豪華客船が大海原の真っ只中で、大災害が巻き起こり、乗客の運命やいかに
というコンセプトは、「タイタニック」「ポセイドン・アドベンチャー」等知られた存在で
それらの自然災害でなく、人為的いや「怨念」やらホラー仕立てにすると、また違った
趣きのある大海原の惨劇が出来上がり、その閉ざされた空間のみの展開は、思ったより
緊迫感を持って・・・、自然に立ち向かうと違った豪華客船の惨劇というのも、ホラー映画
になり易い題材であるかも、そんな中に「ゴースト・シップ」も入るものだろうが、以前見た
「ゴースト、血のシャワー」と比べると、なんとも・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=9KlV4SSGXWo&feature=related
「ゴーストシップ」 〇三年公開作
豪華客船内の乗客の優雅に飲み食べ、そしてラウンジでの歌や歓待の様子の
長めの描写が、これから起こるであろう惨劇の「怖さ」を強調して、出だしから
「おお、これは・・・、期待できそう」と、とろんとした目つきを真剣にさせる。
そして伏線のようにワイヤーの時々の挿入が、何が起こると更に観客の緊張感を
高めさせてくれる。
そしてワイヤーの弾けと共に、そのワイヤーが凶器となって・・・。
この出だしは「スリリングな惨劇」として、後を期待させずには於かない・・・。
その出だしから、豪華客船は生存者もなく大海原を漂う幽霊船・・・。
で、場面展開で大海原を漂う客船を発見する一報で、廃船を港まで
引き入れて金にするサルベージ船の連中に、その依頼が来て・・・。
漂う客船に乗り込む連中は、静まり返る船内の不気味な雰囲気と
蹴落とされながらも、船内探索に・・・。
ここらから、後はだれにだれてくる、あの出だしの「惨劇の巧さ」が
消し飛び、少女の幽霊が現われ、惨劇の原因と乗客の生存の謎
説きに進むあたりは、やっと「おっ、これからラストまでは期待出来る
かも・・・」と、中だるみを解消してくれるや・・・。
だが、原因が分かり・・・。
後は、再び・・・。 「サタンね」、ああそうですか・・・。
あの出だしの「凄さ」は、なんだったんだで、しょんぼりとお仕舞いになった
「赤いドレスのディーバ」も、「惜しいなぁ、惜しんだよ」・・・。
ダイアナ・ドース並の「女優」なら・・・、「惜しいなぁ」セリフも少ないんだし、
もっと肉感的な女性なら、もっと際立って・・・。
まぁ、出だしの五分が勝負だった映画。後は・・・。
で、豪華客船もので、この亡霊がってんで思い出したのが、下のやつ。
豪華客船は沈んでしまうが・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=JA5bPFp7yA8
「ゴースト 血のシャワー」 八十三年公開作
こちら「豪華客船」が、急接近する鋼鉄船にぶつけられて、沈没してしまう
大海原に投げ出された人々の前に、すっと現われる意志をもった鋼鉄船、
ゴムボートで漂流している人々にとって、不気味だが「わらに縋る思いで」
その船に乗り込んでしまう・・・。そこからが沈没以上の恐怖の始まり・・・。
何しろ、こちらは大量の乗客をぐっと減らして、一人一人の残虐な死に方
を描くから、映画としては小粒でもまとまっている。
先ずは、やっとの思いで乗船した一人を意志を持ったウインチのワイヤー
が絡みつき吊り上げてしまう。
いたぶるようにして溺死させる鋼鉄船・・・。助かったと思っている人にとって、
それでも仲間がいるから逃げ出す様子もなく、船室へと・・・。
意志をもつ鋼鉄船はエンジンを掛け、動き出していく。
そしてこの謎の鋼鉄船の正体が判明・・・。
大戦の「ナチスの拷問船」であった。
そこで惨殺された人の「怨念や無念の思いが」あるいは死体の
山がとか・・・。
で、邦題はこの「シャワー」のインパクトからと思える。
これも恐怖が性欲を掻き立てさせるのか、乗り込んで「いちゃついて
汗をかいたから、シャワーを浴びるね」、そして違ったコックを捻れば
「血のシャワー」でスクリームが壮絶に響いて、性的満足の後に狂い
死にする・・・。もう「怨念」の連鎖が「延々とエンドレス」に・・・。
この映画の主演は、この船に乗り込んで「怨霊」に支配される豪華客船
の船長であるジョージ・ケネディー。
大柄な男でいろいろな映画に出ているが、どこか印象に薄いのだが、ここ
では「怨霊」に乗っ取られているから、それなりに不気味で人を殺すのを愉
しむような不気味さを、ちっとも怖くないのだが演じている。
画像は海外サイトで拾ったもの。
怨霊に乗っ取られた船長から逃れる人も出て、一応それらしい
終り方、逃げられた人を追うとする船長は、意志をもつ鋼鉄船に
よって、悲惨な最後を遂げてしまう・・・。
と、少人数で舞台は「ナチスの拷問船」だから、それなりに怖さは
あるし、見ている分には逃げ惑う人々としたいの山とかホラーらしさ
はあるし、見ていた退屈はしないが・・・。
前提になる鋼鉄船にぶつけられて沈む客船と損傷を受けない鋼鉄船
もだが、第一「拷問船」という存在は有り得るのか、捕虜を乗せた輸送船
なら頷けるし、そこで死ぬ人も出ようが、拷問をするために船を建造する
余裕なんて・・・。フィクションに噛み付いても詮無いが、どうも「ナチス」なら
何でもありって・・・、ここらがどうも今一・・・、それでも上の「ゴースト・シップ」
の展開のぐだぐださから比べれば、一本調子のこちらの方が・・・。
- ゴースト/血のシャワー
- ¥3,761 といったところで、またのお越しを・・・。