金権体質は善か悪か「オール・ザ・キングスメン」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

金権体質でもその方策が、貧困層救済にあり、優良企業とかからの献金を貧困に回す

といった善行が施せ、自分自身は「清貧である」という人物だったら、思い切り叩かれる

はずもなく、まして利殖まがいの不動産など取得するはずもない。

この日本的に「税金を食い物にする」人々が「国民の生活が第一」と謡うから、そのアヤ

シゲナ言動には、今回の秘書逮捕で「やっぱり、やってやがった」の従来の土建や政治

のなれの果てという思いを、国民の多くがしたものだろう。

そしてこの献金以外にも、税金を食い物にする人々は、政党助成金というものも支給さ

れている。そもそもの成り立ちからしておかしい制度だが、選挙に金が掛かるから、その

負担が汚職を生むという論理で導入されたものだが、そしてこの違法献金となると、政党

助成金は「ただの小遣い」状態か・・・。共産党はこの助成金を受け取っていない。
その政党助成金も旨いこと取り込むには、結党・解党の繰り返し・・・。
もろに「壊し屋」の思う壺な制度って、ここらへんに焦点を当てても、利殖に励む議員さん像
が見え隠れ、で、そんなものは古今東西、あまたにあった。



流浪の民の囁き



http://www.youtube.com/watch?v=XobX7GCecOY
「オール・ザ・キングスメン」 四十六年製作

この映画、「オール・ザ・キングスメン」という古いものにも、今回のような「政界浄化」の掛け
声と裏腹に取り込まれていく、社会正義というものがあった。
ウィリーという役人が、役所の汚職に我慢ならず告発を決意、もっとも相手にされずにいた
ところ、小学校の建物での崩壊という「手抜き工事」が発覚して、一転ウィリーは脚光を浴
び、州知事選へと・・・。もっとも手招きした人物は対立候補の票割れを狙っての「泡沫候補」
として白羽の矢を立てたまで、この原題がスラングでこういうらしい・・・。
ところがそれを聞き及んだウィリーは、戦術を貧困層に絞って、福祉を全面に押し立て労働
者の賛同を得ていき、州知事に当選してしまう・・・。
ここまでは友人としてアドバイスを送る新聞記者の存在が・・・。
ところが五年後、この友人がウィリーを訪ねてみると、自分が批判していた金権体質どっぷ
りと、権力に魅せられた男へ堕落して、今度はウィリーを追い詰める側に・・・。
という社会派映画で、このウィリーが世に出るきっかけの「手抜き工事」もまた公共事業、
そして大統領の椅子を狙う位置にくれば、金に執着しと、何とも日本の政治家にも相通じる
節があちこちにの映画だが、この原作のモデルが1928年にルイジアナ州知事となり、31
年に上院議員に、そして35年、大統領選に出馬宣言をした民主党所属の政治家ヒューイ・P・ロングである。って、同じ党名が出てくると笑うに笑えない。
貧困層の政策としてよい道路と教科書無償配布を公約にして、ポピュリストと評価されてい
るが、文盲率と貧困率の高かったルイジアナの底上げをしようとした当時の改革派知事で
あった。道路や橋を整備し、病院を作り、学校を作り教科書を無償化しと、貧困層のための
政策を進めた。
だがその資金には当然のようにあの小学校の手抜きと同じ構図で、結果腐敗と汚職にま
みれた政治家と相成っていく。
民主という社会全体主義的政策とはいえ、富裕層から取り貧困層に配るという政策を推し
進めれば、敵も多く1935年9月、議事堂で知人に撃たれ死去している。
ただこのヒューイの汚職や政治腐敗を追及する新聞記者に対して、「人々がレンガを欲し
がったら、誰かがそれを作るために泥の中を這いずり回らないといけないんだ」
結局は腐敗と汚職まみれになってしまったが、その政治哲学は「悪でも善になる」という
あくどく稼ぎ、それを社会に還元と、それなりのポリシーをもった政治家・・・。
だけに似ているようで、似ていないのは貧困層に回す気配りか、あるいは自分の利殖の
道具としての政治家か、これは雲泥の差がありそうだが・・・。


流浪の民の囁き-all



http://www.youtube.com/watch?v=3hMFykL6pko
「オール・ザ・キングスメン」  〇七年公開作
上の映画のリメイクというより、監督以下が原作を読んでイメージを固めたらしいから、
リメイクかはさておき、ショーン・ペンが熱演しているもの。



流浪の民の囁き-sean



http://www.youtube.com/watch?v=AbyMeMApC3U
「当時のニュース映像」

「政界浄化」という錦の御旗をかざして、検察には解明に全力をあげてもらいたいが、
過去の行いとか、からは旧来型の金権体質・・・、あの金丸の隠し資産と同じでは、民主党
の理念からは離れすぎている「お題目」となりそうで、映画になれば「金まみれ」では、

あまりにも選挙民がと・・・。

にしてもマスコミの報道の仕方の偏りは、到底ジャーナリズムとは呼べない。

ここらに日本とアメリカの政治の成熟度の違いがあるのか・・・。

何しろマスコミは、偏向一辺倒に、この疑惑の人物を持ち上げまくった。

会見でのたどたどしい日本語に、こりゃあのテレビ・コマーシャルで、やはりたどたどしい

日本語を操るどこぞの社長さんとダブってくる・・・。

以前の田中派の残党という、もろな金権体質は抜けるものでもなく、マスコミはそれまでも

過去のかなたにおいやるという蛮行を犯して、国民への間違ったメッセージを発信続けている。

「呆れたものだ」


・・・・、と、このエントリーは、他サイトの一部を転載して訂正・加筆して記したものです。


オール・ザ・キングスメン コレクターズ・エディション

¥3,591                         といったところで、またのお越しを・・・。