アイデア倒れの特撮「ガーゴイルトゥルーパーズ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

映画の出来に寄与する特撮において、題材になるものが良くても、特撮だけで映画を

持たすのは至難の技である。

そこはある程度、練られた脚本と出演者の演技も加味されねば、折角の特撮も陳腐な

ものになってしまう・・・。

そんなアイデアはそれなりに「面白そう」と触手が動き、ある程度の特撮の映像も見れる

のに、如何せんな脚本と役者の緊迫感のなさが、アイデアを潰したと思えるのが、この

「ガーゴイル・トゥルパーズ」である。


流浪の民の囁き-ガーゴイル


http://www.youtube.com/watch?v=tZG9Chz9zG8

「ガーゴイル トゥルーパーズ」 〇七年未公開作


イエスの曲名にもある「スターシップ・トゥルーパーズ」の映画にちゃっかり便乗した邦題

は、能書きを読み限りにおいては、「面白そう」と心動かされる第二次大戦と伝説の魔獣

との合体作。

大戦末期、旗色悪いナチス・ドイツがフランスのある村で、古代の祠を見つけ、そこに鎮

座しているガーゴイルの復活を画策して、それを連合軍への最終兵器とする企てを実行

血の復活を果たした魔獣は、自分以外のものに対する敵愾心しか持たず、敵味方関係

なく襲っては、その数を増やしていく・・・。

その無敵の魔獣を倒す方法は、これもいにしえの勇者が使った「聖剣」によってのみ・・・。

ファンタジィーに戦争を絡めて、それなりの監督や俳優が演じれば、それなりの特撮だった

だけに、惜しまれる出来に仕上がり、見終われば「やっぱりな・・・」という予想出来る感想と

相成る。一抹の不安を脳裏に浮かび上がらせて、一時間超の付き合いをしてみれば、折角

コンピュータ・グラフッイクスも、戦争ごっこの俳優達の演技で、むちゃくちゃ貧相に感じてし

まう。そして緊迫感もなくハッピー・エンドへと向かい、「無駄時間」と・・・。

いやいやこうしてエントリーできるのだから、それなりに見たことは有意義・・・。

にしても、折角ガーゴイルの設定なら、ここは戦争を一時停戦して敵味方協力して強大な

敵へと立ち向かうってな、設定にしないとガーゴイルが「しょぼくなってしまう」。

金をかけて造作したのだから、人間の力の限界と「先人の功績」に重きをおいて・・・。

てな設定にすれば、「愚かな人間の戦争」という批判も生まれ、そして強大な敵には力を

あわせなければ犠牲が増えるばかりで・・・、というように、非力な人間と強大な魔力を持つ

魔獣との死闘となれば、ファンタジィー的反戦映画の出来上がり・・・。

と、見ているものは勝手なことを書ける。

それだけ突っ込みどころが満載の映画でした・・・。


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Amazon.co.jp                          といったところで、またのお越しを・・・。