大人の扉を開く甘く切ない試練「青い体験」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き


映画で少年が大人になって行く過程を描くものに、初体験を扱うものがあり、大概の場合

そのお相手は色気むんむんの年上の女、と少年が思い描く完成された女が年上というより

世の中の酸いも甘いも知っている経験値が、少年を優しくリードして、一人前の男へ育てる

と、それをコミカルに描いて、ヒットしたのがこの「青い体験」である。



流浪の民の囁き-青い体験


http://jp.youtube.com/watch?v=2xutp4FYOuI

「青い体験」 七十四年公開作


少年の性に対する好奇心は、魅惑的な女性でなければならず、それにぴったりな

女性なら頭の中はそれで一杯になり、そしてその経験が人生にとっての一人立ちを

後押ししてくれる。

と、物語はイタリア、シシリーの男やもめの一家に舞い込んでくるお手伝いさんで、

それが考えられない魅力的な「お姉さん」と、一騒動にはぴったりとはまる女性で、

先ずは親父がそして兄が夢中になり、しかし弟は死んだ母の面影から抜け出せず

親父や兄が巧くいくのを邪魔する態度で、お姉さんに付きまとい、しかしやがて自分も

お姉さんの魅力に惹き付かれていき・・・。


http://jp.youtube.com/watch?v=FcuwyJddRmY&feature=related
「少年の悪戯」

この場面は、意思の疎通を映像に埋め込んで、とても卑猥だが微笑ましい場面である。

こうして少年は、このお姉さんによって「大人」の関門を感激で迎えて、ほんの少し大人

になって行き、親父との結婚を祝福する・・・。

まぁ、ありえねぇ設定も、ご愛嬌の少年の初体験物語。



流浪の民の囁き-続青い体験


http://jp.youtube.com/watch?v=IOg3lwnxm4k&feature=related

「続青い体験」 七十五年公開作


こちら前作の好評によって作られた続編。

配役は同じで、この魅惑のお姉さん、いやここでは結婚をしているから熟女と言った

方が当てはまるのだが、今度はトロイ親父でなく、兄が天然で妻の不倫に気付かず

弟の「大人」の関門を素っ頓狂に祝ってあげるという見ている側からは、苦笑が起こる

ものだが、その成り行きはほのぼのして、こういった優しさが「暗黙の了解」として存在

すれば、痛みも庇う優しさも芽生える大人へと成長していきそう・・・。

心許す相手には「育む」精神もそれなりに必要・・・。

「おもいでの夏」でもそうだが、少年の思慕に対する成熟した女性が見せるやさしさとけ

じめが男を成長させていく・・・。


流浪の民の囁き-ラウラ


綺麗なお姉さん役は、このラウラ・アントネッリで魅惑的な瞳と肢体が、この

役にははまっていた。

もっともカメラワークが、より以上に粘着でフェチ満開だから、飛びぬけて魅惑的

になって行く・・・。


まぁ、この作品以外でも年上の女と少年では「個人教授」なんてのもあり、また日

本では「天城越え」なんてのも、少年の憧憬に完成された大人の女の魅力として

描かれていたりするが、男を成長させる、あるいは優しさを保つ育みにとって、こう

いった交渉の後の行為が、その後の男にとって財産となってくる・・・。

近年の男に対しての評価が下がったような気配は、昔ならこういった女性が男を育

てるという「暗黙の了解」が、語り継がれていた・・・。

それと反するジェンダー・フリーという過激でともすると人間性を欠落させる教育から

は、とてもではないが「育む」という理念は生まれそうにない。

第一、この狂った思考を推進する人々からは、薄ら寒い風情しか感じられず、この

ラウラ演じる妖艶だが、優しさに溢れる女性は出てきそうもない。

「従軍慰安婦」などという造語をこしらえて批難する人々の顔を見れば、哀れみを浮

かべるしかない。性を商品化してしまった現代では、この物語なんてそれこそ「金に

ならない」事はしない心貧しい人々と・・・。

公娼制度があった時代の方が「強姦・痴漢」が少なかったのは、さていかがしたもの

だろう・・・。性を巡る男と女の心のやり取りには、変な思想・信条も形無しの、人間の

おかしくて愚かな、それでいて生存の「生き抜く」精神が潜んでいる・・・。

そこらをめちゃくちゃにして、教育なんだもの、そりゃ程度は下がり幼稚な大人になっ

て行くのは自明である。


流浪の民の囁き-新青い体験


七十六年公開作

こちらは配給会社のやつ付け仕事の見事さで、まるで続編のような邦題

に騙されて・・・、今度はスペインの少女がロンドンに出て、そのお頭の弱さ

から騙されて悲惨な留学生活だった・・・。

の、社会は怖い、「男は狼なのよ、気をつけなさい」のプロモーションとでも

解釈していい、内容はない映画である。

同じような少年と少女なのだが、そこに性差が表れていて、男は育まれ成

長、女は悲惨な結果と、三本を見ると、憧れの対象によっては、いや聡明な

女性とそうでないものでは、結果の落差が・・・。

という見方が出来そうだが、まぁ時間の無駄・・・。


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Amazon.co.jp             アマゾンで販売していると思ったが、なかったので「若草の
                     匂い」をリンク。それ以外はパクリの朝鮮映画なので無視。
                     
                             といったところで、またのお越しを・・・。