知的で美貌を併せ持つ女性が、その表の顔と違った醜悪な裏の真実に
恐怖を感じたり、あるいはその宿命に共感できたり、それでありながら
とても恐い存在が焼き付いて忘れられなくなる・・・。
そんなものの中に、この蛇頭と蛇顔の映画があった。
http://www.youtube.com/watch?v=gTQ9cxYk4os&feature=player_embedded
「妖女ゴーゴン」 六十五年公開作
以前、ハマーの事を書いたが、その中でもこの「ゴーゴン」は、クライマックス
までのさわりの写し方がこっていて、丁度の日本の「怪談映画」の手法のように
じわりじわりと恐さが募ってきた。
今では笑える造作の「ゴーゴン」だが、低学年の時では、あのお岩さんのおどろ
おどろした顔と同じ位、恐さが高まった・・・。
普段の顔が知的で美形と来ているから、より以上に「ゴーゴン」の顔が恐い。
この顔がゴーゴンになるのか・・・。
何しろ顔を見ただけけで、石化してしまう。
今、見直せば「笑い」が出てしまう造作と相成るが、幼い目には
「蛇が頭髪」の、そして目が真っ赤かで、口元の無気味さには
震え上がる・・・。
しかしどことなく、その他の場面では「お色気」を感じてしまって
古城と慣わしと、そして悪霊が取り憑く美女とのコントラストは
ギャップの激しさが、恐怖に結びつく・・・。
このような「ドラキュラ」の犠牲の場面での恍惚の表情には
計り知れない未知の「快楽」がありそうで、そこがまた「吸血」
の持つ「エロ」として、どこかに憧れにも似た感情が芽生える
要因もありそう・・・。
何しろ昼はぐっすり寝て、夜な夜な徘徊して美女を食い物にする
ある一面、男のそれこそ理想で、女性の犠牲がしもべとなるでは
「辞められない、止まらない」の「男冥利」に尽きる・・・。
それが女性だと、「哀れ」な女性となって、ラストシーンの変化に
恐い映画なのに、ほろりとさらせられる・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=ZT2pcxY0wk4&feature=related
「蛇女の恐怖」 六十六年公開作
こちらは同じ蛇ものでも、そのものずばりの造形が「ヘビ」で恐いよりは
薄気味悪く「気持ち悪い」という感情になる。
女性を襲うその顔は、以前書いたお笑い「ワニ男」とは、比べ物にならない
リアルなものなのだが、展開があっけに取られる結末と、お馬鹿な映画の
仲間入りと・・・。
ただこの蛇女になってしまう女性が、これまたやたらと美女というハマー
お得意のものだけに、その落差は凄い・・・。
この白い服装の人が、「蛇女」に変身・・・。
って、ボルネオとか東南アジアってのは、やはりイギリスみたいな
横柄な国にとっては、神秘と非文明でいてもおかしくないとなってしま
うものか・・・。そして「寒い・・・」って縮みあがる恐怖ではあっけに取ら
れる・・・。シタールをかき鳴らす美女の場面は、ちよいと「お色気」満点
で引き込まれるが・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=tTOzgW1e6Go&feature=related
「ハマー、スクりーム・ヒロイン」
こんな動画も投稿されていた。
ハマーの「悲鳴」の主役達は、いずれもグラマラスで美女ぞろい
と、ハマーの製作コンセプトに失敗の許されない映画作りには、
やはり「悲鳴をあげる美女」は欠かせないってなことなのか・・・。
それにしてもその昔でも「スカウト」が活躍していたのかしら・・・。
演技はともなく、悲鳴とボディの素晴らしさは、より恐怖を演出する
にはもってこい・・・、狼男に、あるいはドラキュラに、またフランケン
シュタインに、そのものを引き立てる「女性の叫び」が対象を恐怖の
「化け物」へと引き立てる・・・。
そんなな中で、女性が「化け物」に変身すると、やはり日本映画の
「化け物」宜しく、どこかに悲哀を注ぎ込むのは共通なのか、はたまた
日本のお化け映画のコンセプトを参考にしたか・・・。
以前は怪奇映画と名づけられていたホラーものだが、ここまで欧米化
が進むと、逆に怪奇映画の方がぴたりと当てはまる映画群では・・・。
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- Amazon.co.jp といったところで、またのお越しを・・・。