昭和の薫りと「お世話になりました」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き


四月二十九日は「昭和の日」という記念日らしい、勿論昭和天皇の誕生日をそのまま
残す形であるから、これはこれで良いが「昭和」と聞くと、やはりノスタルジックな気分に
なって、懐かしのメロディーなどが甦ってくる・・・。
そのノスタルジックな気分とは裏腹な、何ともな報道を目にすれば「はぁっ」と溜息が漏れ
てくる。まぁ、犯罪なんだろうけど、厳しくするのは少年の素行であって・・・。
てな報道と、あの頃輝いていた女性を対比させると、健やかな老いってな、理想的な社会
と違っていく社会に懐かしいだけでなく、なんか「捨て去られる心」を感じてしまう。


流浪の民の囁き-下町の太陽

下町の太陽」 六十三年公開作

荒川の下町に住む若い女性の恋と家族とを、倍賞千恵子の瑞々しい演技と
監督山田洋次の演出で、「貧しくとも明るく生きる日本人」を活写して見せた
ほのぼのタッチのドラマ・・・。
以後の「寅さん」の妹「さくら」にも通じるしっかりもので、周囲を明るくする
溌剌とした女性として育った土地を離れようとせず、また誤った男選びに目覚め
れば、男の外見でない内心の「健全」さを見抜いて・・・。
題名のヒット曲から生まれた映画だが、題名どおりの役をすんなりこなす
倍賞は「永遠のマドンナ」ってな気持ちになる・・・。
というか、寅さんのイメージが強烈だから、余計にそう思えるのか、リアル・タ
イムで見たわけでもないから、その寅さんイメージより若い倍賞には、年ととも
に日本の女性を鮮烈に印象付ける。


流浪の民の囁き-倍賞

http://www.youtube.com/watch?v=ivIBYIk1iSM

「下町の太陽」 倍賞千恵子

〇四年の映像と映画の一場面のものであり、そのモノクロの映像の
倍賞の若く瑞々しい表情と、老いた表情にはイメージ・ギャツプがあって、
なんか「残念」と思うと同時に、老いは誰にもやって来る・・・。
ってな。、しみじみした気持ちになってしまう。
と、ここまでは下の報道への「前説」みたいな映画の紹介で、本題は
老いた人も若かった時があり、その老いた人が新聞沙汰になって、
行為に対する批難などが投稿サイトに載っていて、少々心が痛む

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★中学生にタスポ貸与 たばこ店経営の女を書類送検

・たばこを買おうとした中学生に成人識別ICカード「タスポ」を貸し出した
として、京都府警堀川署は28日、未成年者喫煙禁止法違反容疑で、京都市中
京区のたばこ販売店経営の女(87)を書類送検した。同署の調べに対し「未
成年とわかっていたが、タスポ導入以降客が少なくなったので、売り上げを伸
ばしたかった」と供述しているという。
書類送検容疑によると、女は2日午前11時ごろ、京都市中京区西ノ京東月光町
で経営するたばこ販売店へたばこを買いに来た中学2年生の男子生徒(13)に
タスポを貸し出し、同店に設置されていた自動販売機でたばこ1箱を買わせたと
される。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090428-00000552-san-soci
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タバコ自販機の「タスポ」「導入は、既存のタバコ専売店を直撃して上の
「おばあさん」はいけないこととは知りながら、中学生の要求にタスホを貸し
与えてしまった・・・。
ってな、報道で「いい大人」がいけないことをしてはいけないと書き込みに
は冷淡なものが多く、それはタバコ嫌いのなせる業であってなのだろうが
そういった現代の風潮には、いささかげんなりしてしまう。
「タバコは悪」の根拠は、病気になるってなところなのだろうが、「人間はいつか
死ぬ」って、思っているこちらは、タバコなんて「今日も元気だ、タバコがうまい」
口なので、これは中学生に対しての「補導・教育」の問題であってこの「おばぁさん」
には厳重注意程度が相当と思うのだ。
中学くらいなれば「善悪」の判断はつき、悪いことと知っていてやっている。
それを徹底的に責めるでなく、販売がううたらってガキが助長するだけってな気持ち
になる・・・。
実際、未成年で煙草をすっていた者としては、こんなに潔癖な人ばかりに
なってしまうと「そううつ病」の増加も頷けてしまう。
たとえば、下の画像のような「ドロボウ猫」のような行為なら、さてどうだろう。


流浪の民の囁き-お世話

これを見て、猫がサンマを食べたら、袋叩きにするのだろうかそれとも
「駄目よ、これっ!」って、声を掛けるだけ・・・。
勿論筆者は後者を選ぶ、そして上の「おばあさん」にも同じように
「これから気を付けてくださいね、まぁ大人に見えたんでしょう?」
てなことで、お咎めなしで、その代わり中学生は「ボコボコ」にする。
聞いて分からないのは、身体で覚えさせる・・・。
善悪判断を幼いうちから叩き込めば、「隠れて行い」、それが罪悪感を生み、
善悪の判断を強くさせる・・・。
とっ、新聞報道に対して「タスポ」のいい加減な行為が「おばあさん」を犯
罪者にしたと、見方が批判をする人とは違っている。
昭和の時代の七十年代前は、「静観の優しさ」が人を育てたと思っている。
それが吹き荒れた七十年代の左翼思想が、日本の風土にえらく異質なものを
持ち込み、以後は「トンチンカンな左翼思想の学者」や「クレーマー」全盛
の時代へと移り、なんとまぁ、「息をするにもひっそりと」という息苦しさを
かんじてしまう・・・。 大袈裟か・・・。
「お世話になりました」って言葉、以前も今も良く使われるけど、心から言うな
くっちゃ・・・。で、井上順も歌う「タバコ屋のおばちゃん、お世話になりました」



「お世話になりました」 井上順


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                    といったところで、またのお越しを・・・。