唱しているもので、
政府は今年から「新しい公共」円卓会議を設置し、国民のひとりひとりが居場所と
出番を感じられる公正で活気ある社会づくりを推進するための議論を進めている。

*+*+ EconomicNews 2010/03/15[06:56:21] +*+*
http://210.196.162.149/politicsnews/detail/politicsnewsDetail.php?name=100314_019_4.html
http://www.youtube.com/watch?v=L5v8vDDbvgE
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この「新しい公共」という語句を、さも新鮮な言葉として理解しているらしいが、

そこに教育ボランティアはいいことだの「先入観」が入り込んでいるから、その

教育ボランティアに携わる人によっては、「洗脳教育」がやりやすくなるメリットが

生まれるという、性善説に立つカルト信者には、裏の工作にまでは思いが至らぬ

ようで、なんとも「世間知らずな坊ちゃん」は、きっとあの「ラスト・エンペラー」など

見ると、そこに隠された危険な思惑に考えが至らぬやも知れず、製作者側の「してや

ったり」の醜い顔が思い浮かぶが・・・。

ということで、掃除をして出てきたビデオを、懐かしさの余り見てみた。

何年も放って置くと白カビが生えていて、生命の息吹は凄いと感心しながら、デッキ

は大丈夫かいな・・・、そして見終わったらあら不思議、カビがなくなっていた・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=9DjOrC_PGWI

「ラスト・エンペラー」 八十七年公開作


中国というか、清の国の最後の皇帝の数奇な運命を丹念に追った物語

であるこの映画は、自伝がもとだけにその時代背景を端折って一人の

人間の境遇にスポットを当てたままだから、時代背景は「すべて会話」に

て済ませるといういい加減さ・・・

もっともそれまで描いたら「超大作」として金が数十倍かかって創りえないかも・・・。



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今と昔として回想場面を数多く挿入して短い時間で最後の皇帝溥儀の成長と動乱

の国を旨く取りまとめてはいた。

だけに舞台になるのは主に「紫禁城」であり、その壮大な建物とを対比させるこ

とで清の皇帝とはいかに絶大な権力を持つ「張子の虎」であるを見せていた。

勿論、そこにはさまざまな思惑が渦巻くのだが、そこらはすべて殺ぎ落とすことで

製作者側が狙う、ある印象操作に移行させることにうまうまと観客を運んでいく。

観客は悲惨な現状と、その昔の栄華の下で暮らす「皇帝」の落差に、身につま

される、それも主人公を演じるジョン・ローンが様になった苦悩の皇帝を好演して

いるからより感情移入出来る。

激動の時代、清の政権の威信は地に落ち、また台頭してくる「共産党」と「国民党」

という対立のはざま、ここらを描いたものに「北京の五十五日」というものがあって

手前味噌だが、グーグルで検索かけたら自分のサイトがヒットした。


http://ameblo.jp/django0116/entry-10087683047.html

「動乱の中国を描く北京の五十五日」


「義和団」事件というものが起こり、民衆蜂起は五十五日で連合国によって制圧さ

れてしまうのだが、時の権力者は「西太后」、そうこの「ラストエンペラー」の皇帝指

名の悪辣な暴君である。

という具合に、国内が動乱のさなか「紫禁城」に軟禁あるいは「引きこもり状態」から

ぬけてで見れば、端的にその座を追われる始末で、それをその植え付けられた貴族

的暮らしから脱却が出来ぬまま、権威というプライドをくすぐられ「満州建国」に賛同

そして後押ししてくれた日本が、戦争に敗れれば「戦犯」として、投獄の身となる。

そこで振り返り振り返りの人生、苦難の連続であった。

という具合に、映画は描いていき「悲劇の主人公」と相成って、映像の良さと悲壮感漂

う主人公の演技で、大ヒットする運びとなる・・・。

のだが、そこにはありもしない「南京虐殺」をこの戦犯に見せて、憤らせたりと文革とい

う「毛沢東」の権力維持のための運動を、さも「改革」らしく描き、そこでこの溥儀を問い

詰め改心させた刑務官をも「犯罪者」として裁いて、新しい時代はこうして始まった。

要するに最後の皇帝というシステムを完膚なきまでに壊して、中国は新しい制度で

蘇った・・・、という根底を下地にしたから兎に角、悲劇的ではあるが哀愁を含んだ映像

に仕立て、それでもなを「新しい時代」の息吹きは、旧態然としたものを破壊してこそ、

なしうる大事業・・・。

それには全く関係ない映像を挿入して、自分達は正しい、いけないのは戦争に負けた

日本であるを印象付ける・・・、もってこいの素材は「プロパガンダ映像」を挿入する。

それに憤る「最後の皇帝」を見せることで完結してしまう。

娯楽映画にこそ、そういった毒素を吹き込めば観客の見方も違ってくる・・・。


映画自体は、綺麗な映像で俳優も役を丁寧に演じていて良いものであるが、やはり中

狂が絡んでくると、こういった腹黒い背景を斟酌してしまう・・・。

実際は日清戦争以後の国民党対共産党の戦いが熾烈を極め、同胞での殺し合いが

凄まじかったのだが、そこは戦後のことを考えればどこかにおっつけてしまえば、綺麗

な軍隊は共産党の私兵・・・、こういった最後の皇帝の映画は必要であった。

もっともその後、まさかの「天安門事件」は想像していなかったのだろう。



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                         といったところで、またのお越しを・・・。