愛好家の錯誤がパニックを導く「アリゲーター」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き


動物愛好家において一番心配なのが、飼う時の動機「可愛い」が動物の成長と共に

そういった愛玩でなくなってしまった時の処分方法・・・。

殺処分であったなら、一般社会には影響を及ぼさないが廃棄、要するに生きたまま

捨てる、それも人知れず・・・。

それが異常に成長し肉食だったら・・・。

そういったコンセプトがあったかなかったか定かでないが、都市の中で成長してしま

った凶暴な動物が巻き起こすパニックが、この映画「アリゲーター」である。



アリゲーター


http://jp.youtube.com/watch?v=TnXNAAP23uw

「アリゲーター」  八十年公開作


今度の主役は「ワニ」で、幼い子が小さなワニを飼い始め、それを誤って父がトイレに流してしまう。

あちらの都市は勿論下水道が完備しているから、ワニは無傷で下水道に流れてしまい・・・。

あれから十二年・・・、可愛いと思っていた動物がとんでもなく巨大に成長し、次々に人を襲い、下水

道を縦横無尽に動き回り、いたるところで騒動が勃発・・・。

そして可愛いと飼い始めた幼女は、こちらも成長して動物学者と相成り、相談を受ける側になる。

と、対立軸は一応、かつて飼っていた人対捨てられたホームレスという・・・。

勿論、学者は幼い当時のことは忘れているから、凶悪な怪物退治・・・。

そして捨てられたホームレスも過去に縛られない、いや怨恨もなくただ食料としての人間・・・。

なんて、深読みして見ている人なんて、こっちくらいなもので日本でだったら擬人法を駆使して

幼い記憶を呼び戻し、凶暴だったアリゲーターが飼い主を覚えていて・・・。

犬だったらきっとそんな物語もありそうだが、ここではそういった情実は一切通用することなく、

何しろ下水道から舗道のアスファルトを突き破って地上に出てこれる強大な力を持っているのだから

そんじょそこらの「カエル」とは大違いで、その存在感は圧倒的である。

本物とハリボテを駆使していかにもに仕上げていて、それなりに見られる映画になっている。

と、書いていて動物パニックを続けているからか、飽きてきてしまった。

実際は下書きで、この後に「ピラニア」や「見えない怪物」と「恐竜」があるのだが、いささか昨日のカエル

で萎えてしまった。

で、アリゲーター繋がりで、その昔あった映画を・・・。


http://jp.youtube.com/watch?v=E5fKypVf6uU&feature=related

「恐怖のワニ人間」 五十九年公開作


こちらもアリゲーターを主題にしたものだが、こちらはヘビと同じで爬虫類学者の研究に瀕死の重傷を

負った男の再生に爬虫類の再生能力を利用したが、という空想科学映画。

そんなわけで、男はアリゲーターの遺伝子が入り込みどんどんワニになっていってしまうという映画。

それでも物語としては、よく出来ている。

始まりは精神病患者の研究をする博士が、患者をウソ発見器や睡眠によって話し出させるという。

患者のお話しを広げていく、そしてそのお話しを映像化していくと、アリゲーターとなってしまった男の

切ない物語となって、オチも話をテープで聞いていた博士達の疑問で終るという、それなりに物語りは

作ってあるのだが、如何せんアリゲーター人間の造形が大笑いだし、それがなんと二本足で歩くって

まして変身途上ではピアノは弾くし、会話も出来てしまう。

だから邦題の「恐怖」はマッド・ドクターの治療かと思う、コバルト60、放射線に対して何ら知識がない時代

を反映して、鉄道でトラックで運びってな、とても安易に扱っていて、ガンマ線とX線で、それを行っている時

闖入者がそれらの機械を壊して、めでたくアリゲーター人間が完成してしまう・・・。


パニック映画に「スリル」を求めるか、それともストレスを発散させる「笑い」を求めるかによっては、どちらも

なかなか見ていて楽しいかも・・・。

そうそうこの「アリゲーター」、巨大化の原因が製薬会社の排水ってところで、ハゲが副題みたいに盛んに「ハゲ」が話題に上るのは、育毛剤でも生成していたか、何しろ最後まで「ハゲ」で仕舞いになるのだから・・・。

アリゲーター
¥3,801                          といったところで、またのお越しを・・・。
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