無垢な精神の障害者「フォレスト・ガンプ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

知的障害を持った子供であれども、普通に育て上げる母親と、その子の目を見張る走力が

また無垢の精神が、病んでいくアメリカにとって唯一の救い・・・。

障害者を排除するでなく、その持っている才能を賞賛し周りを幸せモードに引っ張り込む

心温まるヒューマン・ドラマにしていたのが「フォレスト・ガンプ」である。



流浪の民の囁き-フォレスト・ガンプ

http://jp.youtube.com/watch?v=JdsMqRaz2WY

「フォレスト・ガンプ」 九十四年公開作


主演のトム・ハンクスの演技も素晴らしいが、「レインマン」の介助の素晴らしさでなく、その本人

の無垢の精神、そして本人の才能が周囲を温かく包み込むさまは、出だしからの少しおかしな行

動に見ながら笑っているが、いつしかその笑いが、泣き笑いになり、そしてラストシーンでは胸を

熱くさせて、今度はほっとするような涙を流させる・・・。

障害を持つ人間の可能性を無限大に広めてみせる映画手法は、これまでの・・・。

まぁこれとは違って「カーブの世界」という、こちらは人間的精神の欠落した母子の物語もあった

が、見ていてほんわか温かい気持ちにさせてくれるハンクスの演技は、一時でもファンタジィー

の世界へ誘ってくれる。

と、それ以外は思いつかない映画で書くつもりがなかったのだが、この映画で見逃せないのが、

使われていた音楽である。

その中でも、日本ではそれほど人気がないがボブ・シーガーの楽曲は、この映画のコンセプトに

一番合っていたように思う。


http://jp.youtube.com/watch?v=RcDCvQbOdig&feature=related

「アゲインスト・ザ・ウィンド」  ボブ・シーガー


向かい風に向かって疾走する。

この自分の価値観と違った、いや無垢な者と邪悪な者と、そして無垢な障害者に理解を示した

彼女のために、一生懸命走る、走りぬく・・・。

渋い歌声とあの頃を振り返る年輪のさまを、静かに聞き込めばそっと優しい感情が湧いてくる。

この映画をかいてみたくなったのは、昨日のエントリーで書いたこの前の少女殺害事件の犯人

の知的障害を報じるのに、健常者視点とある思惑を込めて書いたのが分かるからだ。

犯罪を犯したしまった者は断罪されるべきだが、伝える方法にはそれこそ無垢な精神の公平性が

求められるのではないのか・・・。

と、東京放送と毎日新聞の報道姿勢に、いささか憤りを覚える。

フォレスト・ガンプ/一期一会 (ハッピー・ザ・ベスト)
¥1,350                        といったところで、またのお越しを・・・。