変幻自在の女性の逞しさ「新エクソシストと死肉のダンス」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

セクシー女優として六十年代、色々な映画に彩りを添えていたエルケ・ソマーが

新境地を切り開くかのように、「ホラー映画」に出ていた。

それがきしくも、マリオ・バーウ゛ァもので、「リサと悪魔」とゴシックホラーを現代風

にしたみたいな、アメリカ女性のイタリア旅行での遭遇する災難・・・。

が、当時人気になった「エクソシスト」をくっ付けたらの、プロデューサーの愚行で、

なんと「悪魔払い」の犠牲者になってしまうと、なんだか趣旨がどこかに飛んで行って

それまでお色気で売っていた・・・、肢体と風貌が幸いしたか本人的にはどうだったか

は於いて置いて、たしかにセクシー女優としての地位も、かなぐり捨てて「ゲロ吐き」

にも果敢に挑んで・・・。 と、付録がマイナスに作用してしまった映画が「新エクソシスト

死肉のダンス」である。



流浪の民の囁き-house


http://www.youtube.com/watch?v=YHKuj1Pv-W8&feature=related

「新エクソシストと死肉のダンス」 七十三年未公開作


「リサと悪魔」というものに、後から撮った「悪魔つきと悪魔払い」を加えて、

エロティシズムを恐怖の妖艶さの音楽の良さを消し去り、「人間の業」という陰

に潜む人間の醜さが面白みで、テリー・サラバスの怪演が際立ってなかなか

に面白いものとなっていたところに、「エクソシスト」をくっ付けて、まぁそのテイ

ストがどっかに飛び、エルケ・ソマーの妖艶な熟女が「単なる精神病」的悪魔

つき・・・、って、本来なら演技を拒否してもとも思えるが、それを懸命に演じてしまう。

たいしたものだと、恐怖よりは女優魂を感じる映画・・・。

そして「キッスは殺しのサイン」の相棒、シルバー・コシナもその妖艶な熟女の肢体

を惜しげなく晒して、物語の切り刻みの中で、はっとするシーンを・・・。

そんなので、リンクしたものは「リサと悪魔」のテイストの予告編・・・。




流浪の民の囁き-elki


http://www.youtube.com/watch?v=GfwaReCCsQM

「処刑男爵」 七十二年未公開作


御年三十歳を越えて、女子学生を演じて「スクリーム」を上げ続ける・・・。

なんとも化粧と衣装で、女の年齢が分からない「化けかた」を示す映画。

こちらの物語は、ゴジック・ホラーへの傾斜がより溢れるものだが、ここに

も不気味な存在として、ジョセフ・コットンを配してっと、映画における引き締

めは、一人の存在に掛かって、上、不出来を左右する、特にホラーの場合

はそれが顕著を示しているかのよう・・・。

でないと、古城の三百年前の「怨念」とかでは、だらけてしまい盛り上がらな

いこと請け合いというか、後はスプラッターの「どろどろ」しか残りがなくなり、

折角のゴシックへの傾斜は、失敗に終る・・・。



流浪の民の囁き-elke


http://www.youtube.com/watch?v=rIutgV3RQ_0&feature=related

「悪魔つきのエルケ・ソマー」


これを見てしまうと、げんなりしてしまい・・・。

その容姿や顔立ちに好感を持つ人は見ない方が・・・。

スンバらしく「いきんでいます」・・・。



流浪の民の囁き-elke


折角、この二人が熟女の妖艶さをホラーに吹き込み、エロとグロに気品を持ち込んだ

ベットシーンを繰り広げたものが・・・、あの「エクソシスト」で、跳んだものに・・・。


流浪の民の囁き-kosina

http://www.youtube.com/watch?v=7fpsqE1ibIk&feature=related

「シルバー・コシナ」


今は亡き人で、なんだか以前、書いたような気もするのだが、

恐怖とそれに反する人間の業・・・、妖艶な熟女を配せば一段と

ホラーの通り一遍な物語に、格調を添えられ、一味違ったものに

なった・・・、「マルキド・サド」から続く、背徳と頽廃とロマンと人間の業

を恐怖に押し込み、エロであり、ロマンであり、そして恐怖が一体になると

そこに幻想が生まれる・・・。ってな、具合にまとめられれば、以後カルト的

な人気も出て来る・・・。もっとも「新エクソシスト、死肉のダンス」の邦題では

そりゃ、無理ってものだが・・・。

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Amazon.co.jp            といったところで、またのお越しを・・・。