かつて東欧の共産圏であったチェコスロバキアが、「プラハの春」を経て、
チェコとスロバキアとなって民主化された事で、第二次大戦のチェコの
人心共に引き裂かれた人々の物語を描くことが出来た・・・。
ナチス・ドイツに蹂躙される祖国の開放のために、連合国軍へ参集し
勇猛に戦ったチェコ空軍の男のお話・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=B5E4YCYvCIU&feature=related
「ダークブルー」 〇ニ年公開作
予備知識なしだとこの画像の「みじかくも美しく燃え」には笑わさせられる。
趣旨はわからんでもないが、往年の映画の題名を当てはめてしまっては
「パールハーバー」同様の陳腐な恋愛戦記ものと勘違いしそう・・・。
にしても脚本がいいからか、はたまた監督の力量か、恋愛も友情も描きな
がら、それに流されず体制に翻弄される男の、いや庶民のあり方をきっちり
描き、それでいて説教くさくなく、ましてレシプロ機での戦闘も、それは「空軍
大戦略」からのフィルムもあるが、レシプロ好きには堪えられない。
何しろコンピューターを駆使することなく、きっちり描くレシプロ機の脆さには、
全体を通した人間の脆さを代弁しているようだし、またそんな脆さを持つもので
も殺戮兵器となり得て、それを静かに訴えるととても良質な反戦映画と見ることも
出来る。
そして件の「美しく・・・」だが、分からないでもないがベット・シーンが必要とも思え
ない。男女の心情も当然に映像化されているし、わざわざ描かなくても・・・。
にしても、この主人公はあちらで振られ、こちらで振られとまっさか運のない・・・。
然るに友情では命を救われていると・・・。
静かで大げさな描写もなく、それでいて観客の心に沁みる・・・。
映画として秀逸な作品ではある。
とまれ、見ていて「空軍大戦略」の場面には、あれまだが、それだけあの映画の描写
は優れていたを証明しているようで、そんなところも微笑んでしまう。
それにしてもナチスの社会独裁主義から共産主義と体制が変わって、祖国の自由の
ための戦闘が、犯罪者並の待遇となるに、この国の引き裂かれた人々の葛藤が良く
現れている。
片やドイツの医師となり刺青を彫られ、共産主義からすれば危険思想となる主人公
翻弄されるだけの人生・・・。
その悲劇を静かに、しかししっかりと描いた力量は流石だ。
まぁ、色々と書きたいが、今日は映画の余韻が良いだけに、ためらってしまう・・・。
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- Amazon.co.jp そうそうリンクしたものは、アイアン・メイデンのバックとなっていた
- と思いますので、煩いと感じる人は、クリツクしない方が・・・。
- まぁ、最後に書くのは、手遅れか・・・。
- といったところで、またのお越しを・・・。