今日三月二十日は、戦後最大のテロ「地下鉄サリン事件」の起こった日である。
狂気の集団、「オウム真理教」による無差別殺人事件・・・。
衝撃的な事件は、教祖の狂気が伝播し信者というマインド・コントロールされた
集団になった時、善悪の理解が失われ、「卑怯の兵器」と忌み嫌われる科学兵器
によって・・・、この集団狂気に遡ること三十年前、やはり狂気の集団によって引き
起こされた惨劇に「シャロン・テート殺人事件」という凄惨な事件があった。
「ナタリーの朝」でリンクしたアマゾンの「哀愁の花びら」でパティ・デュークと共演
あの女優の惨殺・・・、その犯人がカルト集団「マンソン・ファミリー」・・・。
一人の狂信者によって、その者が手を下さずに部下と呼べる者が蛮行を繰り広げる
そんな事件をドキュメント風に仕上げたのが、「ヘルタースケルター」である。
http://www.youtube.com/watch?v=X92rldj9czs&feature=related
「ヘルタースケルター」 七十七年公開作
六十九年に起こった惨殺事件は、教祖的立場のマンソンの妄言を真に受ける
信者たちの凶行という、オウムに通じるマインド・コントロールされた集団の恐ろ
しさをまざまざと見せつけるが、映画は起訴後の検事の独白的進め方をして、
法廷での彼らの異常さをついているドキュメント風だから、ホラー的、あるいは
カルト的色合いが排除されていて、一般的常識との乖離を見せる集団と、熱狂
的な盲信をする人々にとって、受け入れがたい仕上がり・・・。
極平凡に生きていく人々にとって、そのカルト的信条が相容れない性格のものと
して認識されるが、そこにどっぷりとはまり周囲を見回さない人にとっては、批判
以外の評価を受けないから、このマンソン事件での映画製作には、違った危険
言論は弾圧されるという、狂気の集団でなく「自分達は正しく、他が間違っている」
的思考だと、監督も製作者も命の危険と隣り合わせ・・・。
ここらはあのオウムという現代から隔離されていた狂信者が指示する「サリン」散
布の凶行を想起させてくれる。
このマンソンの異常さは、自分の歌を広めたい、そこでビーチボーイズに接触、体
よく断られ、今度はポランスキーにもつれなくされて・・・。
で、自分を受け入れないものは「要らない」、とそれとなくコミニティーの手段に話し
そして惨殺・・・。偏った思想を持ち込むと、「排除」の原理が働き・・・。
要するに「他人のせい」が主流を占めた考えには攻撃しかなく、この思考法は特に
共産主義に根強くあって、間違った指導者のもとでは同じような「粛清」と体よく呼
ばれる残虐な仕打ちが頻繁に起こっている。
時代も「ベトナム泥沼化」の時流から、ヒッピーと呼ばれる「離脱者」集団が増え始め
共産主義のコミニティーがそこら中に形成された時代・・・。
行き場を失った若者の受け皿として、また思考しなくなった者達にとって快楽だけの
生活はパラダイス、そして批判するものは「敵」とみなす、単純極まりない思考法が
攻撃の先鋭化を招く・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=wrzQoJibNPA&feature=related
「シャロン・テート殺人事件、マンソン・ファミリー」
一部、映画を用いた編集もの。
実際の被害者写真もあるので、心臓の弱い人や嫌悪する人は遠慮するのが
よろしかろうと・・・。
現在の「マンソン」の姿、どこにでもいる「じいさん」
チャールズ・ミルズ・マンソン
1934年11月12日オハイオ州シンシナティで私生児として出生。
幼少時、母親は当初マンソンの面倒を見ず、親戚の間をたらい回しにされる。
母親は厳格なクリスチャンの家庭を飛び出し、売春で生計を立てていた。
母親がガソリンスタンド強盗で刑務所に行くと、叔父夫婦に引き取られたが、
その叔父にも虐待され小学校に女装して行かされ、いじめられた。
10代の頃には刑務所にも入り、同性愛の看守によって性的な暴行を日夜受ける。
55年05月、19歳で出所、炭鉱夫の娘と結婚して子供をもうけるが、売春組織の元
締めをやって逮捕、7年の懲役となる。
1967年仮釈放された時期はヒッピーが大流行していた。
「他人のせい」に出来る思考法が蔓延すれば、究極の世界が待っている。
即ち「自分が絶対でそれ以外は、賛同か拒否」そして拒否は排除・・・、ここらに宗教が
絡めば、理性とは何かさえ、問われることなく過ごせ、あの「ソドムとゴモラ」という古代
と同じことの繰り返しが・・・。進歩が実際は「リフレイン」であった・・・。
笑えない現実がそこにあった・・・。
何しろビートルズの「ヘルタースケルター」に意味を求めるって、幼児への退行なのを
真剣に考えていた・・・、滑稽すぎて犠牲になった人は哀れである。
と、のびのびになっていたものを、エントリーしたから日付が過去になっている。
- チャールズ・マンソン [DVD]
- ¥3,400
- Amazon.co.jp といったところで、またのお越しを・・・。