同じような共産主義国家であっても、民族のプライドとかのちがいなのか、映画に対する
考え方も、何より犠牲になった人々に対する「敬い」の差は、他国と戦って勝ったことのな
い国と、いかような犠牲がでても自国を死守してきた国のプライドは、かけ離れて戦時中で
も「他人のせい」にする、紛争時と平時の人間の「狂気」に対する思考の違いをまざまざと
見せつけ、戦争体験のない人にも、それらの違いが、人間の「プライド」の気高さを見せ付
けている・・・。
この文の比較している国は、中国とベトナムである。
ベトナムの映画「コウノトリの歌」を見て、以下の記事に記された「国の印象操作」の洗脳
映画とのあまりの違いに対して、この記事にある不謹慎な人とあるのは、実際は「ありもし
ない殺害方法やその規模に対して」インチキであるを「笑っていた」のでは・・・。
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2009年4月、南京大虐殺を描いた映画「南京!南京!」の公開は、中国国民
の愛国心を呼び起こした。子どもたちに愛国主義教育を施すため、子ども連
れで映画を見る家庭も少なくないが、そんな配慮をぶちこわしにする事件が起きた。
28日、中国新聞網が伝えた。事件を引き起こしたのはある10代のカップル。
入館するや、不作法にも足を組んで座ったかと思うと、スイカのタネをぽりぽりとやっている。
さらには映画が虐殺のシーンなど悲惨な場面になっても、コメディとでも思っているのか、
場にそぐわない笑い声を上げていた。
これに切れたのが後ろに座っていた老人。黙るようにカップルに言うと、そのカップルは振
り返って反論した。この態度に他の観客も激怒、映画館から出て行くように言いつけた。
空気の読めないカップルたちも事ここにいたって事態に気づいたのか、しばらくしてこっそり
と映画館から去っていった。(翻訳・編集 /KT)
(4月29日11時28分配信 Record China)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090429-00000010-rcdc-cn
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日中戦争時の「日本の蛮行」としてまことしやかに伝えられる「南京」だが、物資不足の日本
が冷静に考えれば「貴重な物量を無駄に使うはずがない」という点を勘案してしまうと、正に
「旧日本軍最強伝説」の類いの「刀ひとつで百人切り殺した」や「無駄に弾を使って、敵兵でな
い者を殺した」などと、どう考えても「戦争状態」にあっても、戦力削減を目指さずに「殺戮」が
主目的って・・・、体験したことのない人にとっては未知の行いであり、その真贋は分からない。
しかし一ついえることは人間は、経験の動物である。
自分で経験したことは再現出来る・・・。これまでも残酷な殺戮場面の映画は多かった。
そしてそれらのものの表現は、経験した人の体験が下地になっている。
好戦的なアメリカでは、それらが映画に生かされている。
そしてこの「南京」も、経験した体験の殺戮方式・・・、日本的な敵の倒し方、殺戮の方式でない
残酷極まる殺害方法、それが体験を通した表現方法となってくる。要するに中国の殺戮方式が
日本でもあるという無知が、また自分達の残酷さと同種のものを持っているからという錯誤から
平気で描いてしまい、後で検証されたら「そんなこと言ってましたっけ?」のとぼけで誤魔化す
それは日本の報道機関にも当てはまる「他人の言うことは信じ、身内は貶して信じない」精神分
裂気味な「頭脳内溶解」が進んでいる人々は、体験していなくても経験したと錯覚出来る「錯乱」
した人々・・・。
それに対して体験した経験を、冷静な平時の精神で淡々と描いて見せているのがベトナム戦争を
ベトナム側から描いた「コウノトリの歌」である。
「コウノトリの歌」 〇四年公開作
以前、オリバー・ストーンが描いたベトナム人側からの映画というものがあったが、
ここでもベトナム人、それも女性の気高い精神性を良く描いている。
北軍従軍記者の目を通して、まずは北軍に身を投じた文士的気質のある青年の
行動とそれに付随する女性の物語として、また北軍でも諜報・かく乱隠密行動に
身を投じた青年の南軍内に入り込むのに、その娘を利用して・・・。
史実のとおり、ベトナムの混乱はアメリカ及び南軍の敗退で終結するのだが、そこ
に至るまでを、記者の目を通して二人の青年の軌跡を追いつつ、時代の波に翻弄
させられる女性の姿も、良く描いている。
まして北軍といえば、その背後にあったのは中国・ソ連と、ここでも朝鮮戦争の時と
同じ「代理戦争」の様相を見せていた。
だけにアメリカの残虐さとか、非道の軍隊いとかそのアメリカに金で雇われた南朝
鮮軍の鬼畜にも劣る非道さとかでも描けたはずであるが、そんなものは一切出て
こない。
単に記者が気にしたものであるとかでなく、民族のプライドが許さないとも取れる。
ドキュメント映像とのコラボも無理なく溶け込ませ、その悲惨であった戦争の中に
身を投じた青年の「理想の夢」邁進には、犠牲は付き物という悟りにも似た信条で
これまでのアメリカのベトナム戦争ものにあった「自分達の悲劇」的ネガティブな
ものもなく、自分達の目指す国家樹立への「理想」を追い求め・・・。
まぁ、北軍記者であるから、そこは南軍とは違っていて当たり前だが、そこに至る
のには犠牲の上にある。恨みつらみでなく「戦争は人を変える」という至極当たり前
の作りが徹底していて、アメリカ従軍兵のインタビュー等も交えて、そつのない映画に
仕上げていた。そして最後にベトナム戦争で犠牲になったベトナム人五百万人に捧げ
る映画であると、追悼の意味もこめている点が、派手な戦闘シーンもなく、それでいて
退屈しないのは、程度問題として上質な映画にしたいという情熱を感じるから・・・。
そして「民族のプライドは、汚されたくない」という思いに行き着いた。
戦争には犠牲者がいる、殺戮もまた犠牲者がいてである。
それをリァリティ溢れるという「残酷描写」で描いて、印象操作するのもそれはそれが
現実に行われてしまったことであるとなれば、後々に語り継がれるべきものであるが、
「そんな奴はおらんだろう・・・」、ってな、トンデモなものであっては百害あって一利なし
であろう。あのヤコペッティの映画など、今では「鼻でせせら笑われる」のと似て・・・。
この映画でのベトナム人女性のしなやかな動きには、「アオザイ」が良く似合っている。
肌を露出するでなく、それでいて女性のしなやかな美しさを表現するのに、ぴたりとあっ
ているのに驚いた・・・。
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- Amazon.co.jp といったところで、またのお越しを・・・。