世相は類似するか「コミック雑誌なんかいらない」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

政権交代が起こって一ヶ月が過ぎようとしているが、選挙公約という「キャンペーン」
の「まやかし」が徐々に明らかになって「政治主導」というキーワードのみの幻想が
大臣達の「失言」で、日本経済が世界から見放されたように、一方的な「負け」局面
を迎えているが、深刻な雇用不安に対しての施策は遅々として進まず、最低賃金向上と
相反する失業率をみれば、ここは雇用対策に本腰を入れなければ、若者の不満は溜まっ
て行く一方で、そこに外国人雇用が重なれば、以下のような記事にはなるだろう。

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  ★消費予測 若い世代で大幅減少

 少子高齢化や人口減少で、国内の個人消費はおよそ20年後には
2005年より7パーセント減り、特に世帯主が30代以下の若い世代の消費は、
3分の2にまで落ち込むという予測がまとまりました。

 これは、民間の調査会社「ニッセイ基礎研究所」がまとめたもので、
国内の個人消費は、少子高齢化や人口減少で、21年後の2030年には
2005年より7パーセント減少するとしています。

 世帯主の年齢別にみますと、高齢化の進行で70歳以上の世帯は増えるため、
消費も53パーセント増加しますが、60代以下の世帯では軒並み減少します。
特に、30代の世帯では35パーセント、30歳未満の世帯は33パーセント減少し、
世帯主が30代以下では3分の2にまで落ち込むとしています。

 これに伴い、子どもの学校や塾の費用など「教育」関連の支出は21パーセント、
自動車の購入など「交通・通信」は12パーセント、「食料」は5パーセント、
「家具・家事用品」は4パーセント、いずれも減少するとしています。

 調査会社では「若い世代を中心に、国内の市場は幅広い分野で
縮小するため、大手のメーカーや小売店でも、再編に踏み切ったり、
海外事業を拡大したりする動きが加速するだろう」と話しています。

NHK http://www3.nhk.or.jp/news/k10015728851000.html

菅直人副総理兼国家戦略担当相は2日、雇用情勢の悪化に歯止めをかけるため、月内にも
「緊急雇用対策」を策定する方針を固めた。医療、介護など社会保障分野や若年者の雇用支援
などが軸。週明けから長妻昭厚生労働相と調整に入り、月内に予定される臨時国会までに
具体的な雇用対策を閣議決定したい考えだ。
菅氏は、鳩山内閣で雇用問題を担当している。緊急雇用対策として、厚労省では休業手当の
一部を助成する「雇用調整助成金」の要件の緩和や、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる案
などが検討されている。民主党がマニフェストに盛り込んでいる失業者に対する職業訓練の
充実や、すべての労働者への雇用保険の適用などの早期実施も検討する。
雇用対策の財源については、現時点では予備費の活用や既存予算の流用で対応する方向。
ただ、事業規模が膨らむ場合は今年度2次補正予算の編成も視野に入れている。
総務省が2日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は5.5%で、過去最悪だった前月から
0.2ポイント改善した。しかし、業績の立て直しを進める自動車や電機など主力産業の多くは
依然として採用意欲が乏しく、年末から年明けにかけて失業率が6%に達する可能性もある。
このため菅氏は年末にも対応できる雇用対策の策定が必要だと判断した。近く緊急の
雇用対策に盛り込むメニューづくりを各省に指示する。必要に応じて、雇用問題に関する
閣僚委員会を発足させる。


▽News Source asahi.com 2009年10月3日3時7分
http://www.asahi.com/politics/update/1002/TKY200910020403.html

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世相が「不満を抱えれば、それに応じた蛮行は歴史にある」となり、一本の映画を
思い出す。


 流浪の民の囁き-コミック

 http://www.youtube.com/watch?v=swIwiEWD7uo
「コミック雑誌なんかいらない」 八十六年公開作

この映画は八十五年に起こった事件・事故や出来事をレポーターの目を通して再現
させたような少し変わった作品だ。
毛嫌いされる芸能リポーターというものが、現場主義を貫き自分の目・肌で感じた
ことを嫌われながらも、白日の下にさらす。
賛否両論ある「ハイエナ」商売に、その時代の世相が良く現れている。
自分は関わりたくないが、「覗き趣味」は満足させたい。
突撃レポーターはそんな人々の願望を、自身の体を張った行動で「満足」させていく。
ともすると「下品」な行動に非難が浴びせられようが、人の迷惑顧みず、「異常な
覗き趣味」には、その行動は自分が傷つかない分「卑屈な性格」を隠避させ、ストレス
のはけ口へと昇華して行く・・・。
時代が「より無責任」へと傾斜して行き、映像がより悲惨な出来事でも瞬間的に見せて
しまう「想像力の欠如」を満遍なく広めて、刺激が慢性化していくのを放置してしまう。
という副作用を置き去りに、レポーターはまい進してしまう。

http://www.youtube.com/watch?v=c4nEoCREdlg
「コミック雑誌なんかいらない」 頭脳警察

映画の題名はこの歌からであるが、この映画の本質はやはりレポーターを通じての目に
映る「豊田商事事件」の報道がワイドショー化されたところにあるように思う。
ライブで人の殺害と死体がテレビ画面に映し出されていた衝撃は、この国の報道の有り方
とジャーナリズムの低俗化を如実に現している。


 

 「豊田商事会長刺殺事件」 八十五年

ほぼドキュメンタリーの映像が、ワイドショーで流れ、それと共に取材と評する記者達が
何らのアクションもなく、殺戮を傍観している姿に以後のマスコミの体たらくが始まった
エポックの事件では・・・。
ここでは犯人役でビートたけしがいい味を出していたが、監督にすればその後主役の内田
裕也の一言が、全マスコミ批判ではなかったか・・・。

 

流浪の民の囁き

赤塚不二夫みたいなさりげない絵に、強烈な言葉を挟めば「含み笑いが起こる」で、
とっても平和なのだが、上の報道記事みたいに「若年層の収入格差」がはびこれば、
あの常軌を逸した「けったいな正義感」を振りかざした者が、大それたことをしでかしても
おかしくない世相になって行くかも・・・。
何しろ「時代は巡るだけで先に進まない」のも真理だから・・・。

コミック雑誌なんかいらない!デラックス版 (NIKKATSU COLLECTION)

¥2,142
                  といったところで、またのお越しを・・・。