自分の容姿に自信が持てない・・・。
子供心に「負わされた傷」がコンプレックスとなり、自分に自信が持てず、引っ込み思案で
と、今でも充分通じてしまう女性の外見でなく内面的葛藤を、レトロニューヨークのさめざめ
とした風景に溶け込ませ、静かな中に一女性が自分への励ましと自立をしっとりと描いて
いたのが、この「ナタリーの朝」である。
http://www.youtube.com/watch?v=yYaQO7g0cOc
「ナタリーの朝」 七十年公開作
容姿への不満で自己嫌悪に陥り、自分に自信がもてない女性をパティ・デュークが
演じている。
下の画像の女性だが、さて容姿と自分の美意識のギャップもあるだろうが、ここら少し
無理がありそう・・・。
ポートレートだから、それなりに写すものだろうが、これで容姿に不満とかは
「ふざけんじゃねぇ、甘ったれんな」という喚きが聞こえてもおかしくないと思うが・・・。
その自信をなくしたまま青春期を迎えた女性がもがくように一人立ちへとニューヨーク
へ向かう・・・。田舎からだからまぁそれなりに納得出来るが、ここらはちょっとばかり
安直な設定、それでも都会に出てくれば田舎より一層、疎外感は強まり実際だったら
「引きこもり」状態へ突入だろう。
当時は何より映画が、ニューシネマの真っ最中だから、何かや何かからの自立とか、
独立には賞賛が与えられた。
ベトナム戦争での喪失感や混乱が影を落とし、揺れていた時代は自立とか束縛からの
逃避とか、それが当時の空気には新鮮で、より哀愁も感じられて受け入れられた。
そして女性にとっての美という外見上のことと内面的な美とのギャップと評価・・・。
この二つの物事は、実際今でも女性の内面では生き続け、どんなに不景気になろうが、
化粧品の売上が落ちない現状に如実に表れている。
このナタリーの内面の寂しさを倍化させるようなカメラワークが、ニューヨークの夕景や
朝もやに溶け込み、地味な物語に音楽と共に、印象を強くさせる作用を・・・。
ニューヨークの好きなウッディ・アレンも、この作品を参考にしたようなカットを見れば、
それなりに評価された作品であったになるが、ネットにはほとんどないのは、ビデオとか
の販売の影響か・・・。
この映画の女性の普遍の思いを理解すれば、ある程度受け入れられる映画で、販売も
期待出来るだろうに・・・。
この子役時代が、その印象を際立たせてしまったからか、パティ・デュークは
こんな冠番組を持っていても、テレビ的には受けても、あの「ミラクル・メイカー」
の「ヘレン・ケラー」の役がついて回ってしまい・・・。
それでも「ナタリーの朝」は、しみじみとしたいい映画だとは思う・・・。
自分に自信がもてない女性が、失恋をきっかけに自立を目指すラストも、「スタンド
アップ」で、以後も違った形での映画はたくさんあるが、地味な応援歌と言った趣は
なかなかだと思うが・・・。
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- Amazon.co.jp といったところで、またのお越しを・・・。